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INTERVIEW

KAMIJO

2017.05.01UPDATE

2017年05月号掲載

KAMIJO

インタビュアー:杉江 由紀

クラシックな感じは強いけれども、実は音の構造として最先端を行っているのが「カストラート」


-そのようなメッセージとストーリーが詰まった表題曲「カストラート」(Track.1)を、音楽として仕上げていく際にKAMIJOさんが重視されたのはどんなことでしたか。

具体的に言うと、まずはサビのメロディから作っていったんですが、それがある種ポップ且つ哀愁を含んだ自分的な王道要素の色濃く詰まったものだったんですね。

-いわゆるKAMIJO節が漂っているのは間違いありません。

そこはもちろん変えたくなかったんですけど、一方ではもっとドラマチックな音、サウンドトラックのようなスケール、劇伴のようなニュアンスを持ったメタルでありロックにしたかったので、あえていったんサビのことは忘れて新たに曲の冒頭から作り直す、という手法をとっていきました。

-急がば回れ、の方法論を選択されたわけですね。

まずはストリングスのスピッカートを立ち上げて、そこから鍵盤で"こんな感じかな"と弾き始めながら、そのうちにいつの間にか拍子も変わって、キーも変わって、コード進行にも縛られないような曲ができていったんですよ。というのも、普通にコード進行を感じさせてしまうようなつくりの曲にしてしまうと、その途端に"劇伴感"が損なわれるような気がしたんです。そこを自分なりのルールとしながら、「カストラート」はいろいろな試行錯誤を重ねてできていった曲でした。この曲に関しては安定感の類いはあまり求めていなかったし、いかにスリリングに展開していけるか、というのが最も重要なポイントだったんです。たぶん、聴いている人たちからするとBメロに入ったあたりでやっと安心できるような構成になっているんじゃないかと思います(笑)。

-ギター、ベース、ドラムについては、必然的にそのあとに適宜アレンジをしていったことになりそうですね。

そうなんです。特に、当初ドラムに関しては生ドラムのことは何も考えずに作っていたので、実際のレコーディングの現場ではかなりプレイヤーに苦労をさせることになってしまいました(苦笑)。要するに、この曲を仕上げていくうえではジャンル的なところでのシンフォニック・メタルだとか、なんちゃらロックだとか、そういう言葉に一切とらわれることなく、自分の頭の中にある新しい理想の音を、ありのままにかたちにしていくことが最も大切だったんです。自分の頭の中で鳴っている音だけを、ひたすら信じて追求していた感じでしたね。

-"Epic Rock Orchestra"と銘打たれているだけあり、「カストラート」の音は単にクラシカルというのともまた違う鮮烈な音像として響いている印象です。

前まではオーケストレーションを考えていくときには、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと細かく入れていたんですよ。今回は、そこを思い切って2本にしちゃいました。

-本数は減っているのに、音の奥行きやスケール感が増しているとはすごいですね。

そこは、バンド・サウンドとのバランスでこうなるんですよ。雰囲気としてはクラシックな感じはかなり強いけれども、実は音の構造として最先端を行っているのが「カストラート」という曲なんです。

-ちなみに、今回のレコーディング・メンバーがどなただったのかという詳細も教えていただけますか。

リズム隊はVersaillesのMASASHIとYUKIです。ギターは、基本的にライヴでもやってくれているMeku君が弾いてくれていますが、1ヶ所だけソロはAnziが弾いてくれました。付き合いも長い人間ばかりだし、彼らのプレイは僕の作る楽曲との相性がいいんです。

-それにしても、これだけ音が重厚になってくると、その中で歌っていくことの難易度は確実に上がっていくはずですよね。「カストラート」を歌で表現していく際に、KAMIJOさんが最もこだわったのはどんな点でしたか。

曲を作り出したときから、「カストラート」については英語の歌詞が頭の中で鳴っていたんですよ。MVを作るときに、洋画のような感じで日本語字幕をつけたかったというのもあるんですけどね(笑)。そういう意味では、サビ以外のメロディは最初から英語で歌うことを前提で作っていたので、それぞれの単語が結果的にひとつの文章として聴き手にしっかりと伝わるように歌う、ということは意識していました。

-「カストラート」のヴォーカリゼーションを聴かせていただいていると、場面によってはオペラに近い色づけを感じる部分などもあるように感じます。発声の仕方という点で、KAMIJOさんなりのメソッドはあるのでしょうか。

それが、何もないんです(笑)。そもそも、僕がヴォーカリストとして最初に影響を受けたのは氷室京介さんだったんですが、それ以降にも数々の素晴らしいヴォーカリストの方たちの歌を聴いてきましたし、きっとそれらの影響も受けてはいると思うものの、じゃあ具体的に名前を挙げさせていただいて、その方のようになりたいのかと言うと特にそういうことではないですし。それこそ音楽性と同じで、歌に関しても僕は特定の枠組みは特にいらないんじゃないかと思っているんですよね。