INTERVIEW
KNOCK OUT MONKEY
2014.11.13UPDATE
2014年11月号掲載
Member:ナオミチ (Dr) dEnkA (Gt) w-shun (Vo/Gt) 亜太 (Ba)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
-アッパーな原曲より歌詞と楽曲はこの方がよりマッチしていますね。
w-shun:ルーム・ミュージックというか、しっとりとした音楽を聴くのも好きなんで。もちろんロックも家でガンガン聴くんですけど、どちらかというと静かな音楽......ジャズとかボサノヴァを何気なく流してるのが好きなんで、そういうこともやりたいことのひとつではあったんです。でもいきなり知識もないところから新しくジャズの曲を作ろうとしても無理があるんで、こうやってアレンジすることによって勉強していって、また次の新しい曲に繋げていけたら、アルバム作るときも幅が広がりそうだなって思ったし。また違って聴こえるのも面白いですしね。CD作ってリリースしたあとはライヴだけじゃないですか。ライヴって演奏には向き合うけど、歌詞に向き合うことはあまりないので、"こういうことを歌ってたんだな"って、もう1度見直して気付けることが多かったです。こういうことはタイミングがあればたくさんやっていきたいですね。
-ではどちらかというと歌詞側からこの曲を選んだ感じですか?
w-shun:そうですね。歌ってて心地いいのもあるんですけど、なるべく日本語で歌ってる比率が多いものを選びました。激しいロックって歌詞をなかなか聴き取れないですけど、こういうアレンジにすると日本語詞ってスッと入ってくるんですよね。
-そこは正解だなと思いました。原曲より確実に歌詞が頭に入ってきますよね。ただ楽器陣は難しかったんじゃないでしょうか。
ナオミチ:めっちゃ難しかったですね。実は最初スティックもブラシ・スティックでやろうかってエンジニアさんと相談して、レコーディングの2週間前ぐらいに曲ができてからずっとブラシ・スティックで練習してたんです。で、実際にレコーディングを始めたんですけど、結局"スティックの方がいいね"ということになり......(笑)。本格的になりすぎちゃうんですよね。だから1回全部ブラシ・スティックで録って、そこからスティックで録ってと2回録り直しましたね。
w-shun:強弱とかすごい難しかったよね?
ナオミチ:うん、めっちゃ時間かかった。通常の3倍ぐらいかかりましたね。
w-shun:深いってこういうことなんだなって。バスドラの強弱の感覚って今まであまり話に出てきたことないもんな。やたら強弱の話しましたもん。
ナオミチ:そうですね、スティックも普段より細いものにしました。でも録っている途中で"はい、強くなってきてるよ!"って言われたり(笑)。結構大変でした。
-ピアノの音色も印象的な切ない雰囲気ですよね。
w-shun:ピアノはサウンド・プロデューサーに弾いてもらったんです。もともと鍵盤弾いてるかたなんで。知識がないと無理だと思うし、理解した気になってても実際鳴らしてみると感覚が全然違っていたりして。深いなと思いました。新しいものばかり取り入れていくだけじゃなくて、ルーツを掘り下げていくっていうのがいかに大事か勉強になりましたね。
-"大人KOM"を感じることができる新たな魅力が開花してます。ちなみに前回のワンマン・ツアーでアコースティック・ライヴをやってましたよね。そういう経験からもこういう曲をやりたいって欲求が生まれたんじゃないでしょうか?
w-shun:そこからが大きかったですね。"意外とかっこいいじゃん!"って。まぁ当初はここまでジャズっぽくなるとは思ってなくて、アコースティックに近い感じだったんです。そこに少しジャズ・テイストも入れて......って話してたらどんどんジャズになっていき、僕はお手上げ状態になっていき(笑)。
-(笑) 世の中に疑問を感じながらも必死に這い上がろうとしている内容の歌詞と儚いサウンドの曲の雰囲気もマッチしてますね。
w-shun:こういうのをサラッとできる大人になりたいですよね。
-3曲のカラーが各々違っていて、これがまたアルバムに繋がっていくんでしょうね。
w-shun:そうですね。
-初回限定盤についてくるDVDは今年の7月25日に行われた、なんばHatch "INPUT ∝ OUTPUT" Tour -Final-の8曲が収録されますね。バンド史上最大キャパの会場で20台のカメラを使っての映像とのことですが、当日の撮影は大掛かりでしたか?
w-shun:いやぁ、すごかったですし、そのタイミングでは映像の使い道をまだあまり考えてないってことだったんで、こんなに予算かけて大丈夫なのかなって(笑)。クレーンもあったしね。
-見応えありそうですね! もうみなさんは見ましたか?
w-shun:見ました。最初見たときに全員で"すげぇ、プロみたい!"って言ってた(笑)。
-プロじゃないですか(笑)。なんばHatchは僕も行ったことがありますが、天井も高くて撮り甲斐のある会場ですよね。関西圏外のファンにとってもホームの大きな会場でのKOMを観れるのは嬉しいですね。そういえば話は変わりますが、アー写の雰囲気が大きく変わりましたね。以前はグランジなテイストでしたが今回はモダンになりましたね。
w-shun:色味的には普段に近いのかな? どうなんだろう? 俺とdEnkAに関してはわりと普段っぽいイメージなんですけど。明るいというよりは、攻撃的に進んでいくイメージですね。
ナオミチ:「How long?」がかっこいい曲なんで、ビシっとできたらいいなって。
-さて11月には幕張メッセでKNOTFEST、12月にはCOUNTDOWN JAPANも控えていますね。どちらもビック・フェスで楽しみじゃないですか?
w-shun:OZZFEST JAPANでも震え上がってたのにね。まぁどうあっても自分たちのライヴをすることしかないですね。そこから得るものって経験値としてすごい大きいと思うんです。「How long?」を作ってるときはKNOTFESTが決まる前でしたけど、「How long?」みたいな自分たちのもっとベーシックな音の部分を追及していきたいという衝動に駆られているところにこの話があったので、自分にとってすごい刺激的な1日になると思うし、いい意味で今の自分たちの立ち位置で抗ってライヴをできたらなって思ってます。別に守るものもないし、まだ何かを背負っていくバンドじゃないから。それがケチョンケチョンにされても、いい結果だったとしても、確実にそこに立てただけでもとてつもない経験になると思うから、ただの思い出作りじゃなくそれを逃さないようにしたいですね。自分のすべてに返ってくるような気がするんで生半可な気持ちではできないですね。
-日本のバンドはみなさんかなり気合い入ってますよね。
w-shun:やっぱりラインナップを見ると、こういう音楽やってる誰もが通ってくるバンドたちじゃないですか。だからこれほど光栄なことはないですね。
dEnkA:でもまぁいつもどおりやるだけですよ。変な気負いはしたくない。さらけ出していきましょう!