－その気持ちが出ている曲というと？

ミツ：僕のフェイバリットは「UNDERDOG」です。僕が思うロックへの憧れとリンクするところがあるので好きですね。

－この曲は民族楽器も入ってますよね。

エンドウ.：あらっ、気づいちゃいました！

－気づきますよ（笑）。

エンドウ.：今回バンジョーを弾いてるんですよ。バンジョーは4弦と5弦のものがあって、チューニングも奏法も違うんですけど、まったく弾けなくて。そこでバンジョー・ギターを買ったんですよ。要するにバンジョーの作りで、バンジョーの音はするんだけど、ギターのネックでギターの音階で弾けるんですよ。それが楽しくて、たくさん入れちゃいました。

－いいアクセントになってますよね。郷愁を刺激されます。

エンドウ.：哀愁がありますよね。もともとブルーグラス的なカントリーが大好きだし、ディズニーランドのビッグサンダー・マウンテン側が好きだから。

ミツ：ははは、左側の方ね。

エンドウ.：そっちの雰囲気が好きなんですよ。

－全体的にトラディショナルな雰囲気も増してますね。

エンドウ：ああ、気づかれた！ 内緒にしてたのにバレちゃった。

－いやいや、バレバレです（笑）。

エンドウ.：トラディショナルな音を入れたいと言ってたんですよ。最近のラウドはシンセ一色だから、あえて古臭いシンセやそれにマッチする古臭い音楽を意識したんですよ。まあ、最近のマイブームという部分もあるんですけどね。

ミツ：時間があったぶん、いろんなものにトライできたからね。

エンドウ.："最近、何聴いてるの？"というやりとりも多かったかもしれない。メンバー間で"これがかっこいいよ"って薦め合ったりして。

－例えばどのあたりの音楽ですか？

エンドウ.：僕は最近フォーク・メタル、ヴァイキング・メタルを聴いてます。

－2曲ほど、そういうテイストの楽曲はありますね。

ミツ：ギクッ！

エンドウ.：バレてるぜー！

－（笑）

エンドウ.：「KATZENJAMMER」は特にそうですね。そのときはTURISASやKORPIKLAANIを聴いてました。僕はフォークやカントリーが好きで、メタルも好きだから、それが一緒になったらこの世で1番かっこいいじゃんって思っています。あんなにかっこいい音楽なのに、世間から迫害されてる存在感も愛おしいなと。

ミツ：MVのセンスもいいしね。

エンドウ.：鎧を着て、武器を持って、歌ってる姿もダセえなと思いながらも、愛おしくなって。

－今作はフォーク／ヴァイキング・メタルに通じる合唱感も強まってますね。GEEKSが本来持ってる重厚なコーラス・ワークともうまくリンクしてます。「UPRISE ANTHEM」（Track.8）はどストレートな合唱曲ですね。

エンドウ.：海外のバンドでもアルバムの中にちょっと特殊な曲が入ってるじゃないですか。そういうものをやりたくて、"GEEKS国の国歌"というイメージで作りました。ワンマンとか、アニバーサリー的なイベントでみんなで歌えたらいいなと。

－あと、MVにもなっている「ARISTO QUEEN」に顕著ですが、今作は無国籍感も漂ってますね。

ミツ：ああ、たしかに。今回制作の前にホワイト・ボードに国の名前を書いたんですよ。"米"、"露"、"仏"とか。

エンドウ.：いろんな国名を並べて、米はハード・ロックだなって。和はちょっとやりたくないとか言ってました（笑）。

－他に今作の制作過程で聴いていたものは？

カオル：僕はEAGLES、THE DOOBIE BROTHERSですね。「JOLLY SONG」（Track.14）にそれが出てるかなと。

キョウヘイ：僕はMÖTLEY CRÜEばかり聴いてました。

エンドウ.：「YOUTH PUNK」（Track.12）を作るときに思いっきり青春パンクとか聴いてました。何年も聴いてなくて、改めて聴くと、フィルとかタタタタッてダサい感じだけど、いいなと。

カオル：簡単なように聴こえるけど、コード進行はいろいろと考えました。

エンドウ.：うん、この曲はGEEKSっぽい青春パンクをやろうと。ミックスもエンジニアの方がものすごく今風のかっこいい音にしてくれたけど、チープな音にしてくれとお願いして。それもまた面白かったですね。