INTERVIEW
GEEKS
2016.07.06UPDATE
2016年07月号掲載
Member:エンドウ.(Vo/Gt)
Interviewer:荒金 良介
-そこはこだわりが?
こだわりというか、恥ずかしいから。ライヴに関してもいろんな人が出てくれたけど、僕らはバンド然とした演奏をしただけなので。エンターテイメント担当の方たちにハコの良さを活かしてもらえたらいいなと。
-バレエ・ダンサー、オーケストラなどのゲストを迎えましたが、あのショー的要素はどういう着想から?
僕ら30分前後のライヴが多くて、そのときはバーッと演奏するだけですからね。2015年12月に下北沢ろくでもない夜で演出なしのワンマン・ライヴ"下北炎上GIG"をやったんですけど、2月のライヴは作り込んで1日を通して作品になるような内容にしたくて。昨年の4月から7ヶ月連続配信リリースしたときに、7ヶ月連続でツーマン・ライヴもやったんですよ。そこで対決してくれた人たちがキネマ倶楽部に集まってくれたら、ジャンプ漫画的だなと。
-というのは?
ベジータが仲間になるように、今まで闘ってきた奴らが仲間になると嬉しいじゃないですか。そういうストーリーは考えましたね。今までのライヴでもたまにテーマを設けたときに、ゲストに賑やかしてもらうこともあったので。それなら"強敵"と書いて"とも"と読む人たちを集めたら面白いなと。
-"北斗の拳"も意識したと(笑)。エンタメ性という部分で、何か影響を受けたものはありますか?
僕、他人のライヴをあまり観たことがなくて。誰かのライヴ盤を聴いても"CDと違うじゃん"と思うタイプで、嫌なんですよ。アニメや声優さんのライヴは観たことがあるんですけど。あまりお手本はないですね。
-お手本がないからこそ、自由にやれた?
そうですね。ただ、参考にするものがないので、頭を抱えたところはあります。みんなでテーブルを囲んで、"この流れでいいんじゃない?"とか話し合いました。だけど、最後のゲネプロで変えた部分もありますからね。手探りでした。最初に自分たちがやれること/やれないことを考えたんですよ。で、ゲストを呼ぶ場合、誰が来てくれるかなと。幸い声を掛けた人は全員出てくれることになったので、この人たちに何をやってもらうかなと。
-なるほど。
最初に出てくれたお笑い芸人のハラヒロは、今までもGEEKSのワンマン・ライヴに毎回全身タイツで出てもらってるし。あれは恒例のパフォーマンスですからね。あと、「CAPTAIN WIMP」(2015年リリースのアルバム『WAVGLYPH』収録曲)のMVにも出てくれた"マスク・ド・キャプテンウィンプ"というプロレスラー役がハラヒロと同じお笑いグループだから、あいつらを対決させようと。前作の『WAVGLYPH』が配信7曲対新曲7曲で、対立構造になっていたから。マスク・ド・キャプテンウィンプが出てきたら、それに相対するのはニンジャスレイヤーだなと。じゃあ、ハラヒロの全身タイツを赤にして、闘ってもらおうと。
-バレエ・ダンサーに関しては?
昨年のツーマン・ライヴでコラボレーション・ステージをやったときに、ウチのスタッフがいきなり"ぜひ2月のワンマン・ライヴに"って声を掛けたんですよ(笑)。意外にも快諾していただけて、これでショー的なことができるなと。
-ステージが一気に華やかになりますよね。
後ろにダンサーがいると、大物気分を味わえますね(笑)。
-あと、オーケストラの導入も楽しめました。
あのオーケストラも本格的な人たちにお願いしてもよかったんですけど、それだと何のストーリーもないから。僕らがいつもお世話になってる裏方の人たちに声を掛けたんですよ。いきなり知らない人を呼ぶのも突然すぎるし、ほんわかした味のあるステージにしたくて。たまに出演者みんなでワーッと騒ぐ雰囲気ってあるじゃないですか。それをやってみたかったんですよ。だから、レコーディングに協力してくれた人や、うちのローディーにハーモニカやタンバリンを持たせました。
-いい意味でリラックスした、人間味のある雰囲気がステージから出てました。
漫画好きなので、ストーリーが唐突だと許せないんですよ。"なぜ、あいつが出てきたの?"と思うから。
-辻褄が合わないと、しっくり来ないと。お客さん側からすると、誰が出てきてもわからないと思いますけど、お互いに勝手知ったる仲という空気感は自然と出ますからね。
説明したら、納得してもらえるかなと。これがGEEKSの裏側なんだよ、というものも見せられたと思う。工場見学じゃないけど、裏側を見るのは楽しいですからね。
-それとライヴの締めにバンドが最後まで残り続けて、お客さんを見送るスタイルにも驚きました。
あれは思いついたときに最高だなと思いましたね。僕らアンコールが嫌いで、ライヴでもほとんどやらないんですよ。でも世の中的にはそれが普通ですからね。アンコールがないことで、物足りないと思われるのも嫌だなと。じゃあ、アンコールをやらない代わりに、違うことをやろうと。それならお客さんと対決するためにジャンケンをやればいいんじゃないかと(笑)。で、負けた人から帰ってもらおうというアイディアが浮かんだんですよ。"そんなことしたら、みんな怒るんじゃないの?"という意見も出たけど、俺たちがお見送りすればいいやって。
-発想が面白いです。
しかも映像にするわけだから、その日のライヴの模様は最後まで観ることができますからね。なかなか前例のない演出だと思います。