INTERVIEW
HEAD PHONES PRESIDENT
2017.05.16UPDATE
2017年05月号掲載
Member:ANZA(Vo) HIRO(Gt) NARUMI(Ba) BATCH(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-このへんで本題に入りたいと思います。今作では初心を思い出したと言ってましたが、具体的にはどういうふうに進めていったんですか?
ANZA:いままではHIROが骨組みを作ることが多かったけど、今回はNARUMIが作った曲も採用されたんですよ。それこそ、NARUMIが作る曲は00年代のニューメタルみたいな曲調で。
-今作で言えば、「Counterfeit」(Track.2)みたいな曲ですか?
NARUMI:そうです、そうです。
ANZA:若い世代のバンドで、あのころのミクスチャーの要素を持ってるバンドが最近増えてるんですよ。私たちは懐かしい匂いを感じるけど、お客さんは聴いたことがないジャンルだねって。それを聞いて、"あぁ、1周したんだな"と。だから、ザ・NARUMIみたいな曲も欲しくなったんです。前作までは作り込んでいたけど、シンプルな感じでやりたいねって。
-自分たちのルーツを素直に出してみようと?
ANZA:シンプルにやりたいことをやろうって。HIROはニューメタルよりも、もう少し古いLAメタルとかが好きで。私とNARUMIはKORN、LIMP BIZKITとかミクスチャーが好きですからね。でもNARUMIがリフの骨組みを作って、HIROがアレンジすることで、また違うものができるんですよ。詰め込みすぎるHIROがシンプルに返してきたことには驚きました。
HIRO:NARUMIのシンプルなデモがいいなと思ったから、これはあまり手を加えない方がいいなと。だけど、難しかったです。NARUMIの弾き方はワイルドなので、その感じを出すのが大変でしたね。
ANZA:あと、今回は練習せずにレコーディングに臨んだので、すごく過酷でした。しばらくライヴをやってなかったとはいえ、自分の声だから出るだろうと思ったけど、シャウトってどうやるんだろ? って(笑)。ライヴをやらないと、心も身体も腐っちゃうんだなと思いました。ほんと自信なくしちゃって。
-制作はデータのやりとりで進めたとはいえ、今作はバンド感や生々しさがすごく伝わってきましたよ。
ANZA:ほんとですか?
HIRO:そうなんですよ。ギターもいままでと比べてシンプルだし、ダビングもそこまでやってなくて。ギターの音はこれまでの中で一番いいんじゃないかな。今回からスタジオを変えたので、歌も生々しさが出てると思います。
ANZA:でも慣れなかったんですよね。過去の作品と比べても、何か違うんじゃないかって。だから、どんな印象を持たれるのか、読めないんですよ。
-今作はクラシック・ロック、ニューメタルの二大要素が色濃く出ているなと。
HIRO:滲み出ちゃったんですかね。全然意識してないんですけど。
-今作はBLACK SABBATH、LED ZEPPELINみたいな色合いの曲調もありますよね?
HIRO:そうなんですよ。最近みんなに"これBLACK SABBATHじゃない?"って、メールしたんです。作ってるときはまったく意識してなくて。すげぇ暗くて、ヘヴィな曲がないとバランスが取れないと思って作っただけなんですけどね。BLACK SABBATHはそこまで大ファンではないけど、LED ZEPPELINは好きですから。「Around the World」(Track.5)はドラムのリズムがそういう感じだったんですよ。
-曲名はRED HOT CHILI PEPPERSみたいですが。
NARUMI:あっ、そうですね(笑)。
HIRO:ベースはNARUMIにFleaみたいに弾いてくれと言いましたからね。
ANZA:私たちも時代を作ったバンドを聴いて育ってますからね。それをヘンに隠すよりも、"あっ、そうだよ!"と言った方がかっこいいんじゃないかと。好きなものは好きなんだし、そこで自分たちの色を出せないのは自分たちのせいですからね。17年やってきて、自分たちの色を出せるようになったのかなと。いままではKORNと言われることもあったけど、ここに来てBLACK SABBATH、LED ZEPPELINと広くなったのはバンドの成長なのかなと思いました。
-オマージュもありつつ、HEAD PHONES PRESIDENTの個性は楽曲にちゃんと出てると思います。それこそ、海外のバンドはもっと素直に自分の音楽ルーツを出してますからね。
ANZA:そうですよね。
-あと、ANZAさんの歌声も1曲の中でスクリームと優しい歌声を使い分けていて、起伏激しい歌い回しも聴き応えがありました。
ANZA:いままでは高いキーばかり歌ってきたけど、今回はキーの低い曲が多かったんですよ。なので、いままで出したことがなかった声色になってるのかなと。それとメロディアスなパートも増えて、曲が求めているものに純粋に従ったからじゃないですかね。
-今回のドラムに関しては?
ANZA:打ち込みですね。前作からそうなんですよ。最近はレコーディングで生ドラムを使ってないので、またやりたいんですけどね。
-今回の曲を生ドラムで披露したら、また曲の印象は変わるでしょうね。今作の発表後はライヴも行うわけですよね?
ANZA:海外を含めてやります。以前から台湾と日本の音楽の交流イベントをやっているんですけど、5月には台湾からFLESH JUICERを招いてやりますからね(※5月19、21、22日に東名阪にて開催の"Metal Sensor Japan Tour 2017")。それがBATCH復帰ライヴになるんですよ。そして、7月にまたケガをした台湾のフェスに出演します。台湾のファンにも心配をかけたので、元気な姿を見せられたらいいなと。