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INTERVIEW

FABLED NUMBER

2018.06.14UPDATE

2018年06月号掲載

FABLED NUMBER

Member:Eita(Gt/Vo) Taichi(Ba/Cho)

Interviewer:杉江 由紀

-ちなみに、ヴォーカリストであるEitaさんからしても、ダンス・ミュージック色の強い楽曲と、アッパーなラウド系の楽曲では向き合い方がきっと大きく変わってくると思うのですが、Eitaさんとしては「I Bet My Life(or Death)」という曲の中で、どんなヴォーカリゼーションを実現したいとお考えでしたか。

Eita:自分の持っているいいところをどれだけ引き出すことができるか? という点をまずは強く意識しました。「I Bet My Life(or Death)」みたいな勢いのある曲やからこそ出せる声質とか、声の高さとか、あるいは、それによってさらに響くようになる歌詞とか。そういうたくさんの要素を、今回は限界ギリギリまですべて出さんとあかんな! という、ちょっと使命感とか責任感みたいなものも感じてはいましたね。

-そういうことでしたか。

Eita:別に僕はシャウトをするわけでもないし、とんでもないほどハードな展開の曲をやるわけでもないですけど、でもFABLED NUMBERが今の立ち位置でラウド・バンドとしてやっていきたい気持ちがあるのは間違いないし、それこそ激ロックさんの読者の方たちにも支持されたらええなぁ、って純粋に思うんですよ(笑)。もちろん、載ってるバンドさんたちにはそれぞれの個性があるでしょうけど、例えば(※激ロック5月号を見ながら)表紙になっているFear, and Loathing in Las Vegasさんが好きな人たちの多くは、他のページに載ってるバンドもいくつかは好きだったり、興味があったりするはずですよね? 大枠で見たときに、ラウドなロックが好きな人たちに今回の「I Bet My Life(or Death)」は届いてほしいし、この曲を楽しんでもらえたらええなぁと僕は思ってます。

-なお、EitaさんとTaichiさんはご兄弟でもあられます。おそらく、今回も互いに細かい意思疎通がなされたなかで作品を仕上げていくことになったのでしょうね。ちなみに、兄弟でバンドをやっていくうえでのメリット/デメリットについてもここで少しうかがってみたいのですが、よろしいでしょうか。

Eita:最大のメリットはやっぱり、一緒に育ってきたんで音楽の好みが基本的に一緒なことでしょうね。

Taichi:そこは大事やな。音楽の話をするうえで、あまり手間がかからんというか。

-その一方でのデメリットは特にありませんか。

Taichi:音楽的なもんやったら、特になんもないですよ。他にあるとしたら、兄弟やからこそあんま話せへんような話題ってあるじゃないですか。他人に対してはあんまり感じへんことでも、兄弟やからこそ見たくないところもずっと一緒にいてると見てしまうみたいな。そういうときはたまに、"イヤやわぁー"って思ってもうたりすることがあるかもしらんです。俺はね。

Eita:デメリットねぇ......バンドをやっていくうえでのことは思いつかんし、仮に兄弟同士じゃなくても相手によって接し方ってそれぞれ変わるのが普通やと僕は思ってます。Betch(Dr)君にはこの話はするけど、あの話はせぇへんなとか、Taiちゃん(Taichi)にはこの話はするけど、あの話はせぇへんなとか。そういうことはいっぱいあるので、あんまり兄弟だからどうっていうのはないと思います。

-なるほど。それから、「I Bet My Life(or Death)」の歌詞についても少しご説明をいただきたいのですが、こちらはいつどのようなタイミングで乗せたものなのでしょうか。

Taichi:最初にほんま簡単な、アコギとドラムくらいしか入ってないオケをEitaに送って、それに歌と歌詞をつける感じやったよな。

-なんと。仕上がった曲自体は音数の多い緻密なサウンドになっているものの、当初はそんなにもシンプルだったとは!

Eita:そこがまさに、兄弟だからこそできるところでしょうね。最初どれだけシンプルだったとしても、やるべきことがそこからちゃんとわかるというのが。

Taichi:そんなに入念な話し合いをすることもなく、ここまでやってこられたのは明らかに僕らにとっての利点ですよ。これをひとつひとつこと細かに話し合ってからやっていたとしたら......って考えると、むっちゃ時間短縮ができてる(笑)。

Eita:そらそうやな。そこはほんま、他のメンバーと比べても話のやりとりをする時間は圧倒的に短いです。"Taiちゃんは今、俺にこういうことを求めてきてるな"とか、"俺は、それにどうやって応えればいいのか"っていうところまでが、以心伝心みたいな感じでほとんどの場合で瞬時にわかるんですよ。

-「I Bet My Life(or Death)」の歌詞では、限られたポイントのみ日本語が使われていますよね。大半が英語詞であるなか、このような手法をとった理由はなんでしたか。

Eita:そこに関してだけは、Taiちゃんから"全編英語でやろうぜ"っていうことをあらかじめ言われてたんやけど、詞を書いている途中からサビの部分だけは強い力を持った日本語にしたいなぁ、という気持ちになっていったんですよ。あのメロディの部分だけは、英語詞を普通に乗せてしまうともっちゃり(※大阪弁で"ダサい"の意味)してしまいそうやったんですね。だから、ちゃんとTaiちゃんからOKが出そうな言葉を考えながら選んでいきました。そうしたら、ちょっとそこは少し悩んだみたいなんですけど、最後はTaiちゃんもOKを出してくれたんです。たとえ日本語であっても、曲としてかっこ良く成り立っていればそれでええというところで意見が合致したんやろうな、と思います。

-もしや。時には、できた詞の内容を受けてサウンドを変えることもあったりして?

Taichi:あります! もっとここで言葉や歌を強く訴えるためには、音をこうした方がええやろなということでアレンジを変えることは、この曲でもありましたよ。

-なるほど。そして、この曲にこの詞で歌うヴォーカル・ラインは一聴しただけでも相当な難易度になっていそうです。まず、滑舌の良くない方はこれを歌えないでしょうね。

Taichi:あー、それはそうでしょう(笑)。

Eita:もはやもう、レコーディングのときは"ライヴのことなんて考えてたらやってられへん!"っていう感じでしたよ。本来あのキーも、ライヴでやることを考えたらちょっときついところにあるんです。でも、そんなこと言うてられへんから"なんとかして録ってまえ!"って歌いましたからね。

Taichi:キーの高さ的に言ったら、今までやってきた曲の中で一番高いもんな。しかも、そこがこの曲の完全なアッパー・ポイントになってるんですよ。サビから始まって、いきなり激しい感じでワーッといって、歌のテンションもめっちゃ高くて、楽器も最大ボリュームでガーンといく。ここまでの攻め方をした曲は、我々にとって初めてやったんですよ。