INTERVIEW
BLUE ENCOUNT
2015.05.18UPDATE
2015年05月号掲載
Member:田邊 駿一 (Vo/Gt) 江口 雄也 (Gt) 辻村 勇太 (Ba) 高村 佳秀 (Dr)
Interviewer:荒金 良介
-ギターの音色が多彩ですよね。
江口:セクションごとにフレーズや音色も切り替わるので、手と足が騒がしいですね。たぶん、ライヴで再現するのも1番難しい曲ですね。
田邊:タッピングもすごいもんね?
江口:うん、自分が最大限にテンションが上がるフレーズを意識して、途中にも単音の細かいフレーズも散りばめてます。イントロはシンプルだけど、サビはコピーが難しいだろうなと思うプレイを入れてます。
辻村:田邊が曲を持って来たときもいいなと思ったし、ライヴで感じたこともこの曲に入ってるんじゃないかな。歌詞が届くベース・プレイを心がけながらも、最後は爆発するみたいな流れも作れたと思う。この曲はお客さんと一緒に育てていきたいですね。
-中盤すぎのラップ・パートも強烈なフックになってますね。
田邊:こういうやんちゃなラップもやりたかったんですよ。ラップ・サビみたいな感じで、メッセージもがっつり込めてますからね。
-もう1曲の「AI」は英語詞で、内容的にはハートブレイク・ソングですね。こういう曲も珍しくないですか?
田邊:女々しくても立ち上がるようなテイストはあったけど、この曲はハートブレイカーで終わる曲ですからね。それは「DAY×DAY」との対比で、絶望的に振り切ったんですよ。誰もが経験することですからね。英語の歌詞は母音と子音の関係も意識したので、言葉もより刺さると思います。
-これは実体験なんですか?
田邊:いや、僕の中に切ない経験をした登場人物がいるという設定です。そういう人は周りから見ると、滑稽に映ることもあるじゃないですか。恋愛に限らず、自分の中で苦しいと思う出来事は相手がどう思おうと、すげえ苦しいじゃないですか。それを表現しました。
-曲調も「DAY×DAY」に匹敵する激しさですからね。
田邊:あえて4人のヒリヒリな緊張感を出そうと。僕と江口のギターの絡みだったり、それぞれの演奏も聴いて欲しい。それこそコピーしても楽しい曲になったと思います。歌もキーが高くて大変なんですよ。ここに来て、自分たちの限界以上のものに挑戦したい気持ちがあったんですよ。困難に立ち向かおうと思って、曲を作り始めましたからね。
辻村:悩みながら、ひとつひとつ形にしていきましたからね。自分たちでも両A面と思えるくらいの曲ができたなと。曲作りも成長できたと思います。オケだけ聴いてもかっこいいですからね。
-ドラムの音も抜けがいいですね。
高村:こんなにバキバキにしたのは久々ですね。僕の感覚的には「HALO」(2nd アルバム『HALOEFFECT』収録)という曲を出したころを思い出しました。今までになかった音を表現したみたいな気持ちが「AI」にもあるんですよ。だから、あの曲みたいにバキバキにしたくて。
田邊:しばらく、そういう曲をやってなかったからね。
-ベースもブリブリ言ってますね。
辻村:ゴリッとしてますよね。ベースとドラムだけで成り立たせるぐらいの勢いですからね。しかもピックであそこまで攻めた曲はないですからね。オルタネイト・ピッキングもすごく練習したので、ピック使いがうまくなりました。
江口:この曲もライヴで育てたいですね。
-田邊さんの裏声は「DAY×DAY」の熱さとは対照的ですが、これもグッと来ますね!
田邊:「DAY×DAY」は激流の川みたいな感じだけど、「AI」はスーッと流れていく感じで、「HALO」のときにそれがうまくできたんですよ。「AI」はその曲よりも裏声が多いから、熱さが乗るかなと思ったけど、歌い切れて良かったです。これでサビのアプローチの仕方もまたひとつ増えましたね。「AI」はライヴで越えなきゃいけない壁みたいな曲ですね。
-「AI」もそうですが、「DAY×DAY」にも"悲しみさえも全て吐き出せよ"という歌詞があり、弱さを曝け出してる点は共通してますね。
田邊:僕らが率先して悲しみを曝け出して、いつまでも悲しみを吐き出して欲しいと言い続けたいですね。そうじゃないと、僕らも忘れてしまうんですよ。溜め込んでしまうから。わかりやすく"ここで叫ぼう""ここで吐き出そう"って、シンプルだけど忘れやすいことですからね。ブルエンはいろんな曲にその欠片を残して、それを伝えていければ、お客さんもライヴでスッと入れるのかなと。それこそ最初から歯車が合致した恵比寿LIQUIDROOMのライヴのように、ブルエンはそのピースは入れていかなきゃいけないなと。テンションが高いだけじゃなく、たまに本心の自分を見せるというか、誰でも弱いところはあるので。自分からそれを見せないと、相手も見せてくれませんからね。