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INTERVIEW

Initial'L

2018.09.12UPDATE

2018年09月号掲載

Initial'L

Member:悠希(Vo) サトシ(Gt) ZERO(Gt) 緋遊(Ba) 一朗(Dr)

Interviewer:藤谷 千明

2016年秋に活動をスタートさせたInitial'L。過去に2枚のシングル、1枚のミニ・アルバム、2018年3月から3ヶ月連続デジタル・シングル配信、7月25日には1stフル・アルバムの先行シングルである『Can You Feel It ?』をリリース。9月26日にリリースされる初のフル・アルバム『INITIALIZE』は、鮮やかで未来的なデジタル・サウンドと、力強く躍動感あるバンド・サウンドの融合をメインに、様々なジャンルが縦横無尽に横断する意欲作だ。彼らは自らのサウンドを新ジャンル"フューチャー・ロック"と定義し、活動のフィールドをさらに広げようとしている。新作に込められた想いや制作について、そしてバンドの掲げるヴィジョンについて、メンバー全員に話を訊いた。

-激ロック初登場のInitial'L。前身バンドであるLycaonが2015年に解散し、翌年秋に同じメンバーでInitial'Lとしての活動を始動させました。

悠希:もともとLycaonが解散したときは何も決まっていなかったし、"音楽をやりたいな"という気持ちはあったけれど、実際に"こういう音楽をやりたい"とか"こういうバンドをやりたい"みたいなヴィジョンがなかったんです。でも漠然と"この5人で音楽をやりたい"というのはあって。それまでやってきた音楽に対して自信や満足感はありつつも、自分たちが出し切れてない音楽もまだたくさんあることに気づいたんです。以前は世界観のある音楽をやっていた。でもそことは外れたところで、音楽一本で自分たちがどこまで通じるのか挑戦したいと考えるようになったんです。

-Lycaonはコンセプチュアルなイメージのあるバンドで、曲調、歌い方も含めいわゆる"ヴィジュアル系ど真ん中"だったように思います。Initial'Lは、そことはかなり印象が変わりました。

サトシ:Lycaonは、"ヴィジュアル系"という外枠の中に自分たちの好きなものを混ぜていかに楽しむかというバンドでした。Initial'Lは、ただ自分が好きな音楽をやっているバンドですね。別にLycaonのころの自分たちの音楽に満足していなかったわけではなくて、もっとストレートに表現したいと考えるようになったんです。

-それはInitial'Lの始動当初から考えていたことですか?

サトシ:半年くらいしてやっと見えてきたテーマですね。

一朗:試行錯誤だったよね。

悠希:最初からやりたい音楽はたくさんあったんだけど、それをバンドで表現する方法がわからなかった。力不足だったんだよね。自分たちが持っていたスキルの範囲内でしか表現できなかったんだけど、やっていくうちに、いろいろ見えてくるものが出てきて。それを繰り返していくうちに、自分たちの本当にやりたかったことの幅が広がって、今に至ります。

緋遊:少しずつ変わっていったよね。

悠希:誰かの真似やリスペクトもいいんですけど、Initial'Lの5人で音楽をやってきて約2年、新しい自分と向き合えるようになったと感じますね。このバンドがアーティストとしての自分たちを見つめ直せる場所になったと思います。自分たちの気持ちの在り方が変わったから、外からの見え方にもだいぶ変化があるのかな。

サトシ:僕たちの音楽を聴くことで、さらに僕たちの好きな音楽にも触れてほしいんだよね。あと個人的には、バンドのスタイルが変わり続けるなかで、自分はスタイルを変えずにどこまでやれるのかという、勝手にバンドと自分が戦っているみたいな。そういう楽しみ方もしていますね。

-では、みなさんのルーツや好きな音楽は?

一朗:この流れで言うのもアレなんですけど、僕、ルーツが全然なくて(笑)。楽屋でドラマー同士が挨拶するときって基本"好きなドラマーって誰ですか?"から始まるんですけど、そういう対象がいないんです。例えば、サトシは見た感じで、すごくSLASHが好きだということが伝わりやすいじゃないですか(笑)。

サトシ:そうだね!

一朗:誰かにすごく憧れて始めたわけではない。ただ学生時代にバンドをやろうとなったときに、たまたまドラマーがいなかったから......みたいな。だから、バンドから求められているグルーヴを出せるのが理想ですね。普段聴いているのは洋楽が多いですけど、洋楽/邦楽を問わず、"これがめっちゃ好き!"みたいなバンドはいないですね。"いい曲はいい"というスタンスでいろいろ聴きますし、西野カナとかも聴きます。

ZERO:僕も誰かに憧れて始めたってわけではなくて、ただ曲を作ったり、音楽をみんなで演奏したりするのが好きだったんです。曲に関してもギターに関しても、ルーツがないのがルーツっていうくらい、ないですね。最近はEDMを聴くし、アニソンも好きですし、なんでも聴きます。

緋遊:僕もバンドを組もうってなったときに、ベースだけがいないから誘われて......という(笑)。最初はX JAPANやL'Arc~en~Cielのコピバンから始まって、ベースを始めて1年も経ってないのに、L'Arc~en~Cielのtetsuyaさんが使っていたアンプ・ヘッドやキャビを買ったり、コピーしたりしていたんですけど、初心者には難しすぎて"こんなんできるか!"と心が折れて(笑)。そのあと、Janne Da Arcのコピーを経て、より濃いインディーズ・バンドの方に流れていった感じですね。最近はメンバーの影響でいろいろ聴いていますし、マネージャーの影響でONE OK ROCKやMY FIRST STORYも聴いていて、一緒にライヴに行ったりしました。

サトシ:俺はただのロック好きなんで、12年くらい前に名古屋でやってた激ロックのDJイベントにも遊びに行って、モッシュしてましたよ!

悠希:僕が影響を受けたのは、清春さんですね。本当に好きすぎてリスペクトしていたんです。Initial'Lになってからも、プロデューサーに歌い方の癖を指摘されるんですけど、どうしても抜けなくて。染みついちゃったんですよ(笑)。

-そうはおっしゃっても、悠希さんのヴォーカル・スタイルも徐々に変わってきていると感じています。Initial'Lになって、周囲のスタッフの体制も変わったと思いますが、プロデューサーらの意見は素直に取り入れる方ですか?

悠希:客観的な意見って、僕からすると"やだな!"と思うこともあるけど、意外な発見もある。他人の意見も大事だと感じます。

ZERO:見え方の違いもありますよね。周りのスタッフにライヴを見てもらって"ここが「ザ・ヴィジュアル系」な部分だから、方向を変えたいならこうした方がいいよ"みたいな。ヴィジュアル系のスタイルが染みついてるので、自分たちでは見えなかった視点はたくさんありますね。