INTERVIEW
FIVE FINGER DEATH PUNCH
2015.08.25UPDATE
Member:Jason Hook(Gt)
Interviewer:米沢 彰
-ニュー・アルバム『Got Your Six』のリリースおめでとうございます。タイトルからも6枚目となるこのアルバムへの思い入れが感じられるような気がしますが、アルバムが完成した今の率直な気持ちを教えていただけますか?
短い期間にものすごくいっぱい仕事した気分だよ。でも何とも言えない達成感と気分の良さなんだ。まだ9月までリリースされないから実際このアルバムを聴いたのは関係者や評論家だけなんだけど、それでもすごくいい反応をされたから期待できると思う。自分たちが作った作品を最高のアルバムだって評価してもらえるとなんだか安心するね。
-アルバムのタイトルからはいろいろなメッセージが読み取れるようにも感じられますが、実際にはどういった思いを込めたのでしょうか?
"Got your fix"をもじって"Got Your Six"なんだ。"Got your fix"は解決策とか治療とか、ドラッグで言うならハイになれる状態を意味するから、最後を"Six"にして"6枚でハイになる"みたいな意味を持たせている。カッコいいタイトルだろ?
-2部作となった前作『The Wrong Side Of Heaven And The Righteous Side Of Hell, Volume 1』『The Wrong Side Of Heaven And The Righteous Side Of Hell, Volume 2』はわずか4ヶ月未満での連続リリースながら共に全米総合チャート2位を獲得するなど大きなサクセスを収めましたが、前作の成功が制作上のプレッシャーにならなかったですか?
ありがとう! プレッシャーは、特に自分にとってはあまりいいことがないから感じないようにしているんだ。もちろん自分がコントロールできることは限られているから、単にいい作品を作って、100パーセントを注ぎ込めばいい結果が得られると信じて今回のアルバム制作に取り組んだんだ。
-2作品25曲をリリースしてからわずか2年で再びフル・アルバムをリリースするのは本当に驚異的なペースですね。もともと曲作りが早いということでしょうか? ツアー中でも絶え間なく曲が浮かんできてしまう体質だったりしますか?
そうだね、"貧乏暇なし"とも言うけど、ちょっとだけ休息期間があったから、そのときにニュー・アルバムを制作しなければ多分2017年まで制作に入れないって話になって、その期間ですべてを終えることにした。どうせ俺たちは常に仕事をしていて、じっと座っていられるようなバンドじゃないんだ。オフのときだっていつも曲を作っていたりするから、この時間でニュー・アルバムを作ることにした。
-これだけのペースで作っていても、どの曲も展開に富んでいて、さまざまな音楽性、そしてすばらしいリフとギター・ソロがFFDPの楽曲のコアとしてさまざまな面を見せてくれるのには本当に驚かされます。実際の制作活動はあまり苦ではないですか? また、実際にはどのようにして制作を進めていますか?
プロデューサーのKevin Churkoと一緒にすごくいいシステムを生み出したんだ。事前にどんなアルバムを作りたいか話し合った。エネルギッシュなアルバムにして、ライヴ演奏でもすんなり演奏できるような楽曲にしたかった。Kevinとの作業がすごく自然で慣れているから、すぐにいい音が作り出せるんだと思う。新しい関係をイチから構築していくのとは違って、お互いのことを知り尽くしているから、すぐに何を考えているか、何を求めているかを分かち合えるんだ。
-これでデビュー作を除く全作品がKevinをプロデューサーに招いての制作ということになりますね。この連続起用はお互いにやり方を深く理解しているということが大きいのでしょうか?
彼は素晴らしく腕のいいプロデューサーなんだけど、勤勉で才能があって、俺たちのやり方に非常に合っているんだ。彼と仕事をすると、最高の作品が作れる自信もある。彼は一生懸命仕事をするけれど、俺たちがやりたいようにやらせてくれるんだ。制限したり、意見を押しつけたりしない。自分たちがやりたいことをガンガン伝えるけど、彼はさらに追求してくれるんだ。この関係がすごく良くて、ここまで慣れ親しんだ仕事現場はないと確信しているよ。
-新作で同じくKevinをプロデューサーに迎えたDISTURBEDのDavid Draiman(Vo)に先日インタビューした際に、彼はKevinのことを"彼は素晴らしい人間だよ。尊敬しかない。どのバンドでも彼と仕事をすることを勧めるよ。彼の手にかかったら間違いないんだ"とベタ褒めでしたが、あなたもそれには同意しますか?
そうだね、俺もKevinを心から尊敬している。彼は6人目のメンバー的な存在で、俺たちの音楽にはなくてはならない存在だよ。家族の一員って感じで本当にいい奴なんだ。彼の1番いいところはあの性格だと思うよ。気さくなんだよね。
-アルバムができるたびに、バンドとしてのスケールが大きくなっているように感じられます。前作まではアリーナ・クラスだったのが、今作はスタジアム・クラスのような。ライヴを意識して曲作りをしていたり、あるいはそういった実際の会場をイメージしているというようなことはあるのでしょうか?
その通りだよ。最近の方がライヴを意識しているね。ツアー経験がどんどん増えるとセットでどの曲がうまくいくか体で感じられる。曲作りをしている段階で、ライヴですんなり演奏できるようにハイエネルギーなものを生み出そうと決めていたんだ。
-もともとゴリゴリとした無骨なサウンドが特徴的なあなた方でしたが、そのサウンドの芯は変わらずに音の広がりや奥行きがどんどんと出てきたような作品ごとの進化を感じるのですが、そういった方向性について、具体的な話をしたり決めたりしているのでしょうか?
かなり具体的に話をするけど、俺はいつもみんなより先に曲作りに入り込むんだ。スタジオに入って"さあ始めよう!"ってなったときに誰も何も準備をしてないとイラつくから、俺はツアー中の待ち時間を利用してひたすら曲を作っている。準備するのが大好きなんだ。