LIVE REPORT
ROOKiEZ is PUNK'D
2016.06.02 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 吉羽 さおり
結成10周年を迎えた3ピース、ROOKiEZ is PUNK'Dが渋谷CLUB QUATTROでアニバーサリー・ライヴ[10th Anniversary"We are still not punk'd"]を行なった。対バン相手として迎えられたのは、先輩であるFLOW。2組がこうしてがっちりと対バンするのは、3年前にROOKiEZ is PUNK'DがFLOWの主催イベントに呼んでもらって以来だという。プライベートでも親交があって、お互いにまた一緒にやりたいと思っていたが、FLOWとの対バンは"ここぞというときに、とっておいた"と言うSHiNNOSUKE(Vo/Gt)。その"ここぞ"のときが今回の10周年ライヴであり、2バンドが真正面から遠慮なくぶつかり合う熱いステージとなった。
まず登場したのは、FLOW。"ROOKiEZ is PUNK'D、10周年おめでとう! 今日は祝い倒しにやってきました!"というKEIGO(Vo)の言葉どおり、「Rookie」、「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」と陽性のロックンロールで頭から飛ばしていく5人。KEIGOとKOHSHI(Vo)でシンガロングを煽り、オーディエンスが高くジャンプすれば、ギターのTAKEもステージの前線へ飛び出してプレイし、フロアを灼熱にしていく。「虹の空」など、シングル曲を中心にしたフレンドリーなセットリストでありつつ、今年2月にリリースされた10作目となるアルバム『#10』から、グルーヴィで攻撃的なミクスチャー・ロック「DECATHLON」でフロアをかき回したりと前半から縦横無尽なビートで駆け巡る。
FLOWは2016年7月を皮切りにメジャー・デビューをして14年目となる。"ここまで続けてこられたのは人との繋がりが生まれるライヴがあったからで、ライヴのたびにもっと追求していこうという思いが芽生える"と、KEIGOは語った。また、少し先の道をいくものとして、ROOKiEZ is PUNK'Dの10周年を祝うと同時に"もっとバンド、音楽をやっていこうと伝えにきた"と付け加えた。ROOKiEZ is PUNK'Dがバンドにとって大事な日に、FLOWというバンドを対バンに迎えたのは、そういう背中を見てきたからだろう。そしてその熱く真面目な姿とは裏腹に(?)、音楽とステージは底抜けに明るいパワーで、鮮やかにネガをポジへとひっくり返していくハチャメチャさがある。最高の対戦相手だ。
後半は「Re:member」に始まり、インディーズ時代からの曲「プラネットウォーク」でフロアの歓声を一段と大きくしながら、「GO!!!」ではKEIGOの"とことん行こうぜ"という言葉で一体感たっぷりにウェーヴを巻き起こす。ラストの「Steppin' out」まで、たっぷりとオーディエンスに汗をかかせて、ROOKiEZ is PUNK'Dへとバトンタッチした。
U(Dr/Cho)の力強いキックで、フロア一面が高く手を掲げハンドクラップし、SHiNNOSUKEの"いこうぜ、渋谷"という声とともに「IN MY WORLD」からライヴをスタートしたROOKiEZ is PUNK'D。"でっかい声、聞かせてくれ"と、のっけからコール&レスポンスを起こし、続く「JagerBomb」ではさらにビートを加速させてオーディエンスをジャンプさせていく。3ピースによるソリッドでスピード感のあるアンサンブルが気持ちいい。
2010年のデビュー後もメンバー・チェンジがあったりと、"この10年は平坦なものではなかった"と語るRYOTA(Ba/Cho)。そして"バンドの歴史を見てきてくれた人たちが、今日ここまで繋いできてくれた"という。せっかくの10周年だから特別なことをしようと、今回のライヴではファンにやってほしい曲のリクエストを募り選ばれたのが、「D×H×C×T」。盛大なコールが会場に巻き起こる中で、疾走感のあるビートとファンキーなギター、キャッチーなメロディが、オーディエンスを揺らした。そしてその勢いのままで、SHiNNOSUKEが"日本一、チャラい歌を歌います"と、ヘヴィなギター・リフと陽性のミクスチャー・サウンドでジャンプさせる「eggmate of the year」で、会場の温度を上げ、続く「ブチアゲミクスチャア」でのスペシャル・ゲストに、FLOWからKEIGOとKOHSHIのふたりを迎え入れた。最強の武器を手に入れ、キラー・チューン度が増した「ブチアゲミクスチャア」に、SHiNNOSUKEは"俺が一番楽しいかも"と笑顔を見せた。
中盤のハイライトは、「DROP」。メンバーが変わったりと紆余曲折もあり、一歩一歩進んで行く中でできた曲と、その感情を爆発させるような熱いアンサンブルで響かせた。また、6月29日に配信限定リリースが決定している新曲「Fight against yourself」も披露。新旧、さまざまな作品からの曲が並んだセットリストは10周年記念のライヴに相応しい。
そして軽快でジャジーなピアノがタメのあるファンキーなビートに映える「BUMP ON da STYLE」で躍らせたあとは、ダンス・チューン「Hands up」でさらに汗を迸らせた。
"メジャー・デビューをして、そしてインディーズに戻って、10年を迎えた。まだまだ上を目指します"とSHiNNOSUKEが語ると、そのあとにプレイした「リクライム」は、オーディエンスの大きなシンガロングで彩られ、パワフルに響きわたった。本編ラストを飾ったのは、デビュー・シングルとなった「コンプリケイション」。エモーショナルなメロディによるまっすぐな曲で、最後の最後は大合唱となって幕を閉じた。
アンコールでは、8月25日に恵比寿LIQUIDROOMで[ROOKiEZ is PUNK'D 10th Anniversary EXTRA"Crossing point of each way"]を開催することをアナウンスした。"俺たちまたここから突っ走っていくけど、みんなついてこれるのか"とSHiNNOSUKE。今日の熱いパーティーの余韻と、これからの期待と意志を込めて、「Fortune」と「Stand up」を演奏し、最後まで賑やかにオーディエンスに声を上げさせた。
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