－そして、今回初のリリース作品ということになりますが、今作『ROUGE NOIR』というアルバムには、どのようなテーマがあるのでしょうか？

実は自分でもびっくりなんですけど、まったくないですね！ ただ憂鬱で悲しくてイメージが"赤と黒"というだけなんですよ。楽曲面では"全曲キラー・チューンを目指す"という金太郎飴状態になりかねない内容なのですが、ベスト・アルバムのような感覚で聴いていただければ幸いです。

－楽曲制作は、どのようにして行っているのでしょうか？

私の楽曲は8割打ち込みなので、ほとんどがCubase内で完結しています。基本的にはコード進行が小室（哲哉）進行か4度進行のメイン・メロディを基盤に、他のフレーズを足していく作り方です。そして家にいるときは無意識に長時間オリジナルの鼻歌を口ずさんでいると思います。やはりメロディを練るためには長時間それについて考える必要がありますね。まるでアスリート精神ですよ。そして全体像を作るときはピアノかPSG音源を使っています。音の輪郭がはっきりしているので全体像を把握しやすいです。

－今作はゲスト・ギタリストとしてGYZEのRyoji（Gt/Vo）さんが参加されていますが、彼のギターは今作にどのような影響を与えていますか？

まずZemeth生誕に多大な影響を与えたのがGYZEなんですよ。Ryojiさんとは頻繁に連絡を取っていまして、アルバム制作のHow toはほとんど彼から教わりました。また、私の精神面など気にかけて助けてくださって、本当にゲストという肩書き以上にZemethを支えてくださりました。ギターに関してですが、「SCARLET NIGHTMARE」（Track.9）という楽曲にソロを提供していただきました。タッピングやスウィープを織り交ぜた、とてもクールなソロです。私のギター・ソロのタイプとはまた違う雰囲気なので、かなり大きな存在感を放つソロだと思います。

－他にもゲスト・アーティストとして参加されているメンバーはいるのでしょうか？

いないです。

－レコーディングは個々に行われたのですか？

最初に私がデモを送って、そのあとRyojiさん宅で相談しつつ、大まかなフレーズの路線を話し合って、完成したフレーズを送っていただきました。

－リリース後は、サポート・メンバーを集めてライヴ活動を行うことは計画されていますか？

まだ考えていません。なにせライヴでの表現がかなり難しそうなので......。しかし、可能性はゼロではないです。リスナーの方々がライヴを望んでくださって、体制を整えることができたならばぜひやりたいです。

－日本的でありながらも、どこかオリエンタルな雰囲気もあり、無国籍な印象のZemethの楽曲は、海外でも注目を集められそうですが、GYZEのように海外へ活動の幅を広げることは視野に入れていますか？

はい。特にヨーロッパは憧れの地なので。ただ自分自身が現地にいなくても、楽曲を海を越えて海外に届けることは可能なので、どのように活動を広げていくかは今後の考え次第です。日本的な要素で海外の方々に感動を与えたい気持ちが強いですね。ただ表現者として、実際にいろいろな場所に行って各地の音楽的な要素を吸収したいので、海外との繋がりは今もかなり大切にしています。言語の勉強は苦手ですけどね！

－今後の具体的な活動予定や、将来的な展望を教えてください。

現在は2ndアルバムをできるだけ早いリリースができるように鋭意努力しております。また、私ひとりのプロジェクトなので、その軽いフットワークを生かして、いくつかのミニ・アルバムの発表や、メタル以外のジャンルの制作なども予定しています。あとは、音楽制作依頼をいただければ積極的に引き受けたいです。おそらく状況によって徐々に活動の幅が広がっていくと思います。ただ、変わらないのは"最高のメロディを作る"という目標ですね。常にその信念のもとに活動していきます。

－ありがとうございます。最後に、激ロック読者へのメッセージをお願いします。

激ロックをご覧のみなさま。ZemethのJUNYAと申します。Zemethは最高のメロディを生み出すためのプロジェクトです。まだ手探りの段階で稚拙な部分が多々ありますが、今後もっとハイクオリティな楽曲をこの世に残します！ 人生に憂鬱を感じてる人をメロディで支えたいと思っています！ とにかく聴いてください！