INTERVIEW
WeZ
2025.02.04UPDATE
2025年02月号掲載
Member:スーサイド・P!P! 白坏 弥呼 姫羅 殺喰
Interviewer:サイトウ マサヒロ
株式会社やばきゅーぶに所属し、広島を拠点に活動する3人組ロック・アイドル、WeZが、2月から5月にかけて東名阪広ツアー"BREAK THE LIMIT"を開催。ファイナルとなる5月31日の広島CLUB QUATTRO公演では初のバンド・セット・ライヴを披露する。フロアを沸騰させることに特化したアグレッシヴな楽曲を武器とし、愚直にステージへと向き合ってきた彼女たち。その熱が全国に伝播する日は近い。初インタビューとなる今回は、それぞれのキャラクターやルーツ、そしてライヴへの思いを探った。
-激ロック初登場とのことですので、最初に一人一人自己紹介をお願いします。
P!P!:スーサイド・P!P!です。赤色担当でやらせてもらってます。
白坏:白坏弥呼です。白色担当です。
姫羅:姫羅殺喰です。ピンク色担当です。よろしくお願いします!
-グループのリーダーは決まっているんですか?
P!P!:一応、グループを作るきっかけになったのは私で、ライヴで喋ることも多いですけど、特にリーダーは決めてなくて。
-......と言いつつ、2人がP!P!さんを手で示していますが。
白坏:お客さんからも、"リーダーはP!P!ちゃんだよね"って言われることが多いので、客観的にはそう見えてるのかなって。
姫羅:私たち自身もそう思ってるし。でも、P!P!ちゃんは誰かをリーダーにはしたくないみたいで。そうやって、みんなが意見を言いやすい雰囲気を作ってくれてるんです。だけど、やっぱりリーダー的な存在ですね。
-そういう気遣いも含めて、グループを引っ張ってくれているのかもしれないですね。
P!P!:(※2人を見ながら)そうなんですか(笑)?
-ライヴ・パフォーマンスでも、P!P!さんは煽りを担当することが多いですよね。自然にその役割を担うようになっていったのでしょうか?
P!P!:私がロックなアイドルをやりたいって言いだして、私がやりやすいようなグループを始めちゃったので。煽りは私がやるのが一番ハマるかなと思ってます。3人共、ステージ上での印象がバラバラなんですよ。殺喰はかわいいイメージで、弥呼は丁寧にパフォーマンスするタイプ。
-なるほど。お2人のステージ外での印象についても知りたいのですが、白坏さんはどういったキャラクターなんでしょう?
白坏:私は、事務所内でも一番じゃないかっていうぐらい人見知りなんです。あとは、"変わってるね"って言われることがよくあるんですけど、自分だと分からなくて。
姫羅:他と被らないキャラな気がする。
P!P!:あと、一番あざといです。
白坏:嘘だ(笑)!
P!P!:本人は自覚ないんですけど(笑)、ちょっとした仕草が一番お客さんから見て刺さるだろうなっていう。私は勝手に、弥呼がヴィジュアル担当だと思ってるんです。それに、歌い方や踊り方も唯一無二なので。そこが弥呼の魅力かな。私だったらカッコいい、殺喰だったらかわいいとか、言葉に言い表せるんですけど、弥呼の良さは言葉では言い表せないよね。
-結構マイペースなところがあったり?
P!P!:マイペースですね(笑)。それも良さで。
-姫羅さんのキャラクターはいかがですか?
P!P!:赤ちゃんです。ステージでもかわいい雰囲気だったり、髪型もツインテールが多かったりするんですけど、普段から赤ちゃん。好きなものは好き、嫌いなものは嫌いっていう素直でハッキリした性格で。
白坏:女児って感じですね。やりたくないことや苦手なことをやりたくないってかわいらしく言うから、憎めないというか。愛されるキャラクターだなって思います。
P!P!:あとは、3人の中で一番しっかりしてます。
白坏:こう見えてね。
P!P!:スケジュールやタスクを一番ちゃんと把握してくれてて。WeZのXに貼ってあるTimeTreeを管理してくれてるのも殺喰だし。
-最初にヴィジュアルを見たときから、たしかに姫羅さんがかわいい担当的な立ち位置なのかなと思ってたんですけれど、歌声はクールでカッコいい印象があって。そのギャップも魅力なのかななんて。
P!P!:うんうん。あとは、すごくバランスが取れる子なんですよ。視野が広くて、周りを見るのが得意。自分に求められてることが分かってるから、"ここは私が前に出ようかな"とかを考えられる。
-なるほど。姫羅さん自身としては、周りを見るように意識しているんですか?
姫羅:常に"何をしたらいいんだろう"って思ってはいますけれど......無意識にできてるのかもしれないです。
-こうして考えると、グループをグイグイ引っ張っていくP!P!さん、周りを見て動ける姫羅さん、マイペースな白坏さんという、絶妙なバランスの3人が集まっているように感じます。
P!P!:たしかに、すごくやりやすいですね。各々のキャラクターが立ってるから、私が煽りとかをやりすぎても自然にバランスが取れるっていうか。私がダメなときは2人がカバーしてくれるし。
-先程、P!P!さんがグループを始めるきっかけになったとおっしゃっていましたが、結成の経緯について詳しくお話しいただけますか?
