INTERVIEW
HAWAIIAN6
2016.05.16UPDATE
2016年05月号掲載
Member:YUTA(Gt/Vo) HATANO(Dr) GURE(Ba)
Interviewer:荒金 良介
-それもHATANOさんの指示で?
HATANO:いや、"脱いだら?"と言ったら本当に脱いだから。だけど、色づけってそういうことだと思うから。その人じゃないとできないことをやって、その人なりの表現方法を見つければいいわけだから。そういう意味でひとつはトライできたかなと。
-実際のレコーディングも大変でしたか?
GURE:まあ、ブースからの指示もあり......前作よりは少し地に足が着いてきたと思います。"こうすればこうなるんだ"という発見もできたので。新しい面も垣間見えたかなと。
-新しい発見というと?
GURE:レコーディングに慣れてないところもあって、どうしても緊張しちゃって、視野が狭くなることもあったんですけど、HATANOさんから指示が来て、しっかり自分の気持ちを開いてやってみたら、できたんです。そういう感じで、いろんなものが発見できたレコーディングでした。ひとつやり方を見つけられたのでよかったですね。それを今後に繋げていけたらいいなと思っています。
-HATANOさんは精神面でGUREさんをもっと脱がせたかった?
HATANO:はははは。こいつが(スランプに)ハマッたときに女友達に電話して、"がんばって!"と言ってくれとお願いしたり、違うガソリンの入れ方にも挑戦しました(笑)。音楽は気持ちが出るものだから、楽しく録れたら楽しい音楽になるんですよ。そういうことじゃないかなと。レコーディングはもちろん、曲作りも後ろ向きな気持ちでやっていたら、いいものなんてできるわけがないし。バンドをあと5年や10年続けられるなんて言い切れないけど、そのくらいやりたいですからね。現時点で前向きに進んでないと2~3年で終わるだろうし、それこそ自分たちが温度を感じられる作品を出したかったんで。せめて、やり切った感だけは欲しいし......GUREにもそう思ってほしいですからね。
-そういう意味でも今作はターニング・ポイントなんですね。
HATANO:歳を取れば取るほど身軽にはならないけど、確信を持つしかないんだよね。これをやってる自分たちが"楽しいんだ"という確信があれば、いろんなものと闘えるんじゃないかと。
-今作は現時点でメンバー3人が確信を持てた作品と言えますか?
HATANO:うん、それぞれの緊張感は確認できると思うから、それでいいんじゃないかなと。まあ、この3人になって、やっと入り口が見えてきたような気がします。来年、荒金さんに会ったときにまた"入り口"と言ってるかもしれないけど(笑)。
-耳に心地いいというより、引っ掻き傷を残すような音色がHAWAIIAN6の特徴だと思うので、今作はそれが出た作品だなと。
HATANO:そう思ってくれたら嬉しいですね。
-Track.1「My Name Is Loneliness」から"ザ・HAWAIIAN6"という曲調で、"Drastic defeat and/Overwhelming despair(訳:徹底的な敗北と/圧倒的な絶望"と歌う冒頭の歌詞も、HAWAIIAN6らしいなと。
YUTA:そうですね。HAWAIIAN6であろうとしたときに、それが自然な表現かなと、小難しいことを考えずに書きました。
HATANO:もうひとつ、いい意味でアホになれるときが来たら、面白くなるのかなって。肩に力が入ってるわけじゃないけど、頭で考えすぎたところもあるし、それもいい緊張感に繋がった作品になったと思います。バンドとしてやっと覚悟ができたんでしょうね。歳を取って、覚悟がある人とない人の音楽では響き方が違うから。自分たちも、そういう作品をひとつ持てたのかなと。それが今回の一番の収穫ですね。
-腹を括れた感じがある?
HATANO:そう思うけどね。普段のスタジオ練習でもそうだけど、バンドの活動もリアルなんだよね。
-リアルというのは?
HATANO:昔はぼんやりしていたけど、"これをしたいなら、こうすべきじゃないか"ってわかるようになった。辞める覚悟も続ける覚悟も全部踏まえたうえで、やれることの重大さを感じてるから。こないだの旧譜ツアー(※2015年11月~2016年4月まで開催した"Too Late TOUR")もそうだけど、変な話、やる必要はなかったかもしれないけど、それをやる意味もわかっていたんです。それも良かったんじゃないかな。『SOULS』、『ACROSS THE ENDING』(2003年リリースの1stミニ・アルバム)のころは何かしらを言い訳にしていた自分もいたけど、今はそれがないからね。跳ね返ってきたものを全部受け止められるようになった。やっと歳相応になってきたと思います(笑)。