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INTERVIEW

GRANRODEO

2020.11.04UPDATE

2020年11月号掲載

GRANRODEO

メンバー:KISHOW(Vo) e-ZUKA(Gt)

インタビュアー:吉羽 さおり

今年9月に、アニメ"「バキ」大擂台賽編"のOPテーマである31枚目のシングル『情熱は覚えている』をリリースした、GRANRODEO。結成15周年イヤーに突入したふたりが、そのニュー・シングルも収録し、新曲を加えた全32曲のシングル・コレクション『GRANRODEO Singles Collection "RODEO BEAT SHAKE"』をリリース。多くのアニメ作品を彩り、ハード・ロックやラウド、バラードにポップで遊び心のある曲で、音楽ファンの心を掴んできた歩みは、実に自由でクリエイティヴで楽しみがある。その躍動感を実感する作品集だ。その冒頭に収録されたのが新曲「welcome to THE WORLD」。シンセやエレクトロタッチのモダンさで、これまでの中でも華やかな1曲で、時代を幕開ける感覚がある。この曲を中心に、これまでとこれからのGRANRODEOを語ってもらった。

-15周年記念のベスト盤ということで、この15年でリリースした全シングルのリード・トラックを収録した、シングル・コレクション『GRANRODEO Singles Collection "RODEO BEAT SHAKE"』がリリースとなります。大ボリュームの1枚ですが、その筆頭となるのが書き下ろしの新曲「welcome to THE WORLD」で。GRANRODEOの曲としても、一段と華やかでポップ性の高い曲になりましたね。

e-ZUKA: 2020年は15周年ということもあったので、今年の年始くらいには、じゃあ11月くらいにシングル・コレクションのようなベスト盤を出しますみたいな感じで。今回新曲は「welcome to THE WORLD」1曲ですが、シングルもすべて並べていったらかなりの大ボリュームになりました。

-そうですね。"通常盤"でもディスク2枚で各16曲ずつというボリューム感("完全生産限定 Anniversary Box"では3CD+Blu-rayを収録)ですしね。

e-ZUKA:じゃあその1曲はどういう曲がいいかなと思って。この15年で区切りとして、その区切りの終わりとしてもいいし、新しい始まりとしてでもいいんですけど、何か変わった、今までと違うことをやりたいなとは個人的に考えていたんです。"変わったね"というものが求められているかどうかは別として、"おやっ?"ってものがいいなと思って。で、何がGRANRODEOとして"おやっ?"と思えるものなのかと考えたとき──先日、Eddie Van Halen(VAN HALEN/Gt)が亡くなってしまいましたけど、VAN HALENがすごく衝撃的だったのって「Jump」だと思うんです。若い人はみなさん、「Jump」=VAN HALENだって思うかもしれないですけど。

-一番知っていて、馴染みがあるのが「Jump」ですね。

e-ZUKA:僕らの世代だと、「Jump」は結構やめてくれよっていう感じがあったんですよ(笑)。シンセがバーっと鳴っていて。ただ、新しかったんですよね。"そこいっちゃうの? やめてよ、そうじゃないんだよな"って思っている昔からのファンもいるし、それで増えたファンもいるわけでしょ。そういうものというかね。だから、変化のある曲ということで、シンセであるとか、僕たちで言うと普段生楽器を使っているから、全部を打ち込みにするとか、そういうダンス・ナンバー系をやったら新しさが出るのかなと思って。それがとっかかりでしたね。結果的にドラムやベースは生にしたんですけど、折衷案になったというのはありました。

-一発目がこの曲で驚きはありましたよ。新しさはもちろん、アニバーサリー・イヤーという祝祭感、高揚感とマッチした曲だなと思いました。KISHOWさんはこの曲を最初に聴いてどんな印象を持ちましたか?

KISHOW:そうくるだろうなとは思ってましたよ。

e-ZUKA:バレてる(笑)。

KISHOW:2015年の10周年のときも、「バラライ」(ベスト・アルバム『DECADE OF GR』収録)という曲があって。僕は、ほんと好きな曲なんですけどね。だいたい、周年のときにはe-ZUKAさんこういうのをやりがちなんですよ(笑)。僕も"待ってました!"というか、"望むところです"というノリなんですよね。

-そうだったんですね(笑)。では、歌詞についてはこの方向性でいこうというのはありましたか?

