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INTERVIEW

ATARI TEENAGE RIOT

2014.03.17UPDATE

2014年03月号掲載

ATARI TEENAGE RIOT

メンバー:Alec Empire (Vo/Prog)

インタビュアー:藤崎 実

-こんにちは。今日は宜しくお願いします。最近どうですか?

かなり忙しいよ。今、フィルム用に音楽を書いてるところなんだ。すごくエキサイティングな仕事だよ。去年の10月くらいからかな。ATRのアルバムを作り終わってからだね。他にも色々やっていて、大晦日にはハンブルグで開催された大きなハッカー・コンベンションがあって、それに参加したんだ。カオス・コンピューター・クラブって知ってるかな?ハッカーのシーンの中でも重要な人たちが集まった集団なんだ。もう長いこと続いてる集団なんだけど、前回は30周年だったから大きなセレモニーがあってね。そこで流される映像のために音楽を書いたんだ。9000人くらいの前で上映された映像で、コンピューター・テクノロジーのここ30年間を映し出したものだった。その映像のための音楽を書いたんだけど、本当に興奮したよ。80年代なんて、アタリ・コンピューターを皆が使い始めた時代だし。そこからの発展を見ていくのは面白かった。10年ずつに区切って、各10年を表現した音楽を作ったんだ。例えば90年代だったら、インターネットの始まりとかね。そういうことは、ATRのレコードでも語られてることでもある。9000人がスタンディング・オーベーションで、それを見た時、そういったことを上手く表現できたんだなと実感できた。ショーのあとたくさんの人が俺のところにきて、ATRは語られるべきことを語っているミュージシャンだと言ってきたんだ。前のアルバムで俺たちが語ってたことが現実になったりもしてるし、自分たちもそれには驚いてるんだ。音楽ファンだけじゃなくて、テクノロジーが好きな人々やハッカー・コミュニティの人たちもATRのまわりで皆繋がってるんだなと感じたよ。それがレコードにも現れてると思う。これって、後半の質問に繋がる応えになるんだけど......(メールであらかじめ送られていた質問を見ながら)"「Transducer」は新たなサウンド・クリエイトの可能性を示唆した曲ですが、インターネットの急速な進化により、音楽シーンを取り巻く状況や楽曲の商品的価値も大きく変貌を遂げました。ATRはテクノロジーやコンピュータを利用し、人の進化を助長すべきだとのメッセージを発していますが、常人からすると、情報の並列化により新たなアイデアは食い散らかされ枯渇し、音楽的な表現方法は行き詰まってしまったかの様な閉塞感すら感じます。今後どういった未来を迎えると考えていますか?"っていう質問。これは全てのATRのレコードでテーマになってることでもある。俺の意見では、2つのタイプの人間がいるんだ。1つ目は、テクノロジーが全ての問題の解決策だとみなしていて、まるで宗教のひとつのようにテクノロジーと関わってるグループ。コンピューターの前に座って、よし、コンピューターでこれが出来るなら、これを受け入れて、コンピューターを使ってこれをやろう、っていう考え方をする。これは、限界を作ってるのと同じなんだ。コンピューターを新しいアイディアを発展させるツールとして使っているわけじゃない。コンピューターが出来ることだけを使って何かしようとしてるわけだからね。音楽シーンの発展を見てみると、そこに良い例がある。90年代や80年代の、初期のコンピューター・ミュージックでは、ミュージシャンたちは限界や境界線を超えたものを作るためのツールとしてコンピューターを使っていたし、コンピューターは、音楽を作るためにデザインされたものではなかった。アシッド・ハウスみたいな初期のテクノ音楽や、ヒップホップさえもそうかもしれない。それがハッキングのオリジナルのアイディアだったんだ。他のサウンドをカットして乗せたり、ディストーションさせたかったから、そのためにコンピューターを使った。スピードをめちゃくちゃ早くしたりね。楽器のひとつのような感覚でコンピューターを使ってたんだ。だからこそ、そうやって出来た音楽は面白かった。でも最近は、しかもそういう人たちがほとんどなんだけど、既にそういったテクノロジーを与えられた上で、それを使ってこれが出来るからあれをやるっていう姿勢で曲作りをやってるんだ。受け身なんだよ。それを使って何か新しいものを作ろうとしてるんじゃなくて、それがあるからそれで出来るものを作ろうとしてる。YouTubeも同じ。YouTubeを使ってすごいことをしようとしてるんじゃなくて、YouTubeでアップ出来るからといって食べ物やペット、自分の赤ん坊みたいなつまらない映像をアップしたり......90パーセントくらいの人が、面白いものを表現しようという気がないんだ。べつにそれはそれでいいんだけど、せっかくインターネットにはそれ以上のパワーがあるのに、それを使って何かやろうとは思ってない。そのせいで行き詰まりや、限界が出来てしまってる。すごく残念なことだよね。ビートだって、面白いビートをよりすぐれた技術を使って作ろうとしてるんじゃなくて、コンピューターで作られたシンプルなビートを、与えられたものとして利用してるだけ。今のそういう音楽より、50年代とか60年代のディスコ、ダンス・ミュージックとか、ボサノバのほうがよっぽど複雑な構成だと思うよ。リズムだって面白いし。もっと違うやり方で、インターネットやテクノロジーを利用すべきだと思う。