DISC REVIEW
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アタックを異様に強調したゴリゴリとした独特のサウンドとIvan Moodyのアグレッシヴなヴォーカルが強烈なオリジナリティを放つ、FIVE FINGER DEATH PUNCHの4thアルバム。Rob Halford(JUDAS PRIEST)をゲスト・ヴォーカルに迎えたTrack.1「Lift Me Up」で幕を開けるこのアルバムは、これまでにFFDPが築き上げてきたキャリアの集大成として位置付けられる高い完成度とFFDPらしいアグレッションを追求しきった作品となった。一聴してすぐにFFDPと分かる骨太のサウンドはさらに強靭さを増しつつ、ギター・ソロあり、バラード調のドラマチックな展開あり、ラップあり、キャッチーでシンガロングなパートあり、泣きメロありと、高い構成力と引き出しの深さをこれでもかと見せ付けてくれる。既に世界的な人気を獲得し、過去作は全てゴールド・ディスクというこれ以上ない成功を手にした彼らだが、自身のサウンドの追求と作品への欲求は止まることを知らないらしい。本作は2部作の1作目と位置づけられ、2作目も今年秋のリリースが予定されている。半年強で2枚のアルバムをリリースするのは暴挙か、挑戦か。メタル・ゴッド、Rob Halfordも認めたFFDPが今新章へと突入していく。今年この2部作を聴かずしてメタルの何を語る!? 米沢 彰