－"FFⅩ"は何がそんなに魅力的なんですか？

TOMOYA：ストーリーが泣けるんですよ。ゲームで泣けるって、なかなかないんで。あと、グラフィックも進化したし、画質と忘れてはいけないのは音楽ですね。

KENT：すべての経験が自分の子供時代の思い出だもんね。

TOMOYA：すごくワクワクしたねえ。

－いざそのコンセプトをサウンドに落とし込む作業は難しかったですか？

KENT：音を聴いたら、情景が浮かぶタイプで。Track.4「Phoenix Tail」は洋楽のメタルコアを意識して、僕の中のイメージは映画の"マトリックス"みたいな機械の街みたいな雰囲気で、FFにもそういうシーンがあるんですよ。それを音で表現しました。

TOMOYA：KENTは何かインスピレーションがあった方が曲作りは早いもんね。

KENT：イメージがないと、1ヶ月くらいかかりますね（笑）。なので、テーマが大事です。

－そもそも初のコンセプトを掲げた理由は？

TOMOYA：ただ漠然といい曲を作るよりも、すごくワクワクした瞬間をみんなに伝えたいし、世界観を打ち出していきたいなと。だから、次作もコンセプトを掲げてやっていきたい。

－INGERさんは、曲を聴いてどんな印象を持ちました？

INGER：今回は最初から全部好きだった。

TOMOYA：前作も好きでしょ？

INGER：前作も好きだけど、何回も聴くうちに、いろいろ発見がある感じで。今回は聴いて、ソッコーで好きになった。歌詞を作るのも楽しかったですね。私は激しい音もエレクトロも好きだし、キャッチーで激しいところが好きですね。ステージでやると、面白そうな曲だなって。聴くと、頭の中にMVが浮かびますね。

NEMESAN：今回はSEを含めて、アルバムに一貫した世界観があるから。以前の作品とは全然違うというか、いろんな曲があるというより、芯の通ったアルバムだなと。

TOMOYA：今作はSALTY DOGの代表作と言えるものになったと思います。コンセプト作って入りにくい印象があるかもしれないけど、これが俺らだ！と言える作品ができたと思う。メンバーみんなの好きな要素も埋め込んでいるし、そのすり合わせはうまくいったと思います。

－メンバーみんなの好きな要素とは？

TOMOYA：僕ならゲーム音楽、アニソン、ボカロみたいな色合いがメロディやアレンジにも表れていると思う。激しいシャウトもありつつ、ポップな要素もあるので、すべて合わせてうまくアウトプットできたなと。芯がありつつ、いろんなテイストがあるという。

－聴いた第一印象は、やはりヘヴィさが前面に出てるなと。

KENT：僕自身がラウドでキャッチーなものが大好きなので、自分が音楽を作るうえでのテーマとして掲げてるんですよ。僕が目標とするのはこんなに激しい音楽でも、お母さんが台所で口笛を吹けるような音楽が作りたくて。

INGER：ふふふふ（笑）。

KENT：笑ってるけど、激しい音楽をもっといろんな人に知ってもらいたい。それを音で表現してるつもりです。

－その思いはどこから来てるんですか？

KENT：青春時代にヘヴィ・メタルばかり聴いて、周りから理解されなかったからです。