P!P!:私はもともと、やばきゅーぶ(株式会社やばきゅーぶ)の別のグループに所属してたんですよ。でも、他のメンバーがやめちゃって。まだアイドルはやりたくて、残った私が新しいグループを作ろうと思ったんです。そのときに一番やりたかったのがロックだったから、WeZが生まれました。
-WeZを始めるにあたって、それまでのグループと違いを持たせようという意識はありましたか?
P!P!:前のグループはやってる曲や衣装の世界観が結構チグハグだったので、統一感を持たせて、ステージを観たら、やりたいことが明確に分かるようなグループにしたいなとは思ってました。でも、最初は本当にバタバタだったので、"とりあえずロックだ!"くらいの勢いになっちゃったんですけど。
-たしかに、ライヴで最初に3人が旗を掲げて登場して、楽曲が始まるや否やP!P!さんが熱く言葉を紡いでいく様子を見て、WeZの表現したいことはストレートに伝わってきました。さて、そんなP!P!さんのもとにメンバーが集っていくわけですが、白坏さんの加入のきっかけは?
白坏:私は広島の別の事務所で2年間アイドル活動をしてたんですけど、無期限活動休止という形で終わってしまって。でもアイドルはまだまだやりたいっていう、不完全燃焼な状態だったんです。出身は愛知なんですけれど、前のグループで活動するために広島に来て、そこで出会って応援してくれた人たちのことが本当に大好きだったから、その人たちと夢の続きを見るために、どうしても広島で活動したくて。それで、どこか活動できる場所を探しているときに、じゃくと(村重孔介/やばきゅーぶ代表)さんが"YABAGiG"(やばきゅーぶのアイドルが総出演するイベント)に招待してくださったんですよ。で、本当に感動して、やばきゅーぶで活動できたらっていう気持ちが芽生えて。じゃくとさんに連絡したら、P!P!ちゃんの前のグループが合うと思うっていうことで、オーディションを受けて、一緒にレッスンを受けさせていただいたりしてたんです。だから、WeZはスタートの段階から関わっていました。
-"YABAGiG"でビビッと来たんですね。姫羅さんはWeZが初めてのアイドル活動とのことですが、なぜこのグループに?
姫羅:私はもともとコンカフェで働いてて、いろんなお客さんから"広島にも地下アイドルがいるんだよ"って、やばきゅーぶのことを教えてもらってたんです。それで実際にライヴに行ってみて、好きになって。P!P!のライヴも何回も観に行ったし。
P!P!:お客さんとして、特典会にも来てた(笑)。
-思いっきりオタク側だったんですね!
姫羅:はい。で、やばきゅーぶのオーディションがあって。ロック系と王道系っていう2つの募集があって、私は王道系に応募したつもりだったんですよ。でも、ゴタゴタがあって王道系のほうはなくなったみたいで。オーディションを受けてみたら、それがWeZだったんです(笑)。
P!P!:私も弥呼もそのオーディションを拝見したんですけど、"ロックですけど、大丈夫ですか?"みたいな質問をして、困惑させちゃいました。
姫羅:P!P!がいるのに気付いた時点で、"これ、ロック系のオーディションなの?"って思って(笑)。なんでWeZに入れたんだろう......。
P!P!:パフォーマンスが良かったからだよ。
白坏:満場一致だったもんね。
姫羅:手違いだったけど、今はWeZに入れて良かったなぁと思ってます。
-皆さんの音楽ルーツも教えてください。P!P!さんはいかがですか?
P!P!:私はそもそも音楽が嫌いだったんですよ。歌うことも苦手でした。ずっと部活でバレーボールをやってたんですけど、声を出しすぎてずっとハスキーで。音楽自体をどこか遠ざけてたんです。でも、踊ることは好きで。熱しやすく冷めやすい性格なんですけれど、唯一好きで続いたのがダンスだったから、それを仕事にしないと絶対後悔すると思ったんです。だから、音楽の楽しさはようやく今知り始めたくらいで、刺さった音楽や好きなジャンルも特になくて。でも、ロック・アイドルは、言葉じゃなくて歌で人に思いを伝えるのが素敵だなと思います。
-特定のバンド等からの影響があるわけではなくて、純粋にロック・アイドルをやりたいからWeZを始めたと。
P!P!:そうですね。尊敬するアイドルさんはもちろんいますけれど、自分の中の理想像は一切なくて。自分がいいと思うものをただただ貫いてます。
-白坏さんはどういった音楽を聴いてきましたか?
白坏:私は根が暗いので、暗い音楽をよく聴いてました。神聖かまってちゃんさんは今も好きです。それから、学校に行けてなかった時期にめちゃくちゃ暇でネットを漁りまくってて、たまたまでんぱ組.incさんに出会って。それ以来、いろいろな地下アイドルを追いかけるようになりました。同年代の女の子たちがこんなに頑張ってるってことに、すごく救われて。とにかくアイドルがめちゃくちゃ好きです。