INTERVIEW
AIBECK
2025.12.05UPDATE
2025年12月号掲載
Member:塩藤さやの となりのアイル 大神のん ひなたゆか リイ
COMRIZED management:ミヤタ社長
Interviewer:MAtSU(GEKIROCK CLOTHING)
違うステージに行けるんじゃないかなって 予感というより確信に近い気持ちです
-ありがとうございます。新生AIBECKは現在9月からバンド・セット・ツアー("FREEDOM JUNKIES TOUR")の最中ということですが、特に印象に残った公演があれば教えてください。
塩藤:今回5ヶ所を回るツアーだったんですけど、直近が私の出身地の小倉でのライヴだったんです。地元でのライヴはAIBECKがデビューして初めてで。
-初凱旋ということですね。
塩藤:福岡市は何回か行ったことあるんですけど、北九州っていうガチの地元にやっと行けたんです。そこでもうMCとか涙をボロボロに流しながらやりました。
大神:福岡行くたびに、"北九州も行きたい、凱旋したい"ってちゃそ(塩藤さやの)はずっと言ってて。ただ去年までは、まだ今のAIBECKじゃ動員が見込めないから実力不足でいけませんってはっきり言われてたんです。そんななかで他メンバーは凱旋がなんとなく叶うというか、できていたんですよね。決まったときに喜んでるちゃそとファンの人見て嬉しかったです。
-てんちゃん(となりのアイル)はどうでした?
アイル:やっぱ小倉ですね。てんが福岡市出身で、私だけめちゃくちゃ凱旋してたんです。ちゃそと一緒に初めて福岡行けた日も喜んだけど、絶対北九州も行こうなぁってちゃそに言ってたから、小倉の日のちゃそのMC好きすぎて動画をお気に入り登録してます(笑)。
大神:当日にセトリも変えてるんですよ。
塩藤:私が落ちサビを歌って、歌割も多い「Anthem」(2021年2月リリースのデジタル・シングル)って曲があるんですけど、それがセトリに入ってなくて。当日バンド・セットのメンバーに"すみません最後の曲だけ変更お願いします"って言って、バンド・メンバーからも"今回だけやで!"って言われて。
アイル:とか言いつつ、"絶対「Anthem」のほうがええやろ!"ってバンド・メンバーも一緒に喜んでくれてたね。
-ツアー・タイトル"FREEDOM JUNKIES TOUR"に込められた意味や思いがあればぜひ教えてください。
大神:1つ前のツアーは"Diver Diver Diver"っていうタイトルで、困難なことや嫌なこと、それぞれ抱えてると思うけど、そこに飛び込む勇気を持ってほしいっていう意味と、AIBECKを信じて俺たちの音楽に飛び込んできてくれ、ライヴ中も好きに飛び込んできてくれって意味を込めていて。今回の"FREEDOM JUNKIES TOUR"はシンプルに"好きに狂ってくれ"と。なかなか自分勝手に好きに狂うって大人になればなる程難しいんじゃないかなと思うけど、AIBECKが一番ライヴで大事にしているところはそういうところですという意味が込められてます。
-ありがとうございます。このツアーは12月15日にゲストにAzamiを迎えてファイナルということですが、2023年の初共演("HOMIES vol.207")を経てどういう経緯でツアー・ファイナルに招くことになったんでしょうか?
