SPARK SPEAKER：三瀬 ふう子　杉原 由規奈　朝日向 星羅　木山 しずか
レーベル・オーナー：株本 鉄
INCEPTION OF GENOCIDE：Jiro（Gt）
インタビュアー：荒金 良介

－この機会にスパスピからふたりの制作者に訊いてみたいことはあります？

三瀬：曲に幅があるなぁと思ってて。今回、鉄さんとJiroさんがどんな感じでふたりで作ったのかなと。

Jiro：ほんとにLINEでやりとりというか。

株本：ははははは（笑）、今時のやつだよね。

Jiro：直接は一度も話してないですね。

木山：へぇー！

－基本は鉄さんが作った叩き台にJiroさんがアレンジを加えて？

株本：そうですね。弾き語りで作ったものを送って。Jiroの曲は、完成するまでに2回ぐらいやりとりして、全部決めちゃう感じですね。"「SPARK」のここはダダダダッだから、それでよろしく！"って。

－かなりざっくりしてますね。

株本：そうなんですよ。「Realta」も"タタタッと入れて！"って。

杉原：へぇー、そうなんですね。

－大きな食い違いもなかったんですか？

Jiro：細かな直しはありましたけど、大きく変わった部分はなくて。

株本：お互いにビックリしたこともあって。"Jiroそんなふうにやってくれたの！"と思うことが全曲にあったんですよ。バンドにあるような相乗効果があったので楽しかったですね。

－木山さんはどうですか？

木山：曲を作るときにJiroさんのこだわりってあるんですか？ 何から作るのかなって。それがめっちゃ気になってました。

Jiro：なんでもありなんだけど、ギターが多いかな。「RAIN」も最初のリフからできて、どんどん作り上げたし、「One by One」は最初にアルペジオから膨らませたりしたから。イントロ、アウトロも自分が作ってるんですけど、そこはシンセで作りました。「RAIN」のアウトロで最初に雨の音が入ってて――

杉原：あれ、めっちゃ良かったです！

Jiro：で、最後に雨の音がフェードアウトするという。

杉原：そうなんですよ。雨が止むんですよね！ アウトロが良かった。

木山：「RAIN」のイントロはIOGさんの活動休止ライヴを観たときに、ライヴのSEがめっちゃかっこいいと思って。アイドルさんでああいうSEを使う人はいないから、"私たちもああいうSEにしてください！"と言ったんですよ。

株本：Jiroは映画音楽を作りたいみたいな話をしてたから。じゃあ、"壮大な感じでお願いします！"って。

Jiro：映画音楽に限らず、なんでもやりたかったので。「Realta」では初めてブラスのアレンジをやったり、MY CHEMICAL ROMANCEっぽいマーチング・ドラムだったりも入れてますからね。あと、「SUNRISE」ではドラムンベースっぽいアレンジもあるし、いろんなことに挑戦できたなと。個人的にもスパスピ的にも新しいことができたと思う。

－由規奈さんはどうですか？

杉原：Jiroさんの中で今回のスパスピの曲で"これだ！"というものは？

Jiro：う～ん、「One by One」かな。

スパスピ一同：おぉー！

Jiro：メロは鉄さんにつけてもらったけど、自分で作ったものをさらに上の段階に持っていってもらえましたからね。

株本：あの星羅の歌声はいいよね。

朝日向：ありがとうございます！ Jiroさんは普段メタルをやられてますけど、本当に好きな曲はなんですか？

Jiro：昔はメタラーだったけど、大人になって、ポップス、アニソンも聴くようになったし、ギター以外のバンド・サウンドやオーケストラにも興味を持ち始めたね。今はコードワークがややこしいものが好きかもしれない。スパスピの曲でもちょっと凝った部分もあるし、アニソンはすごく凝ったものが多いから。

朝日向：アニソンだったら何が好きですか？

Jiro：めちゃくちゃ悩みますね。答えるのに半日かかるなぁ（笑）。田中秀和さんという作曲家がいて、その人の曲は好きですね。"アイマス（THE IDOLM@STER）"関連、Wake Up, Girls！とか......こんな話をしてもあれだけど（笑）。

株本：「One by One」はいい仕上がりになったよね。星羅は全編英語にしたので、大変だったと思うけど。

朝日向：英語の曲を普段聴かないので、それでNICKELBACKを聴いてみたんですよ。

株本：星羅がNICKELBACKを聴いてくれたから、この曲が生まれたんだろうし、大成長したと思いますね。

－それと、「Hello My Life,Thanks My Life」みたいな飛び道具的な曲調も、なかなか歌える人はいないと思いますよ。

株本：オルタナ、ハードコアみたいなイメージで、ふう子はそういう曲調が好きですからね。そしたらビール片手に歌って伝説の曲になったという（笑）。

Jiro：どう歌うんだろうと思ったけど、アルバムにいいフックをもたらしてますからね。

三瀬：ライヴが楽しみですね（笑）。

株本：でもほんとにいいアルバムができたと思う。次はハードルが高くなるかなと。

三瀬：Jiroさんと次も一緒にやるとして、他にやってみたい曲調とかあるんですか？

Jiro：いい意味でなんでもいいのかなと思います。僕としてはスパスピがやりたいことに合わせたい部分があるし、それでいい曲を作りたいなって。どんなジャンルでも対応できるようになりたいですね。