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LIVE REPORT

DOLL$BOXX

2018.04.15 @TOKYO DOME CITY HALL

Writer 荒金 良介

昨年11月に5年ぶりになるミニ・アルバム『high $pec』を発表したDOLL$BOXX。改めてバンドを紹介しておくと、Fuki(Vo/元LIGHT BRINGER/Unlucky Morpheus/Fuki Commune)をフロントマンに、はな(Dr)、F チョッパー KOGA(Ba)、TOMO-ZO(Gt)、オレオレオナ(Key)のGacharic Spinの楽器陣4人で構成されている。そんな彼女たちによる、東名阪で行われる"DOLL$BOXX TOUR 2018「high $pec High Return」"初日、TOKYO DOME CITY HALLでの公演をレポートしたい。実はこの日同会場でGacharic Spinのニュー・アルバム『G-litter』レコ発ファイナル公演("Gacharic Spin TOUR 止まらない2018 ~良い子(415)は真似しないでネ~")が19時から控えており、DOLL$BOXXは14時開演というスケジュールで開催された。

オープニング、荘厳なSEが流れると、紗幕越しにメンバー5人の影が浮かび上がる。バンド名のとおり、人形のごとく固定化されたポーズを取るシアトリカルな演出で幕を開けた。それから黒の衣装でビシッと統一されたメンバー5人が姿を見せると、"東京、行くぞ!"というFukiの掛け声と共に「Loud Twin Stars」で本編スタート。続けて「monopoly」、「ロールプレイング・ライフ」と記念すべきデビュー作『DOLLS APARTMENT』収録曲を畳み掛ける。"嵐の昼にたくさん集まっていただき......私たちがDOLL$BOXXです! 最高の昼にしましょう!"とFukiがクールな語り口で煽ると、Gacharic Spinの「ヌーディリズム」($バージョン)を放ち、会場の熱気はどんどん膨らんでいった。

そして、最新作から「HERO」を5曲目に披露。そういえば、最新作を評して"今は合体という印象はなくて、ひとつのバンドという印象が強くて"とKOGAは語っていた(※2017年11月号掲載)。前作以降、FukiとGacharic Spinはそれぞれの道を突き進み、さらなる個性に磨きをかけてきた。その両者が5年という歳月を跨ぎ、再び一緒にやることの意味を突き詰めたのが最新作だ。ラウドな音像に特化し、強度を高めたDOLL$BOXXの戦闘能力はライヴでも遺憾なく発揮されていた。「HERO」においてもエッジの鋭いメタル・リフにバキバキのスラップも加え、躍動感満載のサウンドを叩きつける。

中盤に"ガールズ・バンドの名曲を"と前置きすると、LINDBERGの名曲「BELIEVE IN LOVE」をプレイ。これも硬質なメタル・バージョンでカバーされ、Fukiもノリノリで見事に歌い上げていた。「L.I.B」を挟み、TOMO-ZOによる卓越したギター・ソロにも心酔。それからインスト・パートもかっこいい「Sub-liminal」、シンボリックなナンバー「おもちゃの兵隊」、オレオレオナが美声を響かせる「Dragonet」と続き、はなの壮絶なドラム・ソロに移行する流れも聴き応えたっぷり。「Merrily High Go Round」に入ると、観客総出でタオル回しの光景が広がり、会場をひとつに束ねたあと、"夜のことは忘れようか? DOLL$BOXXで燃え尽きましょう!"とFukiが言うと、「Take My Chance」、「Shout Down」、「KARAKURI TOWN」と攻撃性抜群の楽曲を連発し、ラストは「世界はきっと愛を知ってるんだ」で締めくくった。アンコールで披露した「ブラックサバイバル」を含む全18曲をやり終えると、7月29日に川崎 CLUB CITTA'にて、バンド主催のフェス"DOLL$ FESTA"を開催することを発表。この日の鋼鉄にして華麗なショーを観て、音楽性だけではなく、活動ペースもギアを上げていく彼女たちから目が離せそうにない。

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