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INTERVIEW

LEIWAN

2022.06.10UPDATE

2022年06月号掲載

LEIWAN

Member:澪・モンスター 猫乃ねむ子 黒井マシロ 卯月彩華

Interviewer:宮﨑 大樹

周りの人たちが親切で優しいから、獰猛だった我々が人を信じることを覚えて、人のためにアイドルをやるってなったんですよね


-ただ、みんなから愛されているけど、音楽のテーマ性は決してラヴ&ピースなものばかりではないですよね。

黒井:そうですね。あんまりそういう曲はないです。

-全体的にロック・サウンドの楽曲が多いですけど、ダンス・ミュージック、ポップス、インド音楽のエッセンスを取り入れたものもありと、バラエティ豊富で。"LEIWANの音楽を紹介してください"と言われたら、どのように答えていますか?

澪:メンバーが発した言葉とか、そのときの流行りとかが歌詞になっています。インド音楽っぽいのは「NANde」(2021年リリースのシングル)という曲なんですけど、それはメンバーの中でチーズナンがえぐいほど流行っていたんですよ。

黒井:狂ったように食べていて。運営さんにもハマらせていました。

澪:そしたら、曲ができてしまいましたね(笑)。歌詞の"引き裂いて"は、チーズを引き裂いているんです。

-(笑)他には、どんな楽曲にどんなエピソードがあるんですか?

澪:コロナ禍にできた「ダイジョウブ」(2020年10月リリースのシングル)という曲があるんです。私たちがデビューして1年くらい、これからだってときにコロナ禍になって、東名阪ツアーも延期になって、腐っちゃったことがあったんですね。家の中にひきこもって、LEIWANがなくなるんじゃないかとか、いろいろ考えてしまって。で、それが明けて(改めて)東名阪をやるとなったときにリリースが決まったのが「ダイジョウブ」なんです。オタクみんなに"大丈夫だよ"と言えるような歌を届けようというので発信しました。でも、全部が全部だよね?

猫乃:全曲にストーリー性がありますね。

澪:運営さんと連携が取れているからできることで。プロデューサーが毎回ライヴを観に来るアイドルって珍しいと思うんですけど、そこで"今のLEIWANに必要な曲は何か"を見定めて、そのまま曲を作ってくれます。だからキラーじゃない曲がないというか。

猫乃:ワンマンのときなんて(どの曲を外すかで)大会議だよね。

-作詞のクレジットが事務所名義になっているのは、みなさんの言葉から生まれているのが理由なんですね。だから等身大の曲になっていると。

澪:だと思います。

猫乃:なので、共感できるから曲に入りやすいです。

-ちなみに最新リリースの「〇〇アイドル撲滅運動」(2022年4月リリースのシングル)は、ライヴ・アイドル界の闇を歌った痛快な楽曲で。

澪:出したときにちょっと炎上しました(笑)。思い当たる方が多かったみたいで。

猫乃:"デビューから今までメンバー・チェンジが一切なしで、初期メンだけでずっとやっているのは奇跡だ"と、周りの人によく言われるんですよ。そういう我々だからこそ歌える曲だと思います。

黒井:たしかに。メンバーが変わっていたら歌えないですね。

猫乃:脱退、卒業、繋がり発覚、パパ活――

卯月:ギャンブル中毒に――

澪:風俗。

黒井:やめとけ! アイドルさんって繋がりとか多いじゃないですか? 私たちからしたら、真剣にアイドルをやっているのに繋がるのってなんでなんだろう? って。そういう気持ちを運営さんと喋ったりして。

澪:楽屋でオタクの悪口を言っているアイドルさんが多いんですよ。

猫乃:"誰のおかげで!"って、不思議ですね。

-みなさんはそれだけ真剣に取り組んでいるということですよね。

黒井:はい。だからプライベートはないですね。ライヴがない日もオンラインでチェキとかやっていて。ライヴがない日をオフだと思われがちなんですけど、ライヴがない日のほうが忙しい。オフの日もずっとLEIWANのことを考えています。

-作品に関連して素晴らしいなと思ったのは、新型コロナウイルスの影響で営業自粛中だったLEIWANのホームグラウンド、目黒鹿鳴館を救うためにベスト・アルバム(2020年6月リリースの『01BEST』)を制作して、売上をすべて鹿鳴館に寄付したということで。今日の取材もその鹿鳴館で実施していますけど、きっと特別な場所なんですね。

猫乃:オタクの中でも聖地です。

黒井:ホームですね。デビューしたときはあんまり出たことがなかったんですけど、主催が始まるようになってから定期的に来るようになって。LEIWANのことをすごく良くしてくれるんです。

猫乃:この(楽屋の)鏡も最初はなかったんですよ。でも我々がここを使うからって鏡を設置してくれて。

澪:だからお返しがしたくて。コロナ禍で必要になってくるのって、やっぱりお金なのかなと思ったんです。ライヴハウスを続ける、音楽を止めないためにはお金が必要だ、じゃあ私たちが売り上げたお金を寄付することで、鹿鳴館さんが少しでもいい形で続くならそれが一番だと。それはメンバーも運営さんも満場一致でした。それを快く受け取ってもらえたからこそ、こちらも遠慮せずに毎週主催を好き放題やれているし、特別な場所ですね、鹿鳴館は。この場所がなかったら、LEIWANもここまで来ることができなかった。

