INTERVIEW
GRANRODEO
2020.09.07UPDATE
Member:KISHOW(Vo) e-ZUKA(Gt)
Interviewer:吉羽 さおり
部活みたいな感じなんですよね。"これ面白いんじゃない?"、"いいのできたね、プロみたいだね!"という感じで
-そして、カップリング曲が「Scorn」ですが、取材にあたっていただいた時点の音源ではまだ仮タイトルが付いていて。それが"LA METAL"というもので、ワクワクしながら聴いたら、かなりいききった曲で最高でした。
e-ZUKA:(笑)タイトル"激ロック"にしておけば良かったかな。
KISHOW:ほんとダジャレじゃないけど、スコーン! といった感じで、そのイメージだったんですよ。この曲は相当ふざけてますね。いろんな曲のオマージュがあるというか、聴く人によっては"ズバリあれじゃない?"っていうものがあったり。僕なんかは完全にMÖTLEY CRÜEの「Kickstart My Heart」を思い浮かべたので、歌い方もオマージュを入れているところはあります。
-ギター・キッズ大喜びの曲になったと思います。
KISHOW:やっちゃいましたね。
e-ZUKA:以前、LAで録ったんですけど、そのときはわりとカリフォルニア! みたいな明るい感じだったので、今回はちょっとロキシー(Roxy Theater)だとか、LAメタルのライヴハウスの雰囲気で、LAメタルぽい曲をやりたいなと思っていたんです。やっぱり今のこういう世の中なので、LAメタルでぶっ飛ばしていこうという感じで作りましたね。
-まさに、馬力のあるドライヴ感で爽快に蹴散らしていくサウンドです。
e-ZUKA:今どき、バイクの音で始まる曲ないよね(笑)。
KISHOW:今日日よく、こんなの本気でやるなというね。
e-ZUKA:だいたいこういう僕のルーツになっているようなものをやると、若い人には新鮮に聴こえるというのもあると思うし。そのお父さん、お母さんたちが聴いたときに、"懐かしいな"と親子の会話もできるというね。我々は家庭の潤滑油をやってるつもりでいますから(笑)。こういう曲をやっても、KISHOWの声が乗ることでGRANRODEOになるし。歌の力で引っ張ってもらうというのは、どんなジャンルの曲でもありますね。
-そうですね。このシングルに先駆けて、初のトリビュート・アルバム『RODEO FREAK』(2020年8月)がリリースされましたが、幅広い曲をさらに幅広いジャンルからのアーティストがカバーをしていて、GRANRODEOが改めて浮き彫りにもなりますね。
e-ZUKA:GRANRODEOの音楽性にしても、"それGRANRODEOらしいですね"とか、"もうちょっとGRANRODEOらしい曲やってくださいよ"とかを、スタッフから言われたことはないし。GRANRODEOらしさみたいなところだと、ちょっとバカっぽさというのがあるのかもしれないけど、広がることはあっても、何かの枠の中に収めようとしてることはないんですよね。
-自分たちでは縛りみたいなものはないんですね。
e-ZUKA:ないですね。いいと思えば。部活みたいな感じなんですよね。軽音部みたいな感じで、"これ面白いんじゃない?"って作って、"いいのできたね、プロみたいだね!"という感じで(笑)。
-世界中にファンがいるバンドなのに、今なおそうやってワクワクしっぱなしなんですね。トリビュート・アルバムについては、どうですか? 自分たちの曲がこうしていろんなレンジになってまた返ってくるというので、曲への再発見などありますか?
KISHOW:面白いなって思いますよね。どういうふうに料理されるんだろうとかがワクワクしました。
-参加したアーティストは、普段から交流がある方が多いんですか?
KISHOW:FLOWなんかは付き合いやすいお兄ちゃんたちで、勝手に盟友だと思ってます。DAIGO(BREAKERZ/Vo/Cho)君とかも一緒にライヴをやったり、西川貴教兄さんには"イナズマロック フェス"に呼んでもらったり、ご縁がありますね。MUCCも対バンに呼んでもらったりしているし。超特急や、でんぱ組.incは同じイベントに出たりしてるかな。
e-ZUKA:ベリーグッドマンもイベントに一緒に出たことがあるね。
KISHOW:実はこういうトリビュートみたいなものってすごくやってほしかったんです。自分たちの曲を他の人がやったらどういうアレンジになるんだろうっていうのは、すごく興味があったし。それが叶って嬉しかったですね。
-選曲もお任せですか?
KISHOW:こっちのスタッフ・サイドから、だいたいこのあたりの曲はどうですかというのはあったみたいですね。でも、MUCCの場合は絶対これだって言って、「メズマライズ」という、なんのタイアップでもないカップリング曲をチョイスしてくれたんですよ。僕も兼ねてから絶対にこの曲はMUCCの世界観に合うだろうなと思っていたんです。そしたら「メズマライズ」を選んでくれて、しかもできあがってきたのが予想していたよりも良くて、さすがだなと感じましたね。
-MUCCの曲のようになってますね。他の曲もそれぞれ味が出ています。
KISHOW:意外なのもたくさんありましたね。いろいろなびっくりがあったんですけど、インパクトでいうとやっぱり西川さんの(「偏愛の輪舞曲」の)サビですよね。このサビは"その耳に残るのは偏愛の輪舞曲(ロンド)"なんですけど、どう聴いても"偏愛"が、"へぃっあぃの......"って西川さんならではの歌い方になっていて(笑)、もうそのヴォーカル力というか、声量というかが凄まじくて。ああいうパワフルなヴォーカリストとしての到達点に達した人ですよね。消臭力のCMが年々パワフルになるじゃないですか(笑)。もっとGRANRODEOのいろんな曲を歌ってもらいたいくらいで。
-たしかに聴いてみたいです(笑)。
KISHOW:あとは、超特急の「BEASTFUL」をああいうアレンジにするっていうのもびっくりしましたし。キーもテンポも落としているんですよね。
-どんなだったっけなと原曲を聴き直しちゃうくらいですよね。
e-ZUKA:どれも素晴らしかったですよね。FLOWは僕のギターを使ってるんですよ。ギターのTAKEちゃんから"7弦ないので、借りてもいいですか?"って言って、お正月過ぎたあたりに電話がかかってきたんです。完成した曲を聴いたときは、愛のあるアレンジだなと思いましたね。みんなそれぞれのいいところをこれでもかと出してきて。シドなんかも「Infinite Love」ですけど、"Infinite Love"=果てしない愛というより、昼下がりの情事みたいな感じじゃないですか。
-この曲を選んだのはうまくハマったなと思いましたけどね。
e-ZUKA:コード進行をちょっと変えてるんですよ、いやらしい感じに。本当に"エマニエル夫人"みたいな雰囲気で......って言っても、若い子たちはわからないと思うけど。あとBREAKERZもね。最初GLAYの曲が始まったのかと思った(笑)。
KISHOW:「BELOVED」始まったのかと思ったよね。自分の好きなようにやってるなぁと。でもいかにもDAIGO君らしいというか、BREAKERZらしいというか、なるほどなと思いましたよね。
e-ZUKA:こうやって改めてGRANRODEOの曲を聴くと、超特急のアレンジみたいにキーやテンポ、歌い方が全然違う感じになっても、いい曲なんだなという。そういう意味でいうと、メロディの強さにしても、あとは歌詞もいいものなんだなって改めて思いますね。
KISHOW:ちゃんと聴き取れるしね(笑)。これからちゃんと歌おうと思ったもん。