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INTERVIEW

H.E.R.O.

2019.04.22UPDATE

2019年04月号掲載

H.E.R.O.

Member:Christoffer Stjerne(Vo) Anders Kirkegaard(Dr)

Interviewer:菅谷 透

俺たちは、"どんなアイディアもやりすぎということはない"と考えたんだ


-ありがとうございます。では、ここからは1stアルバム『Humanic』に関してうかがいます。作品を完成させた今の心境を教えていただけますか?

Anders:やっとリリースすることができてとても嬉しいよ。パーフェクトな、"Superpowers"の込められたアルバムを作ろうとしていたから、作品を完成させるまでにすごく時間がかかってしまったんだ。

-今回はプロデューサーにNick Foss、Jacob Hansenを起用しています。彼らを選んだ理由を教えていただけますか?

Christoffer:Nickは今作の共同プロデューサーだけど、俺たちがデンマークで所属している"Mermaid Records"のA&Rの担当者でもあるんだ。

Anders:そして彼は、俺たちのメンターでもあるね。

Christoffer:また、Jacobはメタル・シーンに関わっている人物だから、楽曲に力強さを取り込むには彼と組むのが一番いいんじゃないかと思って参加してもらったんだ。

Anders:Nickは、デンマークでは"ロックをやるには彼と組むのが一番だ"と言われているほどの、シーンにおけるレジェンドだし、ふたりと制作することができて光栄だったよ。

-アルバムの制作はいつごろ始まりましたか?

Anders:2年くらい前かな。そのころにEP(『H.E.R.O.』)をリリースしたんだけど、昔の曲に加えて新曲もできつつあったから、フル・アルバムを制作してみようと思った。アルバムを制作した2年間で、H.E.R.O.の理想の音はどうあるべきかをずっと模索していたから、EPからアルバムにも収録された曲もあれば、制作していく過程で振り落とされたものもあるんだ。

-アルバム全体を通して、モダンな要素とオールドスクールなサウンドがうまくミックスされていると感じました。音作りで意識したことはありますか?

Anders:特に"こういう音作りをしよう"という理想像があったわけではないね。俺たちは、"どんなアイディアもやりすぎということはない"と考えたんだ。例えば"このリフはメタルすぎるんじゃないか"というような先入観を持つのはやめて、とにかくなんでもありにしたんだよ。

Christoffer:3人ともそれぞれ、まったく違う影響を今まで聴いてきた楽曲から受けてきているからね。さっき言っていたオールドスクールな要素はSørenが一番聴いてきたものだし、Andersはメタルが好きだし、俺は堂々と言えるくらいにポップスが好きなんだ(笑)。そういった要素のミックスが、俺たちのサウンドを構成しているね。

-今作では、耳に残るようなメロディが全編で展開されていますね。作曲で心掛けたことはなんでしょうか?

Christoffer:俺はメロディを一番大事にしているんだ。曲を書くときも、ギター・リフよりもまず先にメロディを見つけ出して、それに合うサウンドを肉づけしていくという感じだね。歌詞もメロディに合ったものを作るようにしているよ。

-アルバム・タイトルの"Humanic"は辞書のとおりだと"人間らしい"というような意味になるかと思います。アルバムのコンセプトについて教えていただけますか?

Anders:辞書的な"人間性"という意味ももちろんあるけど、どちらかと言うと"人と機械の融合"のような、人間らしい音楽性と人工的な音楽性の組み合わせというニュアンスだね。さっきも話したとおりSørenはオールドスクールな生音が好みなんだけど、そこへChrisが中心になってエレクトロニックなサウンドを足していったから、そうした要素の調和を指しているよ。

-楽曲についてのテーマはありますか?

Christoffer:全体に共通するテーマがあるわけではないね。俺が歌詞を書いているんだけど、心の殻を破って曝け出しているような感覚だよ。それから、俺自身だけじゃなくてメンバーの人生経験のひとつひとつが曲になっているんだ。

-アルバムの中にはヘヴィな曲もあれば美しいバラードもあり、バラエティに富んでいます。収録されている曲調のバランスは意識しましたか?

Anders:バランスを取ったというよりは、作りたいものを作った結果たまたまバランス良く仕上がったという感じだよ。何事もやりすぎではないという精神で制作したからね。

Christoffer:自分たちが知っているものや、実際に感じているものを音にしていった結果として、ギター・リフの強い曲やバラードがあるアルバムになったんだ。

Anders:俺たちはひとつの箱の中に閉じこもっているタイプではないからね。次はまったく違うアルバムになっているかもしれない。もっとメタリックだったり、もっとポップだったり......。

Christoffer:全部バラードのアルバムだったりするかもね(笑)。

-(笑)収録曲の「Superpowers」はキャッチーなメロディもそうですが、子供のころの思い出が蘇ってくるようなミュージック・ビデオも印象的です。MVのテーマを教えていただけますか?

Anders:子供のころに感じた"超能力が使えたらいいな"という気持ちをMVで描いているんだ。MVに登場する男の子は"R.O"、女の子は"H.E"と書かれたコスチュームを着ていて、ふたりを合わせると"H.E.R.O."になる。男の子は女の子がいないと超能力が使えないし、逆もまた然りで、補い合いながら超能力を得ていくという内容になっているんだ。