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INTERVIEW

GUS G.

2015.08.10UPDATE

2015年08月号掲載

GUS G.

Member:GUS G.

Interviewer:荒金 良介

-そのとき都合が合うミュージシャンたちとプレイしている感じなのでしょうか?

そうだね。その都度コラボを楽しんでいるよ。

-レギュラー・バンドとやるときとはまた違うんでしょうね。

うん。

-1枚目でご自身も楽しんだのと同時に、2枚目の期待の声も上がっていたんでしょうか?

うーん......レコード会社は何かやって欲しいと思ってくれたし、俺もやりたいと思ったからね。でもプレッシャーはなかったし、壮大な計画もなかった。簡単に決めた感じだったね。ファンの反応も良かったし、ツアーもうまくいったし......それに何かを築き上げようと思ったら時間がかかるから、俺がソロになったことも多くの人に知られたわけじゃなかった。だから今いい勢いがあるならこのまま続けてみようとも思ったんだ。俺が今何をやっているのかがファンのみんなに浸透するまでは時間がかかるからね。プロモーターも、ショーのブッキングを始めた当初は知らなかったくらいだったんだ。誰も俺の音楽を聴いたことがなくて、俺のソロとしてのショーがどんなものか想像がつかなくてびっくりしていたらしいよ。だから新しい何かを確立させるのには時間がかかるんだ。去年はちょっと苦戦したけど、ソロとしての俺も認知されてきたから今年はもう少しスムーズにものごとが動いている気がするね。

-だから、このタイミングで『Brand New Revolution』を出すというのが1番いいんですね。

俺はそう思うね。うん。

-「Brand New Revolution」は前のアルバムができたときにすでにあったとのことですが、2ndアルバムを作ったときのヴィジョンはどんな感じだったのでしょうか。前作と違うものを作ってみたいと思ったのか、それとも延長線上にあるものにしようと思ったのか。

延長線上にあるとは思うけど、今回はもう少しヘヴィなものかな。前のアルバムはアコースティックなものが多かったけど今回は減っているしね。今回はもっとアップテンポでヘヴィなんだ。モダンなサウンドもあれば、もっとヴィンテージっぽいのもあるし、いい取り合わせになったと思うよ。

-そうですね。メタルの多彩さを認識させてくれる内容だと思います。

実際多彩だからね。俺はアルバムにバリエーションを持たせるのが好きなんだ。同じような音ばかり10曲あるのは好きじゃないからね。起伏があったり、テンポが変わったり、キーやヴァイヴが変わったり......そうすることによって、興味を惹き続けることができるんじゃないかな。

-あなたのフレーバーがあれば一貫性は出ますしね。そのフレーバーでいろんなことができると言いますか。

まったくその通りだね! アルバム全体を通してひとつのサウンドを維持しながら、いろんなヴァイヴを経験できるようにしたかったんだ。前のアルバムではどんなものができるか自分でもわからなかった。自分の道を模索している途中だった感じだね。あれは説得力のある曲の集まりではあるけど、一体感があったかといえば必ずしもそうじゃなかった。いろんなものを試しているだけだったから。でもソロ・アルバムは特定の何かに縛られるべきというわけでもないから、あれはあれでクールだったと思う。ソロは音楽的に自由になることが大事だからね。FIREWINDでは俺たちが知られている特定のサウンドというのがあるからあまり大胆に逸脱することはできないけど、ソロだったら好きなことをやればいいからね。俺がやりたいと思ったらサックスを入れた曲があったっていいし(笑)。このプロジェクトをやったのだって、思いのまま好き勝手にやれるものがあったらいいと思ったからなんだ。クールだよ。

-前作同様、今作もヴォーカル陣にJeff Scott Soto、Jacob Bunton、Mats Levenを迎えてますね。これはやはり前作で得た手応えだったり、あなたのやりたい楽曲の方向性とマッチしていたからですか?

両方だね。仲がいいから一緒にいい曲が書けるし、やつらとは独特のケミストリーがあるんだ。曲ができるのも早くて効率がいいし、仲のいいソングライターの集まりみたいな感じだったね。前作のときは知らない人と曲作りをして思った通りのものができなかったり、いろんな人のスケジュール調整に時間がかかったりしたけど、今回参加した人たちはもっと俺に近い存在なんだ。ツアーにも一緒に行ったし、個人的に仲がいい友達だしね。そういう厳選されたメンバーという感じなんだ。

-ソロでありながら、半分バンド・メンバーみたいな感じですかね。

それに近いね。またはヴォーカルがいっぱいいるバンドみたいな(笑)。友達同士のバンドだよ。

-前作はBilly SheehanやDavid Ellefsonと有名プレイヤーも参加してましたが、今作の演奏陣はどういう人選なのでしょうか?

去年の10月、アメリカの西海岸に行って4回ショーをやったのがすべての始まりだったんだ。アメリカのマーケットではどんな反応をされるか、様子を見たくてね。そうしたらミキサーのJay Rustonが"せっかくバンドと一緒にLAにいるんだから、スタジオを借りて、今手元にある新曲を録音しておけば?"と提案してくれたんだ。それで、その通りにしたんだよ。ドラマーはFIREWINDのJo Nunez。ベースは前作にも参加してくれたMarty O'Brien。そのメンバーでLAのスタジオを3日間借りて、その間に6曲を録音したんだ。バンドと同じ部屋で演奏しながら録音したのは初めてだったよ。......基本的にはアルバムの半分を3日間で作ったような感じなんだ。それからギリシャに戻って後日別のセッションをやって、また6曲録音した。だから新作は、LAで1回、ギリシャで1回の計2回のセッションで2枚のEPをひとつにしたような感じでできたね。

-FIREWINDのときもそうでしたけど、本当に勤勉で多作ですよね。いつも曲を書いていて、アルバムがどんどん出てきて、ツアーもガンガンやって。そんなにいろいろと1度にやっているのにリリースはクオリティの高さを保っているのがすごい。一体どうすればそんなことが可能なんでしょう。

ありがとう(照)。自分じゃわからないよ(笑)。全員がそう思ってくれればいいけど......でも俺は幸運なことに、何年も応援してくれている熱心なファンに恵まれているんだ。俺にとってはクオリティが第一なんだ。いくらナイスなジャケットがあっていいタイトルをつけて、いいマーケティングをやっても、最終的にはいい音楽じゃないと、1番大事なものが欠けていることになるからね。最後に残るのはクオリティだから。20年後も聴いてもらえるような価値のあるものを作ることが大事なんだ。俺はいつもそういうことを念頭においている。自分は本当にこういう音が好きなのか、5年後も気に入っていると言えるかどうか(笑)。