大神:そもそもクソ陰キャ人見知り集団 AIBECKなんですけど、Azamiの皆さんすごい優しくて、すぐにこの人たちは大丈夫みたいな感じで全員喋るようになりましたね。そこからちょいちょいサーキットとかで一緒になって、私たちも"今の時間Azamiやってる"って観に行ったり、ライヴ中に"ようAIBECK、遊びに来てくれてありがとう!"って言ってくれたり、逆に私たちのライヴも観に来てくれたり、仲良くしてもらってて。会うたびにライヴやりたいんだよみたいなことはお互いずっと言ってたんです。
-アイドルのバンド・セットは昨今すごく増えたなって思っているんですが、そんななかでAIBECKだからこその強みや、他と違うってところはありますか。
塩藤:楽曲制作チームでステージを作ってるので、アイドルがただ生音でライヴしてるんでしょ? とはならないように音源とは違う魅せ方を常に意識して、全員がバンドのフロントマンの気持ちで立っていますね。
ひなた:バンドさんたちも慣れてきて、日によっていろいろアレンジ入れてくれるんですよね。ギターでギュイーンとかやってくれるからこっちもパフォーマンスで応えてます。
アイル:あと、ドラマーが泣きながら叩くとか(笑)。
ひなた:バンドさんたちもすごいフロアを見たり、MCとかもめちゃくちゃしっかり聞いてくれるんで、なんなら俺たち以上にでけぇもの感じてる。
大神:背中を任せられるって自信持って言える人たちだし、ライヴ作りを一緒にしてくれるんです。もう2時間でも3時間でもその日のセトリについて一緒に喋ってくれるんですよ。"自分たちはこう思ってるんですけど"って言ったらちゃんと"いや、こうだと思うよ"も言ってくれるし、"メンバーがそれがいいと思うんだったら1回やってみよう"も全部やってくれるし。
アイル:"こういうのどう?"もくれるしね。
大神:そう。だからライヴ当日に、その日のフロアとか音とかを聴いて、ここの流れを違う感じにしたいっていうと"分かった、じゃあこっち今試してみるから、聴き比べてみて"とか、AIBECKのバンド・セットをどこよりもかっこいいものって信じてるからこそ、どこ行っても負けないってメンバーもバンド・メンバーも全員が口を揃えて言えるライヴができあがっているんじゃないかなと思います。
-新体制のAIBECKが目指す未来像について教えてください。
ひなた:今までにないキャラの子が入ったので、ファッションだったりメディアだったりもいろいろ幅が広がるんじゃないかなっていう。ライヴ以外の面でもAIBECKとしてやれることの幅が増えるかなと。
大神:やっぱ(日本)武道館は絶対立つって決めてます。ちなみにリイに"AIBECK入って何やりたい?"って聞いたら、リイも武道館に立ちたいって――
ミヤタ:"武道館でライヴしたいです"じゃなくて、"完全ソールド・アウトさせます!"って言ってましたね。そこはもう合格と思って。"じゃあ、俺も頑張らなあかんな"ってケツ叩かれるんですよね。
大神:AIBECKは全員当たり前のように絶対に武道館を成功させるって思ってるなかで、同じ気持ちかそれ以上の人が入ってきてAIBECKを信じてくれてるから、それでまた加速するというか。違うステージに行けるんじゃないかなって、予感というより確信に近い気持ちです。
-AIBECKはいい意味で全員の声や歌い方の個性が強いので、ここに新しい風が入るのも楽しみですね!
大神:うちは歌割の決め方が争奪戦で。仮歌がレコーディングの日に届いて、それをみんな必死で覚えて全員頭からケツまでまるまるレコーディングをして、いいところとかをミヤタさんとかエンジニアさんとかに選んでもらってるんです。
ミヤタ:基本的に僕が1番のAメロのここって感じで全員1個ずつ聴いていくんですよ。でもこれからは作り方が変わるかもしれません。今までは"THE AIBECK"みたいなかっこいいを全面に出していたところを、ここでリイちゃんのスパイスあったらおもろいなみたいなのを混ぜていくかもしれないですね。
大神:既存メンバーにはないポップさもあると思うし、そういう意味でこれからのAIBECKとしてまた違った音楽のステージに行ける楽しみはありますね。
-最後に新生AIBECKの魅力を一言で表現すると何になりますか。
ミヤタ:シンプルに"売れそうやな"って。
ひなた:本当に一言だ。
大神:そうなんだ。自分たちのライヴは観れないから、その一言はちょっと嬉しい。
ミヤタ:AIBECKは"アイドルがバンドをやっている"ではなく、もはや"バンドとして選ばれる存在"になったなと。関係者の皆さんが"かっこいい"、"最高だ"って言ってくれるのも、最初はお世辞なのかなと思っていたんです。でも最近ずっとバンド・セットでライヴをしているなかで、評価がさらに高まっているのを実感していて、本当に嬉しいですね。ただ、まだ全然満足はしていません。常にブラッシュアップを重ねて進化し続けるAIBECKをプロデュースできていることが、心から楽しいんです。
以前は"アイドルがバンド・セットやってるんでしょ?"という見られ方もあったと思います。でも今は"AIBECK、バンドがかっこいいからハマった"という人が明らかに増えました。ツアーに呼ばれるのも、全部バンドマン。嬉しい悲鳴です。アイドルの方からのオファーもお待ちしています(笑)。調子に乗っているわけではなくて、積み重ねてきた努力の結果として、今のAIBECKがあると確信しています。これからも、みんなを驚かせるようなこと、ワクワクすることをどんどん発信していきます。









