DISC REVIEW
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パンクは現代最高のポップ・ミュージックという新しい価値観を教えてくれた大阪の4人組。新たに女性ベーシストを迎え、リズム隊が女性というちょっと珍しい、でも、ビジュアル的に鮮烈な印象を与える編成になった彼らが2年10ヶ月ぶりに3rdアルバムをリリース。30曲から厳選した13曲に代表曲の再録とCyndi Lauperのカヴァーを加えた計16曲。最大の武器であり、冒頭に書いたとおりポップ・パンクをアップデートしたナイーヴなメロディはさらに磨き上げられる一方で、効果的に使った女性コーラスをはじめアレンジ/サウンドの広がりや閃きが随所に窺える。往年のスウェディッシュ・ポップを連想させる「Break My Fall」は新たな代表曲になる予感。そういう普遍性の高いポップ・ソングが違和感なく収まるところが彼らならでは。 山口 智男