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INTERVIEW

シュレーディンガーの犬

2022.11.14UPDATE

2022年11月号掲載

シュレーディンガーの犬

Member:ならく ひっそりゆうみ いち もな

Interviewer:山口 哲生

もし自分がやめたとしても、時代を超えていけるアイドル・グループになってほしい


-では、シュレーディンガーの犬のことを伝えるときに、もし1曲選ぶとしたらどの曲を選びますか?

ならく:ムズっ。3曲ぐらいで迷うなぁ......。

いち:2曲にしてほしい。

ひっそりゆうみ:2曲は多いだろ(笑)。

ならく:決めました!

もな:早い! ちょっと待って!

-(笑)ならくさんお願いします。

ならく:被りそうだな......。「Singularity」(2022年6月リリースのシングル)と迷ったんですけど、「starry night」(2021年9月リリースのシングル)です。

ひっそりゆうみ:わかってた。

いち:いちと同じぐらいわかりやすい。

ならく:初期からずっと「starry night」が一番好きって言っていて。メロディとか振りもかっこいいんですけど、何が好きって、歌詞が好きなんです。あの曲を出したときはエモいな、かっこいいなぐらいの感じだったんですけど、今見てみるとシュレ犬の歴史に沿っている部分もあって。ピコピコ音でシュレ犬のロックの曲の代表として出せるし、歌詞を見てもらっても歴史が伝わるから「starry night」を推してます。

ひっそりゆうみ:次、いきます。私は被らない自信ある。「What's going on」(2021年6月リリースのシングル)。

もな:え、待って! 被った!

ひっそりゆうみ:ごめん!

ならく:「What's going on」は人気だから被るでしょ。

ひっそりゆうみ:曲が好きっていうのは大前提なんですけど、レコーディングのときに、曲を作ってくださったSxun(ex-Fear, and Loathing in Las Vegas/Gt)さんがついてくださったんですよ。ひと月1曲で、3ヶ月連続で録ることになっていて、初めて録ったのが「What's going on」だったんですけど、そのときに泣いちゃって。

ならく:その話知らんかった(笑)。

ひっそりゆうみ:私が最後だったからね。曲が難しかったのもあるんですけど、そのとき自信がなかったんです。歌えないし、踊れないし、このままアイドルを続けていていいのかなって、すごく不安で落ち込んでいた時期で。レコーディング室ってちょっと閉鎖的な空間だから、それで気分がグっとなって泣き出しちゃって(苦笑)。それで、30分ぐらいレコーディングせずに、Sxunさんが話を聞いてくださったんです。そのときに、"自信を持っていないアーティスト、エンターテイナーの音楽なんて誰も聴きたくないし、とりあえず自信を持つところから始めてみて"って。"これから3ヶ月あるから、3ヶ月後楽しみにしてるね"って言ってくださったんです。その言葉がすごく印象深くて、思い出すたびに自信を持たなきゃなって思えるから、「What's going on」が好きですね。歌詞も、自分が歌っているパートで、"ひとりきりが怖いのは皆(みな)同じだから"っていうところがあるんですけど、そこもちょうどぴったり当てはまっていて。それもあってすごく好きだし、聴いてほしいなと思います。

-お二方はいかがです?

いち:優柔不断だからちょっと悩んでる......。

もな:あ、じゃあいいですか(笑)? 私も「What's going on」なんですけど、自分も歌詞が好きで。シュレ犬の曲を聴いて仕事に行くんですけど、そのときに「What's going on」を聴くと元気が出るんですよ。"だって諦められないのが取り柄なんだもん"という歌詞があるんですけど、そこを聴くと今日も頑張ろう! って気持ちになります。

