INTERVIEW
KAMIJO
2015.07.13UPDATE
2015年07月号掲載
Member:KAMIJO (Vo) Meku (Gt)
Interviewer:荒金 良介
-今年はKAMIJOさんのキャリア20周年を迎えるアニバーサリー・イヤーということもあり、2ヶ月連続リリースで音源を出す形になりました。まずは6月にはオールタイム・ベスト、そして今回はリヴァイヴァル・ベスト(リテイク・セルフ・カバー+新曲)が出るということで、リヴァイヴァル盤を軸に話を訊きたいと思います。そもそもこのアイディアはいつごろに浮かんできたものなんですか?
KAMIJO:昨年末に来年は20周年になるので、ワールド・ツアーをやろうと。その時点で20周年記念作品として新しく録音したリヴァイヴァル・ベストの制作が決まり、そのあとにオールタイム・ベストの発売が決まりました。
-リヴァイヴァル盤の方が先に決まっていたんですか?
KAMIJO:そうですね。それが決まったあと、20周年を盛り上げる意味でも昔の作品を集めたオールタイム・ベストを出そうと。
-20周年という大きな節目もあり、新しいファン層に届けたい気持ちも強かったのでしょうか?
KAMIJO:特に今回のリヴァイヴァル・ベストは、今までこんなにいい曲を昔もやっていたんだよ、ということを伝えたくて。それでMeku君はライヴでも弾いてもらっているけど、今回のレコーディングにも参加してもらい、彼のかっこいいギター・サウンドと共に僕の曲をよみがえらせたくて。今までのファンはもちろん、もっと多くの人に僕の楽曲を聴いてもらえる機会を作りたいと思いました。
-不特定多数の人に届けようと?
KAMIJO:今回のようにわかりやすい形で作品として残せば、ライヴに来れない方にも楽しんでもらえるし、ラジオでかけてもらえる機会もできる。それでこの作品を作りました。20年間活動する中で多くの人に聴いていただけた時期と、そうではなかった時期があったんですよ。だけど、今は多くの人に聴いてもらえるタイミングなのかなと。昔の武器(楽曲)も今の武器として届けたくて。
-今回、制作するうえではおふたりで何か話し合いをしたんですか?
KAMIJO:Meku君は僕がライヴをスタートしたときからずっとギターを弾いてくれてて。今回もLAREINE、NEW SODMY、Versailles、ソロの楽曲を弾いてもらってるんですよ。彼は生粋のメタラーなので、ライヴだけじゃなく、作品にもその色を出していただき、より良い作品が作れたと思います。
-Mekuさんは話を振られたときはどう思いました?
Meku:即答で"ぜひやらせてください!"と。最初はライヴのお誘いだったけど、音源にも参加できて光栄ですね。
-ライヴを重ねる中で、お互いの関係性に変化は?
KAMIJO:性格が似てることが良くわかりました(笑)。
Meku:ツアー中に話したりするけど、バンドに対して求めることが一緒だったりして。
KAMIJO:僕はソロでやっているので、セットリストやサウンドの方向性に関しても、 Meku君がいることで一緒に物を作る楽しさを感じることができるから。バンドのいいところもソロ活動でやれてます。最初の方はギター・フレーズもある程度、僕の方で作って渡していたけど、今では結構Meku君に任せてますからね。
-Mekuさんに委ねられるようになってきたと。
KAMIJO:Meku君は自分が作った以上のものを返してくれるし、そこでまた信頼関係が生まれますよね。これ、ツアー中にふたりで話したことと一緒かもしれない(笑)。それがミュージシャン同志の信頼に繋がるし、感謝にも繋がりますからね。その繰り返しですね。
Meku:海外含めてツアーを回ると、一緒にいる時間も長いですからね。曲作りのときは音楽以外の人間性もあるじゃないですか。曲作り、人間性の面で共感する部分が大きいですね。
KAMIJO:ただし、音楽の感性が優れた人と、人として大好きで常に一緒にいたい人がいて、どっちを取るのか。バンドだったら、おいしいお酒を飲めて、一緒に音楽の話で盛り上がってステージに立つ人もいると思いますけど。僕とMeku君はそうじゃないよね、という話をしてたんですよ。例えばどんなに良い奴でも最高の音を出せないなら、一緒に音楽をできない。
-まず音楽的にリスペクトできないと関係性は成り立たないと。
KAMIJO:お互いのキャッチボールの中でどれだけすごい球を投げてくるのか。それが音楽の一番コアな部分だと思うんですよ。それを飛び越えた関係性は作れない。ソロに関してもお互いに刺激し合える関係ですからね。いかに一緒に音楽を作ってる人間をサプライズさせられるか。それが楽しくて、音楽をやってるのかもしれない。
-今作の制作でもそういう場面はありましたか?
KAMIJO:Track.5「蝶の花」はすごくポップな曲だけど、そこにクラシカルなギター・ソロを入れて来たときはさすがだなと思いました。あと、ギターの一番の聴かせどころはTrack.10「God Palace」ですね。このギター・ソロはサウンドというより、精神面が出てるギターだと思うんですよ。これはVersailles時代の曲で、アレンジもほぼ変えてないけど、ギター・ソロは好きにやってくれと。大変だった?
Meku:そうですね(笑)。曲も10分あるし、KAMIJOさんの中でそのまま活かしたいという部分と変えたいという部分があり、そのままのフレーズもすごく難しかったですからね。チューニングも半音下げの曲で、KAMIJOさんのソロ曲は一音下げが多くて、ライヴのことを考えると、半音下げの曲を一音下げで弾くという。レコーディングはそういう形でやったから、違う大変さがありました。ある意味、訓練になりましたね(笑)。
KAMIJO:音源とライヴはあまり分けてなくて。ライヴだから簡単にしようとも考えてないし、ライヴも音源通りにやらなきゃいけないとも思ってない。できる限り音源以上のものをライヴでは届けたいですけどね。
-今回のレコーディングに臨むうえではどんなことを考えました?
KAMIJO:Meku君とは基本的にギターのことを話して......今回Track.2「Imperial Concerto」だけ先行配信してるんですよ。その先行配信の曲はキャビから鳴らしてる音をマイクで録ってるけど、それ以外は全部フラクタルの音なんですよ。
Meku:キャビを使わずにラインだけで録ったんですよ。自分的に初めての経験だったので、満足してます。