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INTERVIEW

シュレーディンガーの犬

2022.11.14UPDATE

2022年11月号掲載

シュレーディンガーの犬

Member:ならく ひっそりゆうみ いち もな

Interviewer:山口 哲生

"EDM × ROCK"をコンセプトに掲げ、2020年に始動したアイドル・グループ、シュレーディンガーの犬。キャッチーなメロディを軸にした、ラウドでエモーショナルなバンド・サウンドであり、それらを生々しく躍動的に披露するバンド・セットでのライヴなどで注目を集め、現在は全国ツアー"シュレ犬 Protocol ~2022 Fall~"を開催中だ。激ロック初インタビューとなる今回は、グループのバイオグラフィを踏まえながら、各メンバーのパーソナルな部分や、彼女たちが推す"シュレ犬(シュレーディンガーの犬)"の楽曲など、4人に話を訊いた。

-初期メンバーのならくさんと、ひっそりゆうみさんは、最初にグループに参加するときはどういう気持ちでいましたか?

ならく:絶対売れるぞ! っていう感じでしたね。最初にロック系をコンセプトにしたグループを作るということを言われて、自分もそういう音楽がやりたかったので、すごくやりたいと最初に話したときに思いました。

-昔からロックが好きだったんですか?

ならく:そうですね。

-好きなバンドやアーティストというと?

ならく:中学生のときから神聖かまってちゃんのライヴに行っていて。普通の人には書けないような独創的な歌詞とかメロディとか、天才だなと思って。自分には絶対に作れないような音楽を作っている人って、やっぱり魅力的だなと思うので。

-ひっそりさんはグループに参加されるときにはどんなことを考えていました?

ひっそりゆうみ:私はならくに誘ってもらって入ることになったんですけど、入る前はアイドルのことをほとんど知らなかったし、曲も聴いていなくて。バンドは好きで、聴くには聴いていたけど、アイドルとロックがどう結びつくんだろうなって。かっこいいアイドルというのが全然想像つかなかったです。

-バンドってどのあたりを聴いていたんですか?

ひっそりゆうみ:あまり激しいのはその当時は聴いていなくて。アイビーカラーとかreGretGirlとか、どちらかというとしっとりした感じをよく聴いてました。

-ならくさんがひっそりさんを誘ったんですね。

ならく:InstagramでDMを送ったんですよね。自分が最初にメンバーに決まって、特に運営側なわけではないんですけど、一緒にメンバーを探していて。そのちょっと前に、偶然別の仕事でひっそりとチラっとだけ会ったことがあって、"あの子、アイドルとかやらないかな"みたいな感じの気まぐれで連絡しました。まったく知り合いとかではなかったんですけど。

-直感的にいいなと思ったんですか?

ならく:そうですね。ひっそりにしか連絡してなかったんで。

ひっそりゆうみ:そうなの!? 知らなかった。

ならく:"誰かひとりいる?"って言われて、"え~......ひっそりゆうみちゃんですかねぇ......"って言った気がする。

ひっそりゆうみ:え、嬉しい! その撮影のとき、現場に入ったらみんなかわいい格好をしていたんですよ。でも、私は衣装があるから別にいいやと思って、撮影現場にジャージで行っちゃって、浮いてたんですよね、すごく(笑)。ならくともしゃべれてなかったから最初に連絡が来たときはびっくりしました。でも、めっちゃ嬉しかったです。連絡が来たその日に面接を決めて、次の日に面接を受けて、"最後のメンバーだからこれで集まったね"って言われて。初期メンバーは、ならくが最初で、私が最後に決まりました。

-ならくさんとしては、ひっそりさんがちょっと浮いてたから記憶に残っていたところもあったんですか?

ならく:それもあるし、モデル系の仕事だったので、ひっそりはもともと被写体とかやっていたから、他の子よりもポージングとかもちゃんとしていて。

-カメラの前に立つとバキっと変わるという。

ならく:そうです。それがすごく印象に残っていて、すごいなと思って。

-ひっそりさんは、そのときはならくさんに話し掛けられなかったと。

ひっそりゆうみ:自分が人見知りというのもあるし、上京したてだったので、こんな田舎モンが......みたいな(笑)。でも、かわいいなと思ってました。撮影が終わったあとにSNSとか見たし。でも、話し掛けるのが恐れ多かったですね(笑)。

-次に加入されたのがいちさん。シュレーディンガーの犬のことは知っていたんですか?

いち:そもそもアイドルにまったく興味がなかったんですけど、シュレ犬と同じ事務所のモノクローンさんのライヴ配信はめっちゃ観ていて。で、"同じ事務所です"って言われてから調べました。だからもともとは知らなかったです。

-どんなきっかけで加入されたんです?

いち:元メンバーにDMで声を掛けてもらいました。

-面識は特にない状態で?

いち:そうです。本当に誰も知らなくて。でも、すごくフォロワーがいるメンバーからDMが来たから、信憑性がありました。

-音楽活動に興味はあったんですか?

