INTERVIEW
GRANRODEO
2020.09.07UPDATE
Member:KISHOW(Vo) e-ZUKA(Gt)
Interviewer:吉羽 さおり
KISHOW(谷山紀章)とe-ZUKA(飯塚昌明)でスタートし、これまでに"黒子のバスケ"を始め数々のアニメの主題歌を手掛け、そのパワフルできらびやかなギターが冴えるロック・サウンドと、グラマラスなシャウトもキメるヴォーカルで国内外にファンを持つGRANRODEO。結成15周年を迎える2020年は、初のトリビュート・アルバムのリリースなどスペシャルなパッケージも目白押しとなるが、そのなかでニュー・シングル『情熱は覚えている』の発売も決定した。多彩なアレンジと、それをどこまでもGRANRODEOカラーで彩る濃さを感じるこの1曲をもとに、激ロック初登場のふたりに改めて"GRANRODEO"とはという話を訊いてみた。
-7月31日に初の全世界同時生配信ライヴ"GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live ~たかが15年~"を行いましたが、初めて無観客での配信ライヴというのをやってみての感触はいかがでしたか?
KISHOW:初めてだったしどうなるかなって思っていたけど、終わってみたら思いのほか手応えがあったというか、感激しましたよ。相当数の人が観てくださったのは力にはなりましたね。
-しかも今回のセットリストは、ファンの投票をもとに15年分の作品の各年代から1曲ずつで構成されたのものでした。無観客ではありますが、ファンのみなさんの熱い思いが込められたものになったなというのも感じました。
KISHOW:15周年ということで、何か特別なことをやろうということだったんです。ファンの人たちにこの15年から1年1曲ずつ選んで投票してもらって、ああいうセットリストになったんですけど、やっぱり選曲がわりと激しめだったなと。
-MCでもおっしゃってましたね。
KISHOW:バラード1曲もねぇなと(笑)。
e-ZUKA:(笑)。
KISHOW:ここはこっちが忖度してやろうかというのもありましたけどね。"1曲くらいはバラード入れない?"っていう。でも、そうじゃないセットリストになったのは、ガチだったんだなと喜ばれたんじゃないかなと思いますけどね。
e-ZUKA:初見の人には、"あれ? 知ってる曲がない"みたいな。"黒子のバスケ"の曲が1曲もないっていうのはあったね。
KISHOW:それ言われてたね(笑)。
-それだけ、ディープなファンの方がしっかり選んでくれたセットリストだったんじゃないですか。
e-ZUKA:("黒子のバスケ"のOP主題歌は)普段いっぱいやっているので、ファンの方は違う曲が聴きたいというので投票してくれたのもあるかもしれないですけどね。
-しかもセットリストの1曲目を飾ったのが、9月9日にリリースとなるニュー・シングル「情熱は覚えている」で。こうしたスペシャルなライヴで披露となったのも、インパクトがありました。
e-ZUKA:もともと今回の15周年ライヴは3月に予定していたもので、その3月の時点でももちろんセットリストは決まっていたんですけど、この曲は入っていなかったんです。まだ発表になっていなかったですしね。でも、今回7月末にライヴが決まって、2020年の1曲として全部で16曲になったんです。このライヴは新しい曲から時代を遡っていくセットリストだったんですけど、まぁ大変でしたね(笑)。新しめの曲はキーも高い。だんだんとキーが下がっていく流れで。
KISHOW:今のほうが高いんですよね(笑)。昔はそこまででもなかったんですけど。
-それはやはりKISHOWさんの声に合わせてどんどん、ここまでいける、もっとできるというのが出てきているからなんですかね。
KISHOW:そうなんですかね。禁煙という荒行に成功してますから(笑)。
-では早速新曲「情熱は覚えている」のお話からうかがっていきます。今回はインド音楽的なエキゾチックなフレーズから始まり、曲調的にもグルーヴ感があって強力に耳を引く曲になりましたね。
e-ZUKA:たまたまだったんです。「情熱は覚えている」はアニメ"「バキ」大擂台賽編"OPテーマでもある曲で、今回の"バキ"の"大擂台賽編"が、中国が舞台ということでアジアンなテイストにというのはなんとなくあって。チャイニーズ・テイストには寄せていないんですけども、結果的にエスニックな感じになりました。これも作っていくうちにこうなった感じで、最初はもう少しクラシカルというか、弦楽器も入った感じだったんです。それはちょっと違うなというので、挑んだものにしていくうちにこの形になったんですよ。最初から意図していたわけではなかったんですよね。
-その違うなという感触は、OPテーマとしては違うなというものですか?
e-ZUKA:そうですね。シリアスすぎるかなと。もうちょっとバカっぽさというか、いい加減さがあったほうがいいんじゃないかって。ベースのリズムの作りとかは変わっていなくて。最初からリズムは土着的な、普通のリズム・パターンが出てこない感じをイメージしていたんです。そこからだんだんとイメージが湧いてきたものですね。
-2年前も「BEASTFUL」(2018年リリースの29thシングル表題曲)という曲で"バキ"のオープニングを飾りましたが、「BEASTFUL」はメタリックな曲で、今回はまた全然違った奇想天外な面白さになりましたね。KISHOWさんは、この曲を聴いたときの感触は?
KISHOW:そうきたかという感じはありましたね。最初の「BEASTFUL」がシリアスなハード・ロックの感じだったので、そこから2作目で、本当の意味で肩の力が抜けたというか。ちょっとおちゃらけているくらいの雰囲気で、なるほどなというのはあった。「BEASTFUL」があったからこそ、こうきたんだなというので、面白かったですね。
-その肩の力が抜けた感触というのが、今回の歌詞にも反映されているように思いました。
KISHOW:はい、やっちゃいましたね(笑)。毎回、曲先なので、(歌詞は)できた曲に対してのものとなるんですけど。あとは、"バキ"は作風がはっきりしているから、テーマがまとまりやすかったんですよね。前回の「BEASTFUL」のときは、敗北を知りたいみたいなことだったんですよ。中二的なかっこ良さですけど、男はみんなこういう"俺は負けたことがないんだよ、負けを知りたいんだよ"って感じが好きだよねって。今回はその負けを知ったあとですよね。1回敗北しているんだけど、それでも、もういっぺん挑戦しにいくという。自分が認めなければ敗北じゃないぞっていうようなところで。これもまた男の子が好きなノリだと思うので、それで"情熱は覚えている"っていうタイトルが浮かんだんです。情熱そのものや、あのときの栄光だとかっていうのは覚えているはずだから、もう一度その栄光を掴むためにという大枠のテーマは決まりました。