－素晴らしいファンたちがいるから、彼らをハッピーでいさせ続けたいという思いもありますか？

もちろん！ ただ、特にソロに関しては、ファンのためというよりは主に自分のために作ったんだ。

－まぁそうですよね。まずは自分がハッピーにならないと。

うん。......例えばFIREWINDのファンが気に入ってくれるかどうか、俺にはわからなかった。全然違うからね。だから全員が気に入ってくれたわけじゃない。でも8割の人が支持してくれて、アルバムも買ってくれたと聞いて驚いたよ。......と同時に、ソロ作で新しいオーディエンスを開拓できればと思っているんだ。

－ファン層が拡大する一方というわけですね。いいですね。

そうだね。

－インストがたくさん聴けることを期待していた人も多かったと思いますが、今作はインストが1曲に留まっています。もちろんあなたの流麗なギター・ワークは存分に堪能できますが、特に作品の中盤あたりに顕著ですけど、より楽曲重視の聴かせる作風が多い印象も受けました。こういう感想を聞いて、どう思われますか？

嬉しいね。また聴いてみたい、ずっと聴いていたいと思ってもらえるものがあればいいことだと思うし、サウンド作りが成功したってことになるからね（笑）。インストは1曲だけだけど、アルバム全体ではギターを弾きまくってるよ。ヴォーカル曲がメインで、キャッチーな曲が多いね。3分くらいの短い曲が多いからわかりやすいと思う。でもギターもいっぱい出てくるから、インストが少ないと言ってもギター・ファンもがっかりすることはないんじゃないかな。ギター･ソロが十分あるからね。

－あなたの演奏面や楽曲に関して、何か新しいことにチャレンジしたことはありますか？ また、ギター・プレイで1番大変だったパートはありますか？

ソロかな。とにかくいいソロを入れようと思ってかなり自分をプッシュしたからね。実際、一度ソロを全部録り終わったんだけどどうしても納得がいかなかったから、全部消して最初からソロをやり直したんだ。

－全部ですか！それはすごい。

ああ。リズム･ギターは消さなかったけど、ソロは全部消したよ。前のアルバムからステップアップしたかったからね。

－Track.5「What Lies Below」ではAMARANTHEのElize Rydをゲスト・ヴォーカルに迎えていますね。彼女を起用しようと思った理由は？

ことの経緯を最初から説明するよ。その方がわかりやすいからね。......最初俺の頭の中に描いていたものがあって、それを実現したいと考えながら、プロデューサーでもソングライターでもある、LAの友人Matt Dauzatに音を送ったんだ。あいつと一緒に書いた曲だったからね。Mattの奥さんがデモで歌ってくれた。それがHeather St. Marieだったんだ。

－MattとHeatherは夫婦なんですね。

そう、HeatherはMattの奥さんなんだ。それがオリジナル･バージョン。ただ、もともと入れたいと思っていたのはElizeの声だった。素晴らしい声の持ち主だからね。Heatherとはまた違った魅力があるんだ。今の女声メタル･バンドのシーンで大きな存在になっていると思う。俺は彼女のポップなアプローチが好きだし、そのアプローチがこの曲には合っていると考えたんだ。それで曲を彼女に送って......Heatherとは多分すごく違うサウンドになるだろうなと思ったら本当にそうだった。両方とも気に入ったから両方キープしたいと思ったよ。それで、Heatherの方は日本のためにとっておこうと思ったんだ。

－それはありがたいですね。ふたりとも個性は全然違いますが、素晴らしいシンガーですからね。

本当にそうだよ。まったく違う世界が2つあるような感じだよね。同じ曲なのに2つの曲みたいなところがとてもクールだと思う。

－あの曲の懐の深さも思い知りますね。

うん、うん、そうだね。いい曲だと思うよ。作り込んであるからいろんなことが起こっているし、ギターも何層にも折り重なっているんだ。

－Elizeとは昔から知り合いだったのですか？

いや、個人的には知らなかった。ビデオ・ディレクターのPatric Ullaeusが共通の友だちでね。彼はAMARANTHEのビデオも俺のビデオも手掛けているんだ。

－でも最初からElizeのことが頭にあったから、コネクションを使って彼女に繋がったということですね。

そうだね。

－ElizeやHeatherとライヴでこの曲を共演する可能性はありますか。

そうなったら最高だよね。スケジュール次第だけど。俺も彼女も自分のバンドのスケジュールが詰まっているからね。でもいつかはステージで一緒にやれたらクールだな。

－アルバム名"Brand New Revolution"にはどんな意味を込めているのか、教えていただけますか？ 曲は前作ができたころにすでにあったそうですが。

まず、いいタイトルだろう（笑）？