猫乃:たとえこの先にどれだけ売れようと、ライヴに何万人集まろうと、絶対に帰ってくる場所ですね。

澪&黒井&卯月:絶対。

-そうなんですね。

澪:私たちはずっと夢だった新木場USEN STUDIO COASTに立ったことがあるんですけど、鹿鳴館の主のPEPEさんと、ずっと音響をやってるデンさんという方と、受付とか鹿鳴館のいろんなことを管理しているシキちゃんという人たちが、何十年ぶりかに鹿鳴館を閉めて、新木場に来てくれたんですよ。"何年ぶりかに他のライヴハウスに来た。今日は見届けるぞ"って。PEPEさんはX JAPANさんとかいろんな方を観てきたんですけど、言われて嬉しかったのが、"LEIWANに「今日のライヴどうでしたか?」って聞かれるのと、LUNA SEAに「今日のライヴどうでしたか?」と聞かれるのはまったく同じだ"、"LEIWANが大きくなって、「鹿鳴館からヤバいアイドルが排出された」と言わせてくれ"ということで。

猫乃:PEPEさんが有名なアーティストさんの武道館ライヴに招待されたときに、武道館の人に"次はLEIWANが来るから"と言ってくれたらしくて。信じてくれているんです。

澪:嬉しかったよね。"次はうちの子がやるんで"と言ってくれたみたいで。お父さんだね。

猫乃:本当に。パパがいっぱいなんです。パパ活ですよ。

黒井:いや、パパ活はダメだなぁ(笑)。

猫乃:周りの人たちが親切で優しいから、最初は虐待を受けてきた保護犬かのように獰猛だった我々が、人を信じることを覚えて、人のためにアイドルをやるってなったんですよね。

-今のツアー("LEIWAN SHOCK the JAPAN TOUR")もここ鹿鳴館から始まっていて、最後はO-EAST(Spotify O-EAST)ですね。現状のツアーの手応えはどうですか?

猫乃:私たち、大阪から先に行ったことがなかったんですよ。で、初めて広島に行ったときに"四国から来ました"って、初めて会いに来てくれた人がいて。知ってくれているんだというのがまずビックリしましたね。私たちのことを待ってくれている人がいるんだと知る、いい出会いになりました。

卯月:"来てくれてありがとう"ってめっちゃ言われた気がする。

猫乃:そうなると、"また帰ってくるからね"、"帰って来れるように頑張るから"って、またひとつ夢が増えるんです。

澪:でも、手応え的にはまだまだ挑戦だよね。いつも(集客面で)届きそうで届かないところを選ぶものだから、毎回毎回必死で(笑)。お客さん呼ばなきゃ→終わったぁ→またお客さん呼ばなきゃって(笑)。

猫乃:それもあって、メンバー全員満足する日がないです。どれだけ売れようが、どれだけ人が来ようが、満足する日がない。手応えを感じる日はないと思います。

黒井:それがたぶんハングリー精神って言われるところなんだろうね。

-LEIWANのライヴで、ここは負けない、ここは魅力だと強く言えるところはどこですか?

卯月:各々の強い想いが、ライヴで垣間見ることができるところ。ライヴ前はめちゃくちゃ話し合うんですよ。その日のライヴ、お客さんの層に合わせるとか、絶対毎回違うライヴをしていて。ライヴを観たら"小娘4人が頑張ってるから俺も頑張ろう"とか思って、帰ってもらえるのが強みです。ライヴは楽しいと思います。そこが一番。楽曲ありき、振付ありきで楽しい。もし私が違うアイドルをやっていて、出番前にLEIWANが出てきたら絶対に嫌だ(笑)。嵐のようにやって、嵐のように去っていくライヴをするので、楽しいで終わるときもあれば、熱いMCをしてお客さんが泣いてくれるときもありますね。

猫乃:他のグループの運営さんに言ってもらった言葉で嬉しかったのが、"お前らは本当に毎回ワンマン・ライヴをするよな"ということで。"こんな平場で「今日で解散する」みたいなライヴをするよな"と言われました(笑)。

-(笑)最後に、ツアー・ファイナルのO-EASTに向けての想いを聞かせてください。

澪:ここをクリアしないと次に行けないと思っています。私たち、売れたいんですよ。毎回キャパシティを更新していくことが売れるということだと思うし、一緒に楽しんでくれる人数が多いほうがライヴは楽しいに決まってる。毎日嫌なニュースが流れていくなかで、LEIWANだけは楽しいことをずっと発信したいんです。"あいつらまたバカなことやろうとしているな"とか、"そんなキャパでできるわけないじゃん"と言われるようなことも、"いや、私たちできるから!"って、楽しく発信していきたい。だから、どんどんキャパも大きくして、そこを一杯にして、LEIWANのことを好きな人と心を通わせて大きくなりたい。行けるところまで行きたいとひとりひとりが思っています。"通過点"というありきたりな言葉は使いたくないんですけど、EAST(Spotify O-EAST)を成功させて何年か経ったときに、"あのEASTは本当に最高だった"って、その場に来た人が口を揃えて言えるような日にしたいと思いますね。

LIVE INFORMATION
"LEIWAN 5th ONE MAN LIVE 『Spotify O-EAST』"

8月1日(月)Spotify O-EAST
OPEN 16:30 / START 19:00(予定)
Nチケ(手売りチケットのみ)¥1,000 / VIPチケ ¥10,000 / 当日 ¥2,900(D代別)
予約はこちら