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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

彼女 IN THE DISPLAY

2018.05.21UPDATE

2018年05月号掲載

彼女 IN THE DISPLAY

Member:RYOSUKE(Vo) 海 THE KID(Dr)

Interviewer:山口 智男

ラウドロックをベースにしながらも既存のスタイルにとらわれない、新世代のJ-ROCKを追求する福岡の5人組、彼女 IN THE DISPLAYがいよいよメジャー・デビュー。メジャーからのリリース第1弾となる『get up』は、これからの未来に向けて自らを奮い立たせるようなリード曲「STAY KID」をはじめ、それぞれに異なる魅力を持った全6曲が新たな決意とともにバンドのポテンシャルを改めてアピール。これからロック・シーンをザワつかせるに違いない彼らの名詞代わりの1枚となっている。早速バンドを代表して、RYOSUKEと海 THE KIDに話を訊いてみると、このタイミングでバンドは初期衝動を取り戻しているという興味深い答えが返ってきた。

自分たちのルーツやオリジナリティをもっと前に出してもいい


-もう、ライヴでは『get up』の曲を演奏しているそうですね。

海:ガンガンやってます。新曲って言わずに1曲目からいきなりやっているんですよ。

RYOSUKE:お客さんの反応もめっちゃいい。こっちが煽る前から、みんなダイブしてくれて、手応えを感じてます。

海:今年の3月ぐらいに『get up』を録り終わって、そのころからライヴに対する自分たちの気持ちが変わってきたんです。もっともっとやっていいんだってことがわかってきたっていうか、メジャーだから枠にハメられると思ってたら、むしろ逆で、枠を外してもらえたので、もっと自分たちのルーツとかオリジナリティとかを前に出してもいいんだって。そういう話をメンバーとしたときに、じゃあ、もっともっと振り切ったライヴをしていこうってなったんです。

RYOSUKE:このバンド、もう8年ぐらいやっているんですけど、8年経って、ホント、初期に戻ったみたいなところがあるんです。

海:昨日も話していたんですよ。結成1年ぐらいで、地元の200人ぐらいのキャパの箱でワンマンをやったことがあって、そのときのことを思い出すよねって。当時はもう勢いだけでやってた時期で、そのころの初期衝動感をライヴで感じてますね。

RYOSUKE:マジ、ぐちゃぐちゃだったと思うんですけど、熱量だけはすごかったですね。

海:そうそうそう(笑)。

RYOSUKE:"(ステージの前に)柵がないけど、どうする?"って箱の人がソファーを用意してくれて――

海:客がダイブしてはソファーに落ちる(笑)。

RYOSUKE:しまいにはソファーがぶっ壊れるっていう(笑)。

-メジャー・デビューのタイミングで、そのころの初期衝動を取り戻せたのは大きな意味があるんじゃないですか?

海:すごく良かったと思います。

RYOSUKE:擦り切れた時期もあったんで、なおさらそう思います。"どうする?"って考えたときに、やりたいことをやるのが一番じゃねって各々が思ったタイミングが被ったんでしょうね。

-じゃあ、メジャー・デビューする現在の心境も――

海:楽しみでしかないです。今、調子いいですからね(笑)。ただ、実感はまだあまりなくて。たぶんリリース日が近づいていけばどんどん感じていくのかなと思いつつ、もっともっとできることが増えるんだなって思ってます。

RYOSUKE:そこはわくわくしています。自分たちがただやりたいって思った気持ちから始まったものがどれだけ大きくなるのか楽しみです。それの切符を貰った感覚なのかな。だから俺らはもう突っ走るだけで、あとは大人がバックアップしてくれるのかなって(笑)。

海:インディーズのころは、全部自分たちでやらなきゃいけなかったんですよ。正直、やりたいことをやるために喋りたくない人と喋らなきゃいけないこともあったし、やりたくないこともやらなきゃいけなかったし。

RYOSUKE:ぶっちゃけますね(笑)。

海:今は、"これやりたいんですよね"って言うと、"それやろうよ"って言ってくれる人がいっぱいいるんですよ。だから、自分たちから発信すれば発信しただけ、チームみんなの原動力になっていくと思うし、スタッフのみんなを勢いづかせるために、今の俺たちのライヴのやり方があると思うし、こんなライヴをやってくれるなら頑張れるって思ってくれるに違いないと信じられるというか。

-さて、『get up』は異なる魅力を持った全6曲が収録された1枚となりました。

海:前作(2017年にリリースしたミニ・アルバム『GOLD EXPERIENCE REQUIEM』)に引き続き、プロデューサーとして江口 亮さんに入っていただいたんですけど、今回は最初の取り組みとして、曲がまだない段階で、1曲目から6曲目までそれぞれ、"このフェスに出たいんだったらこういう曲がいい"みたいなテーマとなんとなくの曲名をまず決めて、それに合わせてメンバーだけで作ったり、江口さんに福岡まで来てもらってセッションしたりしながら作っていったら、自然と今回の振り幅ができていきましたね。もともと、ひとつのジャンルに固執してなかったんですけど、それが今いい感じにラウドロック・ベースで振り幅があるみたいな感じになっているのかな。

RYOSUKE:決まりごとがないぶん、1曲1曲の棲み分けだけしっかり決めたうえで考えていきましたね。

海:振り幅があるって武器でもあるんですけど、弱点でもあるっていうか、行きすぎちゃうときがあるんですよ。ラウドで始まったのにジャズで終わるみたいな(笑)。だから、最初に枠を決めた方が、ズバっとかっこいい曲になるんですよ。

RYOSUKE:作り方としては前回とそんなに変わらないんですけど、自分らのルーツをこれまで以上に辿っていったのが今回だと思います。