INTERVIEW
KNOCK OUT MONKEY
2014.02.17UPDATE
2014年02月号掲載
Member:dEnkA (Gt) ナオミチ (Dr) w-shun (Vo/Gt) 亜太 (Ba)
Interviewer:ムラオカ
-それぞれこだわったポイントや曲など教えてください。
dEnkA:う~ん、いっぱいあるなぁ(笑)。迷うなぁ。
w-shun:飯屋か(笑)!
dEnkA:じゃあ、後にします(笑)。
亜太:1曲ピックアップは難しいですけど、Track.5の「Change」とTrack.10の「Flight」とかで、ステップ・アップ系のウォーキング・ベースのラインを露骨にチャレンジして、しかもそれをサビでやるのが自分の中で挑戦で、いい結果も得ることができて発見もあったので、ベース的な目線での聴いてほしい曲はその2曲ですね。でもバンドとして、今までの僕らを知ってくれてる人からすれば1番気になるのは「Gun shot2」だと思うんです。初めての人が「Gun shot2」を聴いてインディ時代のミニ・アルバム『0 → Future』の時の「Gun shot」に戻ってもらえても面白いですね。まぁ全曲時間かけて作れたんで、どれも自信もっておススメできるんですけど、やっぱりまぁ「Flight」が分かりやすいですね。楽曲としても、ベース・ラインの動きも。結構リスナーでCDを聴くにあたってベースの音が分からないって人が多いんです。ギターの音との判別がつかないのか、そういう話を聞くんです。"ベースの音ってどれ?"みたいな。
-うーん。低音が聴き取りにくいパソコンなどの環境で聴いているからかもしれないですね。
亜太:そういう環境もあるんですかね。そんな人にもこの曲だったら"これがベースだよ"って提示もできるかなと。ヴォーカルを食ったりなどはしてないんですけど、過去の作品よりベースを前に出しましたね。今までの作品や自分のスタンスで考えた時に、今回ベースのフレーズも時間をかけて練りに練ったんで、より聴いてもらえる環境にしてもらったのはありがたかったんですが、最初は"こんなに出していいの!?"って戸惑いました。その辺も含めて「Flight」でベース・ラインを聴いてほしいですね。
-ベース・ラインはすごくカラフルですよね。
亜太:ラウドとかミクスチャーって、ギターのバッキングのボトムをなぞって、重心を下げて下げてっていう感じじゃないですか、僕も最初そういうイメージだったんです。でも今回ベースという楽器の持ってる可能性、提示できる表現の幅を広げることができたので、ベーシストとしての主張ができたなと思います。
w-shun:歌い手としては「I still」が1番楽曲的にはチャレンジできましたね。歌詞的に言いたかった攻めの姿勢が楽曲とリンクしてるので、この曲ができて凄いホッとしました。直接的に書き殴るようにして書けた曲で、それをリードにしたいとは言ってたんですけど、結果アルバムの肝になって、ド頭から掴みにかかるっていうのは嬉しいですね。あとはギター・プレイの面でいうとTrack.8の「Challenge & Conflict」のギター・リフが超好きなんです。僕が作ったんですが(笑)。"このリフかっこいい~!"ってずっと言ってたんですけど、出来上がるまで全然形が見えなくて。いろんなアレンジを試して、表現の仕方が楽器的に今までにないサビへの持って行き方とか、サビの鳴らし方ができたので、結果的に凄くインパクトのあるものになりました。以前の自分では作れなかっただろうなっていうか、得意としている音は鳴ってるけど、今までの経験がないとここには辿り着けなかったかなっていう曲です。自分が単純に第三者としてこのアルバムを聴いたら、この曲に引っかかるんだろうなと思います。
ナオミチ:僕的には全曲1曲ずつドラムのチューニングを変えたんです。曲に合うものを、何回も録って聴いて"これじゃない。もうちょっとこうしてみよう"って繰り返して、サウンド・プロデューサーさんと悩んでました。僕的にぜひ聴いてほしいのは、Track.3の「You have got freedom」なんですけど、これはもうどこまで鋼鉄な音でいくかっていう、結構スネアとか重たくすると疾走感がなくなるんですけど、できるだけギリギリの重さを保ちつつ、疾走感を失わないで、あと連打も多いんですけど、フレーズも含め追及してできたので、煮えたぎるものはありますね。
dEnkA:今回初めてギター・テックさんについてもらって、1音1音、1フレーズ1フレーズの音作りを細かくやったので、前のアルバムやシングルと聴き比べると鮮やかになったり派手になったりしてると思うんです。「I still」とかギターの音も挑戦的で、今までのKNOCK OUT MONKEYを知ってる人からすると"こんな音出すんだ!"って感じに聴こえると思います。どういう意見がくるのか楽しみですね。あとは「Sunrise」ですね。ギターの録り方も初めての試みがあったので、これもどういう反応なのかなと。曲的にも挑戦ですし、ギター的にもアコースティックを全編に入れたりとか。
w-shun:この「I still」と「Sunrise」の2曲に関してはアナログのミックスをしたんです。質感が全然違ったので、勉強になりましたね。温かみが違うというか。これだけデジタルで曲ができる状況にあって、あえて遡ってアナログの良さを知るっていうのは、作り手として今後こだわる幅がまた見えてきました。質感ってよほどかけ離れてなければ、いいかなって感じだったんですけど、こんなにも違うのかって。じゃあ自分たちにどちらが相性がいいのかっていう発見もできましたし。アナログ・レコーディングはこの2曲だけなんで、他のデジタルの曲との差が開きすぎてどうしようかと思って、徐々にデジタルである程度近づけることができたんですけど、しっかり聴くと質感は全然違いますね。
亜太:今回本当にいろいろ試したよね。そういう意味で凄く綿密に作り上げたアルバムですね。
dEnkA:ギターは前作『reality & liberty』では詰め込みまくる、濃い味付けのお腹いっぱいなギターだったので、今回はアッサリでもちゃんと味はあるっていう、スマートだけどちゃんとヴォリューム感あるギターというか。でも弾くとこは弾くという感じで。
-このアルバムに伴うツアーが4月から6月の恵比寿LIQUIDROOMまでありますが、初めての場所はありますか?
w-shun:いや、基本的には1度は行ったところですね。LIQUIDROOMはやめようって言ったのに......(笑)。この胃の痛みだけは本当にやめてほしいです(笑)。
-最後に各地で待っているファンにメッセージをお願いします。
dEnkA:今できる最高のベストな状態のアルバムができたので、ぜひ期待していてください。そしてぜひCDを聴いて、曲を覚えてライヴにも遊びに来てください。
-話は変わりますが、dEnkAさんには1月号からコラムをお願いすることになりましたが、第1弾はLED ZEPPELINに関して書いていたので驚きました(笑)。でもこういうギターのフレーズを聴くと納得できますね。
dEnkA:かなり古いのから拾ったんですけど、これからのコラムで90年代も攻めていこうかと思ってますんで(笑)。
-ご両親からの影響ですか?
dEnkA:いや全くですね。ギター始めた頃に先輩とかから薦められました。まともに洋楽のロックを自分から聴き始めたのはLED ZEPPELINが初めてでしたね。