INTERVIEW
少年秘密倶楽部
2025.07.14UPDATE
2025年07月号掲載
Member:愛一郎 あゆむ タツキ オウガ ナツ 白(ツグモ)
Interviewer:山口 哲生
-先程"世界観"というお話をされてましたけど、ワンマンのほうが皆さんとしてもそういった空気を作りやすいでしょうし。
一同:そうですね。
ナツ:しかも、今回の東名阪ツアーはみんなで案を出しながら作っていて、初めて挑戦したこともあったんです。東名阪ツアーは"蒼炎"というタイトルでやったんですけど、"蒼炎"っていう文字をオウガが書くとか。
オウガ:ステージの後ろに掲げていた横断幕とか、ツアーTシャツに自分が筆で書いた文字が使われていて。
-おぉ。筆で。
オウガ:習字が好きなんです。そういうチャレンジも初めてさせてもらいました。あと、オープニング・ダンスの振付をタツキがしてくれたとか。
タツキ:僕はダンスが得意なので、少年秘密倶楽部で見せたかったものをダンスだけで表現してみたいと思っていたんです。そのことをプロデューサー(末吉咲子/ex-風男塾)に相談したら、"いいんじゃない? やってみれば?"って(笑)。やらせていただけるんだ!? っていうのも嬉しかったですし今の衣装もツアーで初披露だったので、形にすること、0から1にすることがすごく楽しかったですね。
白:あと、ツアー・ファイナルの東京公演は全曲生バンド演奏で、それも初めてだったんですよ。
タツキ:ずっとやりたいって言ってたもんね? 僕たちのコンセプトにもあるロック・サウンドの良さを生バンドで楽しめるっていう。
オウガ:よりいっそうね。来てくださった皆様は、俺たちの楽曲の良さを体感することができたんじゃないかなと思います。
-タツキさんとオウガさんは2023年に加入されましたが、ここまでの活動を振り返ってみるとどんな印象がありますか?
タツキ:やれることがどんどん増えてきていることを実感してますね。入った当初は、月にライヴが4本ぐらいで、今考えると暇だったなぁ......って(笑)。
オウガ:今と比べたらね? 今月(※取材は6月)は20本とかだったから。
タツキ:うん。でも、やっぱりライヴが一番楽しいですね。地方に行って、たくさんの同志を集められている実感もありますし、ライヴで成長できている、進化していることを回数を重ねるごとに感じているんです。遠征もそんなに何回も行けるわけじゃないので、1年ぶりとかに会えた同志の皆さんから"1年前と全然違う!"と言っていただけるので、"進化してるんだなぁ、止まらないなぁ、僕たち"と思って。楽しみがいっぱいで嬉しいです。
-素晴らしいことですね。でも、月に20本は多いと思います(苦笑)。身体が心配。
タツキ:3日オフみたいなときもあるんですけど、心配になりますね(笑)。
白:うん。逆に。
オウガ:メンバーみんなライヴが好きなんですよ。だから全然苦じゃない。むしろ、ない方がそわそわしちゃう。
あゆむ:そうだね。
タツキ:だから本当に好きなんだと思います(笑)。
-オウガさんはここまでの活動を振り返ってみていかがです?
オウガ:前までは、自主的に動くというよりかは、用意されたものをこなすって感じだったと思うんですよ、自分自身に関しては。でも、先程の東名阪ツアーで横断幕の制作を担当させてもらえたとか、自分が少年秘密倶楽部の力になれていることを最近は実感していて。メンバーそれぞれ得意なことがあるんですけど、自分は芸術面で少年秘密倶楽部の表現を助けたいと思っていたので、それを実現できて、ライヴ・パフォーマンスも以前に比べると表現したいものが増えたというか。普段は口数が少ないので、クールに見られがちなんですけど。
-そうなんですね。
オウガ:でも、パフォーマンスは、自分の中にある闘志や感情を唯一爆発できる場でもあるので、その意味ではライヴの本数がありがたいことに増えていけば増えていく程、自分を知ることができたというか。入った当初よりも自分自身をすごく理解できているので、振り返ってみると自分はそこが一番変わったところかなって思いますね。いろんなことを知れましたし、だからライヴが好きなんでしょうね。自分の知らない自分を知れるので。
-なるほど。
オウガ:自分自身のこともそうですし、どうやったらグループの力になれるのか、あとはこのグループの良さも、みんなと一緒に過ごす時間が増えることでより深くまで知れたので。だからこそ自信を持って少年秘密倶楽部を広めたいって今強く思っています。
-オウガさん、普段はクールなんですね。
オウガ:みんながよく喋るんで。今はちょっと緊張しちゃってるんであれなんですけど(苦笑)。
-緊張して逆に喋ってるという(笑)。
オウガ:(笑)普段はもう任せてます。みんなが面白いことをいっぱい言ってくれるので、何も言わないことのほうが多いです。
ナツ:わちゃわちゃしてるときにボソッと一言ツッコむとか、そういうのは助かりますね。
オウガ:2年前はMC中に1回も喋らなかったこととかありましたね。自己紹介だけして、10分間のMCで一言も喋らないとか。
タツキ:それで怒られてたね。
オウガ:怒られた。
一同:はははははは(笑)。
オウガ:いる意味ないじゃん! みたいな。そこからちょっと反省して、ボソっとしゃべるようにしてます。
