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LIVE REPORT

BRIDEAR

2021.05.02 @青山RizM

Writer 杉江 由紀 Photo by 添田貴久

前に進む強い意志を持った者たちの前だけに、きっと未来へと続く道は拓けてゆく。確かに、この1年半近くにわたって、多くの人々があらゆる場面でコロナ禍に前途を阻まれてきたところがあるのは間違いないが、それでも知恵を絞り、手間さえ惜しまなければ"どうにかして物事を進展させていく"こと自体はできるはず。

事実、BRIDEARも昨年夏にはまず配信ライヴを行うことにトライし、今年に入ってからはオンライン・サロン"Bloody Bride"を開設。そして、今春には待望の現体制での第2弾アルバム『Bloody Bride』を発表し、そのうえでこのたびは、久々のツアー"Dance in the maze part1"を開催することになったわけだ。残念ながら、4月末に予定されていた大阪、京都公演については今般の社会状況により延期となってしまったものの、5月2日にツアー・ファイナル公演として予定されていた青山RizM公演については昼夜にわたる2公演を文字通り敢行してみせたのである。彼女たちにとっては実に1年3ヶ月ぶりとなった今回の有観客生ライヴは、まさに記念すべきものになったと言えよう。

"お久しぶりです、BRIDEARです! 今日は大変な状況の中でみなさん来てくださってありがとうございます! 正直、来られない方もたくさんいるんじゃないかと心配していたんですが、こんなにたくさんの方々に来ていただけて本当に嬉しいです。(中略)今日は感染対策をしっかりとりつつ、みなさん一緒に楽しんでいきましょう!"

最新アルバム『Bloody Bride』と同じ流れで、インスト曲「Deep Blue」がSEとして流されたあと、1曲目の「Daybreak」では正統派なメタルを堂々と聴かせながら、BRIDEARはそのアクティヴでアグレッシヴなステージを開幕させることに。ここからMISAKIとAYUMIによるギターのハモりが炸裂した「Dimensions」、ベースのHARUとドラムのNATSUMIがダイナミックなグルーヴを聴かせた「Pray」と続いたのち、ヴォーカリストのKIMIがこの日最初のMCとして口にしたのが前述の言葉となる。 いよいよ3度目にもなる緊急事態宣言が東京に出されているなかであったとはいえ、なんとこの日の昼夜合わせた2公演分のチケットはいずれもソールド・アウト。しかも、さすがはBRIDEARの支持者たちだけあって"欠席"がされることも一切なかったようで、場内には多くの人々が感染対策をとりながら集うことになったのだった。

なお、今回のライヴでは本編中盤において元Janne Da Arcのギタリスト、youが楽曲提供したということで話題となっている「Fake World」も、アルバム『Bloody Bride』からいち早く披露されたほか、本編ラストではアルバムのタイトル・チューン「Bloody Bride」にて謎の巨大キャラクター、Brideちゃん(Mrs.Bride/22歳)が突如ステージ上に乱入。血みどろの花嫁衣装をまとい、緑色の眼を光らせたBrideちゃんが、歌ったりプレイしたりするBRIDEARの面々に絡んでいく様子は、なんともシュールであり、どこかIRON MAIDENにおけるエディ(エディ・ザ・ヘッド)を彷彿とさせるような、インパクトある存在感を放っていたと言えるかも(BrideちゃんはすでにTwitterアカウントまで持っているそうだ(笑))!?

5月7日には前作『Expose Your Emotions』と今作『Bloody Bride』が、UK/EUの"SETSUZOKU RECORDS"レーベルから同時発売となった今、BRIDEARは9月からヨーロッパ各地でのライヴも予定しているというのだが、これだけ世界中の情勢が刻々と変わっていくなかでは、まだ不確定要素が多いのも事実だろう。ただ、世の中がどうあれ"バンドとして前に進んでいく"という意志を彼女たちが持ち続ける限り、未来へと続く道は拓けてゆくに違いない。BRIDEARの前途に祝福あれ!

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