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FEATURE

PROTEST THE HERO

2011.03.04UPDATE

2011年03月号掲載

極限まで研ぎ澄まされた“技”が織り成す、究極の快楽!!

ライター:MAY-E

カナダの若手ロック・ヒーローPROTEST THE HERO。音楽シーンを震撼させたセカンド・アルバム『Fortress』(08年)から約3年振りとなる新作『Scurrilous』(スカリラス)が到着した。その圧倒的な存在感でエクストリーム・ミュージック・ファンを沸かし続けてきた5人だが、結成から10年を迎えた今、産み落とされた新作『Scurrilous』で、史上最高の衝撃が我々を襲うことになる。

08年のBULLET FOR MY VALENTINEとのツアーで日本を訪れた際、フロントマンのRody Walker(Vo)は「変化のないアルバムは絶対に作りたくない。同じ音楽を繰り返すようになったら、俺らはみんなバンドを即やめるよ」と語っていた。確かに『Kezia』から『Fortress』への進化の過程に、その片鱗こそ見えていたが、今作『Scurrilous』は、過去2作とは全く別の次元にあるものだ。

ギタリストのTim MillarとLuke Hoskinの目まぐるしいほどのテクニックの応酬。複雑なリズムをパワフルに叩き出すMoe Carlsonのドラミング。うねる様なArif Mirabdolbaghiのベース・ライン。そして、ファルセットを用いるなど更に表現力を増したRodyの猛進するようなヴォーカル・ワーク。アルバムを形成するその全ての要素に圧倒される、究極のプログレッシヴ・メタル・アルバムだ。楽曲構成は複雑且つ緻密。クール・ダウン的な曲など一切無いが、「Hair Trigger」では女性ヴォーカルのJadea Kellyをゲストに迎えて表情を変えたり、オペラのような壮大なパートも見え隠れするなど、パワー一辺倒でないバランス感覚が抜群で、凄まじくヘヴィであるのに不思議と耳馴染みが良い。彼らのクリエイティビティを爆発させた、最高のエクストリーム・ミュージックをここに完成させたのだ。

シーンを賑わすライヴ感を意識したブレイクダウン・パートや、チャラついたダンス・ビートなど、彼らは眼中にない。完璧主義者でストイック、そしてサディスティックなPTHらしいアルバムと言えるだろう。これがPTHの新たな方向性となるのか、それともあくまで実験的なアルバムであるのか、それは彼らのみぞ知るところであるが、世界中のファンがこの衝撃作『Scurrilous』にどのようなリアクションを寄せるだろうか……そんな事を考えつつ、リリースを心待ちにしている。

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