-そして愛一郎さん、あゆむさん、ナツさんが初期メンバー。始動からここまでを振り返ってみるといかがでしょうか。
ナツ:俺たち、デビューがわりと華々しかったんですよ。300人の方の前でデビュー("少年秘密倶楽部 デビューワンマンライブ「Aim The Freedom」")をして、初めての対バンが豊洲PIT("Street ACT Live vol.1")だったんです。だから、バーン! バーン! って大きい2発があってからの......という感じだったので、やっぱりまだ俺たちには大きすぎたステージだったなってすごく感じていて。でも、そこから3年経って、それこそ"蒼炎"のツアー・ファイナルが、デビューのときに立った白金高輪 SELENE b2で、しかも生バンドでライヴができたことは、本当に全員の力が集まって1つになったからこそできたことなのかなって思うんですよね。
-しっかりと積み上げてきたし、グループとしての結束力も増えてという。
ナツ:それまではデビューの印象がめちゃくちゃ強かったんですよ。最初の1年の印象はもうそれだけっていう感じ(笑)。ライヴももっと少なくて、月に"定期集会"を2本やって、対バン1本出られたらいいなとか。ライヴよりもリハのほうが多くて、ひたすらレッスンみたいな。あとはメンバーの脱退があって、かなり波乱な1年ではあったので。
愛一郎:そうだね。
ナツ:でも、デビューの印象が強く残っているからこそ、そこを超えていこうっていう気持ちがずっとあって。そこはこの前の"蒼炎"でしっかりと塗り替えられたし、すごく頼もしいメンバーが集まってきて、もっともっと上に行きたいなって。だから、これからも大きな目標を塗り替えていきたいなっていうのはすごくありますね。
-あゆむさんはいかがでしょうか。3年間を振り返ってみると。
あゆむ:もう3年経つのか......っていう感じもあるんですけど、実はデビューのときの記憶があんまりなくて(苦笑)。後から映像で観るとちょっと恥ずかしいぐらい。顔もひきつっていて、踊るのと前を向いて歌うので精一杯な状態だったんですけど、今はメジャー・リリースを8月12日に控えていて、あの頃には想像していなかった未来がどんどん叶っているといいますか。あのとき何度も挫けそうになったんですけど、ここまで続けてきて、このグループで、このメンバーで、大きな舞台を見に行きたいなってすごく思っています。
-始動当初は、このまま自分たちはどうなってしまうんだろうかという不安がすごくあったと。
あゆむ:ありましたね。それこそメンバーが脱退して人数がかなり減ってしまったときに、どうなっていくんだろうっていう気持ちがすごく大きくて。そのときはもうがむしゃらだったというか。
ナツ:もうやるしかない! っていう。
あゆむ:うん。結束感というか団結感というか、そういうもので乗り越えてはきたんですけど、正直あのときが一番挫折しそうになってました。逆に、あれがあったから今があるとは思うんですけど、あのときだけは本当にどうなるんだろうと思って、ビクビクはしてました。
ナツ:うん。もうこのままなくなるんじゃないかって思った。
あゆむ:そうだね。
-愛一郎さんはその当時を振り返ってみるといかがです?
愛一郎:1年目は基盤を作る時期だったんですけど、あゆむやナツが言ってたように、いろんなことがありましたし、少年秘密倶楽部としてのコンセプトは固まっていたけど、それを自分たちの中で消化するのに少し時間がかかったといいますか。僕たちっていったいどんなグループなんだろうみたいなところもあって。デビューしたステージが白金高輪 SELENE b2で、デビューした半年後に同じ場所でハーフ・アニバーサリー・ワンマン・ライヴ("「少年秘密倶楽部」ハーフアニバーサリーワンマンライブ")をしたんですけれども、やっぱりデビューのときはたくさんの方が観に来てくださるんですよね。でも、その後は今の自分たちを観てくれる、観たいと思う人が来てくれるので、お客さんがかなり少なくなった時期もありましたし。
それが今となっては、ちゃんと今の僕たちを観てくれている人がどんどん増えていることを感じていますしタツキ、オウガ、白が入ってみんなのいいところが集まって、これが少年秘密倶楽部だ! って胸を張って言えるようになって。
-いい方向に進めていると。
愛一郎:僕は、今のこの少年秘密倶楽部で夢を叶えていけていることがすごく嬉しいんです。自分が夢として描いていたものがどんどん現実になっていることがすごく嬉しいし、これからももっともっと夢を叶えていきたいなって思っているし、今の僕たちなら絶対叶えられると考えているので。だから、もっともっといろんなことに挑戦していきたいんですよね。僕たちは舞台やVTube配信もそうですけど、本当に枠にとらわれずに活動していて。その中でも特にライヴは、男性のライヴにも出演できるし、女性のライヴにも出演できるから、本当にできないことはないんじゃないかなと思っているので......3年間の話からズレてますね(苦笑)。
-全然大丈夫ですよ。過去を振り返っていたら自然と未来の話をしていたのは、むしろすごく素敵なことだと思います。
愛一郎:ありがとうございます。3年間いろんなことを積み重ねてきて今があるので、先にもっと行きたいなと思っています。