ひっそりゆうみ:わかる。

もな:あまり元気のない方は聴いてみてほしいです。

-では、いちさん、いかがでしょうか。

いち:私は「君の記憶の中に居たい」(2021年8月リリースのシングル)で! 「EgOiStIc LoVe」(2021年9月リリースのシングル)と悩んだんですよ。あの曲は曲調が好きではあるんですけど、いちが初めてまともに歌割りを貰ったのが「君の記憶の中に居たい」なんですよね。他の初期曲もところどころで歌割りを貰えたんですけど、「君の記憶の中に居たい」で初めてちゃんと好きなところができた感じがあって。この曲は、アイドルもそうだし、コンカフェをやっていたときもそうなんですけど、自分とオタクの関係みたいな感じで歌っていて。オタクにとってはいちの記憶の中にいたいし、いちはオタクの記憶の中にいたいっていう。そのことを考えながら、気持ちを込めて歌えたのが「君の記憶の中に居たい」なんです。最初の頃は"歌に感情がない"って言われていたんですよね。"音程も取れるし、歌は歌えるけど、歌詞のことを考えながら歌えないところだけがちょっと惜しい"って。でも、初めて歌詞と自分がリンクして、気持ちを込めて歌えるようになったのが「君の記憶の中に居たい」だったから、この曲が好きです。

-曲により入り込めて歌えるようになったと。

いち:そうです。入り込みやすいのは「What's going on」か「君の記憶の中に居たい」か、みたいな感じなんですけど、私は「君の記憶の中に居たい」でしたね。「What's going on」は半年ぐらい経って良さがわかりました。

ひっそりゆうみ:そうだよ。みんな最初は「What's going on」は好きじゃないって言ってた。

いち:でも、歌えるようになったら楽しかった。「starry night」も途中から好きになったんですけど、「君の記憶の中に居たい」は最初から好きでしたね。

-現在は2ndライヴ・ツアー"シュレ犬 Protocol ~2022 Fall~"の真っ最中ですが、ライヴでは生バンドを入れることもあって、かなり迫力がありますよね。そこへの難しさや楽しさもあると思いますが、実際にはいかがです?

ならく:難しいですけど、やっぱりテンションが上がりますね。バンドさんの熱気も伝わってくるので。

ひっそりゆうみ:うん。やっぱりライヴ感が出ますね。いつもは音源を流しているんですけど、テンションが上がるとだんだん音も大きくなったり、熱気も高まったりするので。

-そういったライヴをされていることも踏まえて、今後、こういうグループになっていきたいという目標を最後にお聞きできればと思います。

ならく:自分の好きな神聖かまってちゃんのの子(Vo/Gt)さんが、"音楽は時代を超える"って言ってたんですよ。だからシュレ犬も、アイドルという枠組みを超えていきたいし、もし自分がやめて、誰かが入ることになったとしても、ずっと残り続けて時代を超えていけるアイドル・グループになってほしいなと思います。

ひっそりゆうみ:いろいろあって、応援している人たちにつらい思いをたくさんさせちゃったんですよね。だから最終的に、応援していて良かったな、ずっと追いかけていて良かったなって思ってもらえるようになっていきたいですね。地下アイドルって、バンドとかよりもファンとの距離が近いと思うんですよ。だからこそ応援してもらっていることの大事さがすごくわかるし、会いに来てくれる人がいないとライヴも成り立たないので、お返しできたらなと考えています。

いち:ただでさえ、普通のアイドルとは違う環境でやらせてもらえていて。生バンドだったり、曲調が王道から離れていることだったり、ダンスも激しめな感じであんまりアイドルの振りじゃないんですよ。でも、グループの個性があっても、自分の個性がないのはやっぱり嫌だなっていうのをこの1年ちょっとで思ったので、そこに対して負けないぐらい、今の自分が好きって思えるぐらい、自分の個性を出せるようになりたいです。何を個性と言うかは難しいけど、万人受けを目指すよりは、この子だからこういう表現をするしそれがハマっている、みたいなものを見つけていきたいですね。

もな:私はLADYBABYが好きなので、日本でも海外でも名前を知ってもらえるようなグループになりたいです。大きいステージに立ちたいし、テレビとかにも出たいですし、みんなが曲を聴いたら"あ、このグループね"ってわかる存在になりたいですね。自分の目標は、自分がまだどういう系統が似合っているのかよくわからないから、アイドルをしながら自分を探していきたいです。

※ひっそりゆうみ、インタビュー実施時は卒業未発表

TOUR INFORMATION
"シュレ犬 Protocol ~2022 Fall~"

11月20日(日)千葉 柏PALOOZA
11月27日(日)神奈川 川崎セルビアンナイト
12月21日(水)新宿BLAZE ※2nd anniversary SP!!
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