いち:最初は本当にまったく興味がなかったです。普通に大学生をしながら、コンカフェで働いて、就職するって決めていたんですけど、同じコンカフェで働いていた友達がアイドルになると言っていて。その期間にインスタで繋がった子もアイドル・グループに入ることになって、そのお披露目(ライヴ)に呼んでもらったんです。そこでアイドルを知って、かわいい! と思って、アイドルやってみたいなっていうのをツイートしたら即DMが来ました。たまたまそれを見たみたいで。

-すごいですね。音楽自体は好きではあったんですか?

いち:ずっとVOCALOIDしか聴いていなくて、J-POPすら聴いてなかったです。中学生のときに少女時代にハマって、K-POPとかは聴いてましたけど。でも、ボカロだけはずっと聴いてましたね。

-ボカロと言っても幅が広いですけど、このボカロPが好きとか、こういう系統が好きというのはありました?

いち:特にこの人が好き! っていうのはなくて、ミーハーというか。ボカロは好きだけど、結局、最初はYouTubeとかニコ動のおすすめに出てくるものを見て、その人の過去を調べて......ってやっていくから、だいたい最初に聴くのはバズった曲にはなるんですよ。あと、歌い手さんとか踊り手さんがやっているのを観て、そこから原曲を好きになることが多かったです。でも、MARETUさんとか、歌詞のちょっと奇妙な感じが好きでした。

-そして、もなさんが今年の8月に加入されたと。

もな:シュレ犬のことは名前だけ知っていたけど、曲は知らなかったです。もともと同じ事務所の違うグループに入ろうと思っていたんですけど、そのときに提案されたのがシュレーディンガーの犬で。曲を聴いたときに、こっちのほうが好きかもと思って入りました。

-曲がいいなと思ったんですね。もともとロックが好きだったんですか?

もな:いわゆる王道なものよりもロックのほうが好きでした。ヒスパニ(ヒステリックパニック)とか、海外のバンドとか。

-海外のバンドというと?

もな:このバンドが好きっていう感じじゃなくて、いろいろ聴いたりしてました。TikTokでめっちゃバズってたトルコかどこかの曲があって、それがめっちゃ好きだったんですけど、曲名がわからないです(笑)。かわいい曲とかよりは、リズムに乗れる曲が好きですね。

-お話にあった通り、シュレーディンガーの犬はロックが重要な要素としてありますけど、実際にそういった音楽をパフォーマンスしてみていかがでした?

ならく:初期メンバーはみんなアイドルをやったことがなくて、自分も経験者ではあるけど1年弱ぐらいしかやっていなかったから、とにかく曲に食らいつくので必死だった気がします。王道な感じよりもダンスが激しくて、大変っていう感じではありましたね。楽しいんだけど、とにかく曲についていくので精いっぱいでした。

ひっそりゆうみ:私は歌もダンスも経験なかったし、カラオケとかにもそんなに行ったことがなかったから、どうやって歌うんだろうという感じだったので、最初はステージに立つのがすごく不安でした。あと、最初の頃よりも最近の曲のほうが、ロック感が強いんですよね。初期の頃はEDMが強くて、だんだんロックに寄ってきた感じなので。ちょっとずつ慣れていきながら、さっきならくも言ったように、曲に食らいついていく感じでした。

-お話にあった通り、曲をリリースしていくごとに、どんどんヘヴィになってきていますよね。それに合わせて、歌うことや踊ることの難易度も上がってきているんですか?

ならく:そうですね。最初は若干かわいい要素がある曲もあったんですけど、今は系統が変わって、ロックな感じに振り切っていて。初期よりも難しいなと思います。

ひっそりゆうみ:初期の頃よりも最近の曲のほうが、振りとか構成が複雑になっていて。レッスンの先生は"実力に合わせて(難易度を)上げていくね"と言っていたので、そこは私たちが頑張っている証拠なのかなとも思いますけど、でも、やっぱり難しいなとは思いますね。毎回泣きそうになりながら振り入れしてます。

-泣きそうになってるんですね。

ひっそりゆうみ:初期の頃は振り入れのたびに泣いてましたね。覚えるのも遅かったし、自分が覚えられないと周りの迷惑になっちゃうので。

-いちさんは、ロック・サウンドを歌って踊ること、ステージに立ってパフォーマンスすることに対してはどんなことを感じていました?

いち:自分が入った当初は歌割をほぼ貰えなかったので、ダンスメインだったんですけど、ダンスは数年間やっていたので、振りを覚えるのが苦痛とかもなく、久しぶりに大きいステージで踊ってる! 楽しい! 照明ある! わー! ぐらいの感じでした。

-ダンス経験者なんですね。

いち:小学校はヒップホップで、中学に上がってからはジャズ・ダンスをやってました。

-途中で変えたんですね。

いち:はい。飽きました(笑)。あと、いろんな種類をやったほうが表現の違いを出せるかなと思って。ダンスは高校受験のときにやめちゃってから復活していなかったので、本当にすごく久しぶりでした。