KISHOW:GRANRODEOの捉え方は人それぞれだけど、大まかに言うと、パブリックなイメージはハード・ロックを基調としたゴリゴリしたサウンドだったり、妙にキーが高かったり、ギター・ソロをギュワンギュワンいわせたりっていうのが強いと思うんです。だから、こういう曲は意外に思われるんだけど、あくまでもGRANRODEOの幅の中のひとつで、やってきたことでもあるんですよね。だから、歌詞を作っていくのもなんの違和感もなく入れたんですけど......ただ、どの曲にも、e-ZUKAさんがホニャホニャとメロディを歌ってる仮歌みたいなものがあるんです。

-はい、なんとなく歌っているようなものが。

KISHOW:その仮歌の時点で、"welcome to the next world"みたいなことを完全に言ってるんですよね。もう言ってんじゃんっていう。

e-ZUKA:はははは(笑)。

KISHOW:それに影響されないほうが難しいというか、これはやれということだなと。なかなかその圧は感じましたね。

e-ZUKA:ヅカハラですから。

KISHOW:その意志を感じたので、じゃあそういうテーマだよねっていう。たしかに今、こういうコロナ禍のご時世で、我々の周年もおかげさまで潰されかけているし。ズバリそんなテーマで、この新世界をどう乗り越えていくかみたいなところを、真正面からいってみようということでした。僕なりの新世界へようこそじゃないですけどね。僕の中ではわりとわかりやすく歌詞にしたためてみたつもりです。

-e-ZUKAさんは、先ほどの"welcome to the next world"部分は、メロディを書いた時点で浮かんでいた、イメージしていたものだったんですね。

e-ZUKA:特にイメージしていたわけじゃないんですけど、なんですかね? 曲作りをしてるなかで、EDM系の要素を自分のスキルでは完璧にはできないと思っていたんですけど、時間もあったものでいろいろ研究してたんです。こういうジャンルがあるんだなって、フューチャー・ベースとかを聴いてみたり。と言っても、2012年くらいのものだから、少し前ですけどね。その中でも、"かわいいフューチャー・ベース"というのがあって、これ面白いなと思って。"かわいいフューチャー・ベースの作り方"みたいな作り方の動画とかもあるんですよね。そんなのも観ながら、こういう技法があるんだなとか、こういう音の作り方があるんだとか思っていたときに、その"フューチャー"という言葉が引っかかったんです。"こういうサウンドを入れるとフューチャー感が出るな"とかね。GRANRODEOがこの15年をひと区切りとしたら、次はもう未来なわけじゃないですか。そしてもう、この世の中も変わってしまったし──

-一気に変化してしまった感覚でした。

e-ZUKA:もとには戻らないですよね。それで、やっぱり新しい世界なんだなっていうのと、GRANRODEOの未来の世界と考えていたら、サビで"welcome to"って言っちゃってたんですよ。それを言っちゃってるとき、僕の中ではこれが「みんなのうた」に使われるような風景や、ミッキーマウスが歩いてくるような感じが見えたので。

KISHOW:はははは(笑)

-ものすごい幸福感が。自粛期間は制作期間とも重なっていたと思いますが、その間はいろんなものを見たり聴いたり、"こういうのを取り入れたらどうか"って試すことがたっぷりできた時間でしたか?

e-ZUKA:わりと、そうしようとしていた感じですね。特に緊急事態宣言が出たときは、暇だ暇だって言ってるのも良くないと思ったので、自分から進んで、もうやめちゃいましたけど、筋トレをしてみたり(笑)、英会話の本を読んだり、ペン習字の練習帳を買ってきてやってみたり。

-多種多彩なことを(笑)。

e-ZUKA:(練習帳は)2冊くらいやってますね。あとはオーケストラをもうちょっと勉強したいと思って、オーケストラの勉強をしたり、当然ギターの練習をしたり。それとコンピューター関係を新しくしようというのはありました。あれってバージョン・アップするのにどうしても時間がかかるじゃないですか。だから、リスキーではありますけど、これを機にOSのバージョンを上げてみようとか、そういうことはしてましたね。

-そういうのが何か形になっているなとは感じますか?

e-ZUKA:わずかですけどね。僕はSNSもやっていないし、自分で動画を撮ってYouTubeにアップするというのもやってないので。この時期にYouTubeとかを始めた人はいっぱいいるじゃないですか。ミュージシャン仲間や後輩でも、"バトンが回ってきて弾いてみた"とか、あとはオンライン・レッスンを始めましたとかがあるわけですよ。

-あぁ、なるほど。

e-ZUKA:そういうのを見ていると劣等感の塊みたいになってくるんですよね。俺、何もやってないなみたいな。ファンのためにも何もやってなければ、発信してることも何もないなんていう思いが出てきたので、今度会ったときに、ちょっとスキルアップしてる自分を見せたいなっていうので、勉強していたというのもありましたけどね。変わったことなんて、ほんとちょこっとですけど、そういうのをかじれたのはいいきっかけでした。