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INTERVIEW

MUCC

2017.01.23UPDATE

2017年01月号掲載

MUCC

メンバー:逹瑯(Vo) ミヤ(Gt)

インタビュアー:杉江 由紀

-「秘密」はYUKKEさん(Ba)作曲によるR&Bテイスト漂うダンス・ロック・チューンに仕上がっていて、この小気味よさがなんとも楽しい雰囲気で素敵ですね。

ミヤ:この曲は、アレンジをしていても楽しかったですよ。80年代っぽいクラシックなディスコ・サウンドに、ゆるめの世界観をミックスしてみたかったので、シンセもあえてすべて手弾きでやってもらいました。ある意味オールドスクールなやり方をすることで、人間ならではの生っぽさや揺れが音に欲しかったんですよ。みんなが聴いたときに、そこもきっと楽しんでもらえるんじゃないかと思いますね。

-曲調がとてもスウィートなせいか、歌詞もMUCCにしてはずいぶんと甘ったるい言葉が並んでいませんか?

逹瑯:曲の中に漂っているキラキラした感じから、遊園地のイメージがふと湧いてきたんですよ。それも、オトナが行く夜の遊園地ね。そこに、"秘密"というタイトルをつけてヴェールを被せることにより、ちょっとヤらしい感じなりました(笑)。


死と生の両方を連想させる言葉、そしてリアルタイムに脈打っているその感覚を表せる言葉が"脈拍"だった


-そうした異色な楽曲がある一方で、このアルバムの冒頭を飾っている「脈拍」に関しては、MUCCの真髄とも言える要素がふんだんに詰め込まれているように感じます。この曲がどのように成り立っていったのかも教えてください。

ミヤ:事の発端は、逹瑯が"今回のアルバム・タイトルは『脈拍』がいいんじゃない?"って言い出したところからなんですけど、そのすぐあとに去年の夏は水戸のフェスに出る機会があったんですよ。しかも、そこではトリを任せてもらえることになって、そこで改めて考えたんです。自分たちが生まれ育った場所であり、MUCCが始まった場所である水戸のフェスでライヴをやるのであれば、まずは自分たちのルーツとか核にあるものを凝縮した曲からその日を始めたいって。この「脈拍」が生まれた背景には、そういう出来事がありました。これは仮タイトルも"水戸"でしたし。なんかね、やっぱり水戸の音楽シーン特有の雰囲気ってあるんですよ。

-水戸ならではの雰囲気、とはいったい!?

ミヤ:暗くて、異質で、文学的で、物事を斜めから見ている感じ。MUCCに限らず、水戸出身のアーティストには基本的にそういう気質が備わっていることが多いんじゃないですかね。BRAHMANを筆頭に、THE BACK HORNの山田将司とか、最近だとthe quiet roomとか、真空ホロウとか。

逹瑯:この間、久しぶりに思い出して聴いてたら、COCK ROACHもやっぱりカッコよかったもんなぁ! 今さらだけど、ほんとにすげぇって思った(笑)。

ミヤ:水戸には"アングラでもいいんだ"っていう暗黙の了解みたいなものがある気がするんですよ。

-そういうことでしたか。今作に「脈拍」という表題曲が収録されたこと、そしてアルバム・タイトルまでもが"脈拍"となったことに感慨深さを感じてしまいます。

逹瑯:アルバムのタイトルをどうしようかっていうことに関しては、ジャケット・デザインをどうするかっていう打ち合せをほぼ同時進行でしていたときに、ぐっちゃん(ミヤ)が"今回のタイトルは漢字がいいなぁ"ということを言っていたんですよ。それで、上がってきたジャケットを見ていたら、そこに描かれているガイコツとか血管みたいなものから死と生の両方を連想させる言葉、そしてリアルタイムに脈打っているその感覚を表せる言葉っていいなと思って浮かんできたのが"脈拍"だったんです。

-それこそ、MUCCは20年前の始動当初から死生観についてはことあるごとに深く表現し続けてきているバンドだけに、この言葉選びのセンスはとても秀逸ですね。

逹瑯:自分たちの原点である水戸のことを思いながら作った曲に、今回は"脈拍"というタイトルがついたじゃないですか。対して、「孵化」ではバンドの20周年のことを歌っていて、このタイトルは去年やっていた昔の曲を中心に演奏していったツアーにつけた"MUCC TOUR 2016 GO TO 20TH ANNIVERSARY 孵化 -哀ア痛葬是朽鵬6極志球業シ終T-"から取ったものだったんです。そういう意味からいくと、この2曲は対になっているものでもあるんですよ。少なくとも、俺の中ではね。

-人の生き死にを描いているという点では、「絶体絶命」も鮮烈で強いインパクトを持った楽曲になっているなと感じましたが。

ミヤ:この曲は、アルバムの中でも最後の最後にできた曲でした。強いパンチ力が欲しかったんですよ。「脈拍」からの流れとか、他の曲たちとの対比もあるなかでLIMP BIZKITみたいな16分のビートの曲を入れることで、より勢いづくような展開にしたかったんです。