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LIVE REPORT

THE MADNA

2024.06.12 @渋谷WWW

Writer : 杉江 由紀 Photographer:さいとうたくや

MADなDNAを持つ、異端なるV系ミクスチャー・ロック・バンド THE MADNAは、このような表記をもってマドンナと読む。彼らがこのたび回ってきた"THE MADNA TOUR'24 炎上光彩"のファイナル公演において、迫力たっぷりに冒頭を飾ることとなったのは、今の旬な部分が凝縮されている最新シングル『BLAZE』の表題曲だった。太嘉志(Gt)の7弦ギターを駆使した激烈タッピング、5弦使いのベーシスト 朋(Ba)が繰り出すスラップとピック弾きを併用して生み出す濃厚グルーヴ、さらには理緒(Dr)が踏み倒すキックの一斉掃射に、涼太(Vo)が歌い上げる"変化を恐れるな/全てが灰になるまで燃やし尽くせ"という強いメッセージ。それらから感じられたのは、つまりMADなやつらの放つ気迫にほかならない。

"今日をどう生きるか? 数ある選択があるなかで、お前らはこの場所に来ることを選んだ。これは単なる偶然じゃない。必然で運命だって俺が断言してやる。そして、約束してやるよ。今日のツアー・ファイナルで、俺らがお前らにとっての生きる理由になってやるって。俺たちはそれを証明しに来たんだ!"(涼太)

なんでも、涼太は数年前に別バンドで渋谷WWWのステージに立ったことがあるらしく、そのときのライヴ内容は本人いわく"なかなか思うようなライヴができなくて、悔しかったし苦い思いをしたんだよ"という状況だったそう。また、理緒もTHE MADNAの前に在籍していたバンドで涼太と近しい経験をしていたとのことで、彼らふたりはこの場所を半ば"宿敵"と認識してきたところがあった模様。しかしながら、今宵のTHE MADNAとしてのライヴ・パフォーマンスについては、初っ端から完全に勝ち確モードに入っていたのではないかと思う。ツアーの中で収穫してきたものを礎に、気負いすぎることもなければ、かといって変に余裕を醸し出すのでもなく、またとない暴れ曲にしてミクスチャー・ロック色の強さが光る「FUCK'N DEAR×××」や、シンコペの嵐がやたらと心地よかった「SPLATTER」など、最新シングルのカップリング曲たちも交えつつ、彼らは伸び伸びとした等身大の音と姿を我々に対して遺憾なく提示してくれたのである。

"最近よく思うのは、バンドってタイム・マシーンみてぇだなっていうことなんだよね。誰でもきっと「あのときに戻ってやり直せねぇかなぁ」って考えたことあると思うんだけど、今日は間違いなくあの日には果たせなかったことを果たせた気がします。(中略)当然、ここで敵討ちができたってことはさ。あとはもう、THE MADNAっていうタイム・マシーンでみんなを連れて未来へ進むだけなんだよ。俺はマジで未来に期待しかしてない。だって、THE MADNAすげぇカッコいいもん(笑)"(涼太)

本編ラストを1stフル・アルバム『ElecTЯiP』に収録されていた「極彩色」で締めくくったあとには、本ツアーで初めて応えることになったというアンコールでポジティヴ且つパンキッシュな「Emily」を披露。現時点でのすべてを出し切るようなライヴを完遂することで、THE MADNAはファンに対しての"証明"を終了したことになるだろう。なお、来たる7月には涼太が言うところの"夏ソング"となる「BLUE STAR」を発表し、リリース後には東名阪ワンマン・ツアーも決定している。MADなやつらは、今夏も大いに賑わしてくれそうだ。

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