INTERVIEW
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2018.09.12UPDATE
2018年09月号掲載
Member:悠希(Vo) サトシ(Gt) ZERO(Gt) 緋遊(Ba) 一朗(Dr)
Interviewer:藤谷 千明
-方向を変えたいというのは近年の活動からも伝わってきますが、その一方で"過去は捨てました!"というわけでもないですよね。
ZERO:まったくないですね! 自分たちがヴィジュアル系だけに留まりたくない、違うジャンルも見てみたいっていうだけで、過去を否定する気はないです。
-そして新作『INITIALIZE』は、開かれた印象があります。本作で掲げられているフューチャー・ベースならぬ、"フューチャー・ロック"というのは?
悠希:ロック・シーンに新たなジャンルを確立できたらいいな、という表明ですね。
サトシ:今って、細かくジャンル分けされていて、例えばLycaonのころは、他のジャンルのイベントに出られなかった。実は、バンドをやってる人同士ではそういう壁は少ないと思うんだけど、シーンを作り上げている大人たちがそういう色眼鏡で見ているんじゃないかなと思って。そういうものを壊したい。それが、俺たちがバンドをやる理由のひとつであって、"フューチャー・ロック"にはそんな意味も込められています。いろいろ壊したいことがたくさんあるよね。
悠希:ジャンルもそうだし、自分たちの中にある固定概念も壊したい。それはサウンド面でももちろんそうで、新しいものを作ることが"フューチャー・ロック"というか。
サトシ:"ただのロック"では終わりたくないんだよね。
-EDMからラテン要素まで、様々なサウンドが盛り込まれていますが、バンド・サウンドとの両立、アレンジ面で苦労したことはありますか?
ZERO:ギターを入れにくいってことですね(笑)。
-ダンス・ナンバーかと思いきや、すごくハード・ロック・テイストのギター・ソロが入っていたりしますよね。
サトシ:それが、さっき言ったような"俺とバンドが戦っているところ"なんですね(笑)。毎回曲を作るたびに、どこまでねじ込めるかを勝負しています。
-擦り合わせは?
サトシ:そんなのないですね!
ZERO:それを聴いて、みんながカッコいいなって思ったらOK! みたいなノリです。
悠希:今回のアルバムは、いい意味で"ヤケクソ"なんですよね。
一同:(笑)
悠希:いい意味でですよ!
-みなさん笑ってますけど、それは"同意"という意味ですか?
一朗:今のは"そうだったんだ"っていう笑いですね(笑)。
悠希:僕の中では今回のアルバムは、こだわりがあるように見えて、そこまでこだわりがないんですよ。作り込みすぎても面白くないことに、最近ようやく気づいたというか。
-これまでリリースされた作品は、スタイリッシュで洗練されている印象がありましたが、本作には「CALLING」のようにライヴを想定したコーラスをふんだんに取り入れている曲が多いのも特徴ですね。
ZERO:今回はみんながライヴを楽しめるようなノリの曲がすごく多いですね。
緋遊:作品を出していくたびにコーラスが増えていく(笑)。
悠希:自分たちがライヴを重ねていったり、いろんなバンドのライヴを観たりしていて、こういったテイストがライヴの空気感作りに必要だなと感じたんです。
緋遊:毎回ライヴが終わったあとに話してるもんね。"こういう曲欲しいね"みたいな。
-みなさんで喧々諤々やってるんですね。
悠希:スタジオでみんなで話し合ってやってますね。ひとりの人間のスキルがめちゃくちゃ高かったらそういうこともないのかもしれないけど、全員ちょうどいいくらいの、スキルのなさというか(笑)。
サトシ:凸凹なんですよ。
悠希:ないところを補ってもらってるんですよね。僕はギターは弾けないけど、シンセの打ち込みとかはできるから、サトシにギターを任せることができる。そんなふうにできあがっていく。
一朗:Lycaonのころからそうだったんですけど。
-足りないものがあるからこそ、みんなで補い合っていると。仲良さそうですね。
緋遊:っぽく見られますね(笑)。......嘘です、仲いいです。
悠希:だいたいみんなでひーくん(緋遊)をいじめてます。嘘です(笑)。