INTERVIEW
Octaviagrace
2016.10.12UPDATE
2016年10月号掲載
Member:実稀(Vo) Youske(Ba) hanako(Gt)
Interviewer:今谷 重治
-いいですね。続くTrack.2「Mr. vivid painter」では、イントロのピアノの音色がとても良くて、メジャー感漂うサビもすごく聴きやすいです。実稀さんの歌も伸びやかで、"いつかきっと 君の元へ"というフレーズから楽曲の世界観にさらにグッと引き込まれます。これはライヴでもハイライトになりそうな1曲ですね。
実稀:もともとミュージック・ビデオを撮る曲の候補にも挙がっていて。ライヴでも実際に盛り上がってますね。
Youske:ライヴで結構やってる曲なんですよ。それでお客さんからのレスポンスも良くて、どちらかというとライヴ向きの曲なのかなという印象ではあるんです。イントロからゾワゾワゾワって展開になるので、それはもうReanne君(Key)の技です。
-本当に曲の持って行き方が上手いなと思います。そしてサビのコード進行が感情を揺さぶるTrack.3「white graffiti」もいいですね。
Youske:これが今作のミュージック・ビデオ曲になったんですけど。この曲は、ノスタルジックな切ないコード進行で結構凝っていて。テンポもミディアムだし、あんまり勢いで聴かせられないぶん、内容でしっかり聴かせられているのかなと。
-そして驚いたのはTrack.4「Cope of midnight」の曲調です。ホーンも入っていたり、これは今までにもなかった感じじゃないですか?
実稀:実はこれが一番古い曲なんです。
Youske:すっかりライヴの定番になっちゃって、いつリリースしようかと考えていて。前作のシングルのときは、4曲の中に詰め込むには曲調がガラッと変わりすぎるから、アルバムまでとっておこうってなったんですが、ライヴではやり続けているという。お客さんの期待感だけ高めさせて、満を持して登場みたいな(笑)。
-たしかにアルバムだから映える感じもありますよね。各楽器隊もレベルの高い演奏ですし、歌も難しいんじゃないですか?
実稀:今回収録するにあたってちょっとテンポを速くしたので、そのぶん余計に難しくなったところはありました(笑)。ブレスの位置がせめぎ合いというか、どこで吸ってやろうかという感じなので。
Youske:細かいんだよね。ヴォーカルのメロディが。
実稀:ずっと上下にクネクネしてるし(笑)。
Youske:"Octaviagrace"なので。
一同:(笑)
-ここまで聴いただけでもバラエティ豊かな作品であることが窺えるのですが、さらに畳み掛けるようにメロスピ・チューンのTrack.5「リベリオン」でノックアウトです。"SONATA ARCTICAか!?"ってくらいの展開で......。
Youske:SONATA ARCTICAかX JAPANか(笑)。Reanne君がメロスパーな一面も持っているので。
実稀:X JAPAN好きだしね。
Youske:SONATA ARCTICAも聴いてるしね。いろいろ聴いているので、いろんな曲が作れるんですよ。とても「Cope of midnight」と同じ人が作ったとは思えない曲なんですけど。でも実はそんなにライヴではやってないんです。うちのお客さんはもともとハード・ロック/ヘヴィ・メタル好きな方が多いので、"「リベリオン」最高!"って意見はありますね。
-歌詞も"幾千億の夜を越え"、"運命さえも一陣の風となれ"など、しっかりと疾走感を意識していますね。
実稀:初めて聴いたときの私のイメージが、"戦う人"だったので。私の中では女の子が主人公のイメージで、昔から好きな少女漫画にそういう戦う女の子が主人公の......。
Youske:"セーラームーン"?
実稀:違う(笑)。最初の書き出しが全然出てこなくて結構悩んで、20巻くらいあるその少女漫画を、時間がないなかもう1回読み返してみたり。あとはそこから受けたインスピレーションを育てていきました。今までにあんまりやったことのないやり方だったかなと思います。
-今作ではhanakoさん唯一の作曲となるTrack.9「starlit ending」は、もう"ザ・哀愁"って感じの曲で今作のハイライトですね。
hanako:かなり実稀ちゃんの好きな感じというか、昭和歌謡的な感じもありつつ。最初のイントロとか、今までになかったような始まり方かなと思って。
実稀:イントロないもんね(笑)。