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INTERVIEW

Little Lilith

2022.11.01UPDATE

2022年11月号掲載

Little Lilith

Member:LILLY(Vo/Vn) ERIKA(Gt)

Interviewer:宮﨑 大樹 Photo by 川野晴都 Styling MAtSU(GEKIROCK CLOTHING)

人それぞれ違うストーリーの解釈でいいんですよ。別々の悩みと結びつけて"ちょっと救われた"とか、そういうふうになってほしくて


-そういう楽曲のストーリーの部分って、事前に説明みたいなものはあるんですか?

LILLY:いや、歌詞で知る感じですね。歌詞を読んで、"ここがこうなのか"と知る感じなので、あらかじめ言われているわけではないんです。

-それぞれが自分なりに解釈していると。

LILLY:そうですね。なので、私なりの解釈で歌っています。ある程度の話はありますけど、歌詞の主人公を私なりに解釈していく感じなので、それが正しいとも限らないんです。だから、みんなそれぞれが感じてほしいなと思います。あんまり私たちから言いたくないというか。

-ここからは各曲について話を聞いていきます。まずは第1弾「Double Suicide」について。"Double Suicide"は"心中"という意味になりますけど、曲のストーリーとしてもふたりの登場人物がいるようなイメージですよね? 「LadyBug」から存在する主人公と、もうひとりの何者かがいて、心中を図るみたいな。

LILLY:大枠はそんな感じです。その相手が本当の人なのか、象徴的なものなのかというところはあるんですけど、それを第三者と取るか、自分の中のもうひとりと取るか、そこは人それぞれの解釈でいいと思っていて。相手に対していろいろ悩むときもあるし、対自分に対して悩むときもあるじゃないですか? あんまりそこを固定したくないというか、誰にでもそういうことはあるよねって、共感してもらいたいと思って。すごくわかりづらいとは思うんですけど、"ここは気持ちがわかるかも"、"これはこのことかも"とか、そういうふうに思ってもらえたら嬉しいです。

ERIKA:今までの曲は、Djentをやっているだけあって、聴いていると難しく感じる部分があったと思うんです。だけど、「Double Suicide」はストレートな曲調なので、「LadyBug」からいろいろな曲をリリースしてきて、この曲が新たに出てきたことで、Little Lilithの楽曲の幅がちょっと広がったのかなという印象を受けました。

-「Double Suicide」はツアー・ファイナルで初披露でしたよね。

ERIKA:そうですね。今はもう定番って感じです。

LILLY:MVを出していることもあって反応がいいんですよ。ストレートな曲調なので、ノりやすい感じがあって、お客さんも楽しそうで嬉しいです。

-続いて第2弾が「The Ghost」です。"心中"からの"幽霊"というところで、心中を図って死んだのか死んでないのか、というところがポイントになりそうです。

LILLY:ヴォーカルが普通に歌うところがあって、次にシャウトが来て、次にウィスパー・ヴォイスが来るという、今までと構成が違う楽曲になっていて。行ったり来たりする感じがあります。急に強くシャウトしたり、いきなりウィスパーになったり、それで心の迷いを表現しているんです。頭がおかしいんですよね、この主人公の子が。一貫して頭がおかしい子なんですけど、この曲のあたりでよりおかしさが出てくるというか、狂気みたいなものが出ています。「Double Suicide」でも、狂気的な、猟奇的なところがあると思うんですけど、それが収まりきらない感じが出せたらいいなと思いながら歌っています。

ERIKA:タイトルで"The Ghost"と言われたら、まっすぐに受け取ると"主人公が死んだのかな?"となりますけど、"1人にしないで"とか、さまよっている気持ちとかが表れているから、どっちなんだろうと考えさせられます。演奏しているなかでも、"さまよっている感じを表現できたらいいのかなぁ"みたいなことを考えながらやっているんですけど、結局どっちなんだろうなぁ。

LILLY:その"死"がどういう"死"かということですよね。実際に死んでいるのか、概念として死ぬのかとか、いろいろあるじゃないですか? それがどっちでも捉えられるというか、その振り幅が面白いと思うんですよね。これで"この人は死んでいます"って言い切ったらつまらないと思うし、"生きているならこの人はどうなっているのか"みたいなことを、ワクワクしながらお話として考えてほしいなと。

-"曲を聴いて感じた物語を書いてください"と言ったら、人によって全然違うストーリーができそうですもんね。

LILLY:それ、やってみたいですね。人それぞれ違うストーリーの解釈でいいんですよ。ひとつの価値観を与えるというのも大事だと思うんですけど、みんなそれぞれ違う考えがあって当たり前だと思うんです。自分の中で考えていくうちに、みんなの別々の悩みと結びつけて"ちょっと救われた"とか、そういうふうになってほしくて。だからこそ、振り幅みたいなのはいつも持たせたいなと思っています。

ERIKA:この曲は、メインのリフが今までやってきたものとはまた違って、オルタネイトで弾きたくなるようなフレーズなんですけど、全部上に、アップ・ピッキングでアクセントを加えて音を切る演奏が聴きどころだと思います。