INTERVIEW
鈴木このみ n' キバオブアキバ
2013.08.22UPDATE
2013年08月号掲載
Member:ふとし(Vo) もら(Gt) みつる(Ba) 浅井(Samp/Vo) VAVA(Dr) 青木昆陽(Key)
Interviewer:荒金 良介
-このみさんとはどんな話をしたんですか?
鈴木このみ担当者:彼女はこういう曲調は聴いたことがなかったので初めは戸惑っていましたが、この曲でやることは、モテてる人間の真ん中に1人で突っ込んでいくことだよ!って。いままで彼女がやったことがないような歌い方に挑戦することで、こんな風にも歌っていいんだって、発見も多かったと思います。まだ16歳なので、人生経験が乏しいんですけど、ムカツク気持ちや悲しい感情、いろんな気持ちが混ざることがある......それをこの曲で学べたんじゃないですかね。
ふとし:このみさんは甘いものと歌が好き!って感じで、キラキラしてて、感情がまっすぐなんですよ。僕は甘いものとイヤな感じの歌が好きで(笑)、陰と陽に分かれていたから、それがまた面白くて。ヴォーカルも僕はヒネクレて、彼女はまっすぐで、それが伝わったら面白いなと。だから、個人的に相性はすごく合うんじゃないかと思いました。
-キバオブアキバの曲も陰と陽は意識されてますもんね。今回の歌詞もすべてふとしさんが担当して?
ふとし:そうですね。キーワードをいただいて、それを膨らませて歌詞にするという。最初は要領が掴めなかったけど、だんだん面白くなって、好きにやらせてもらいました。
-歌詞もエッジがあるというか、攻めてますよね。
ふとし:攻撃性をいかに隠しながらも出すかみたいな。僕は男の声だからこそ柔らかい言葉を使う、このみさんの場合はいい声だからこそ強い言葉を言ってもバレへんちゃうって。それがうまくハマりましたね。
-アニメというお題はありつつ、歌詞トータルで伝えたいことはあります?
ふとし:モテないなら、モテないなりの工夫をしようぜと。そう工夫することで、モテる目標よりも先のことが見えてきたりするんですよね。ワタモテを読んで、僕はそこにいちばん共感したんですよね。日本人って、そうやって生き残ってきたと思うんですよ。
-というのは?
ふとし:スポーツなら海外と比べて体格が負けてるから、違うところで頑張るとか。映画なら黒澤明監督も海外の人にはない視点を持っていたからこそ、「世界のクロサワ」と評価されてるわけじゃないですか。今持ってるものをどう活かすか、それが大事じゃないかと。
-"ホレろ ホレろ ホレろ ホレろ/モテろ モテろ モテろ モテろ"の歌詞もインパクトありますね。
ふとし:結局はそういうことっす!みたいな(笑)。まとめちゃった感じですね。
-でもこういうことを言う人は、絶対モテませんよね。
ふとし:そうですよね......。ただ、ほれろというのも単純に異性に限定しているわけではなく、誰にモテたいのか、どうなりたいのか、好きな自分を目指そうよと。そういう解釈もできるんじゃないかと。色んな解釈ができる、という意味では「みんなのうた」が大好きで、「コンピューターおばあちゃん」とか......。
-懐かしいー!
ふとし:今歌詞を見ても深い曲だなあと思って。
-「私がモテないのは~」の歌詞はイジメ問題ともいろんな事柄にも通じるし、英語の歌詞に本当に伝えたいメッセージを込めているように感じました。
ふとし:ちゃんと言いたいことを英語にするのは、僕らがよく使う手法なんです。
-"I'm on my way to finding my way."とか、そうですよね?
ふとし:簡単に"にわか"とか叩かれることもあるじゃないですか。オタクVSにわか、みたいな。でも両方通過点だと思うんですよ。だから、人生はずっと通過点です、というのは一貫したテーマかもしれない。これが完成です、となったら、人間終わりだと思うので。僕も常にこのままで終われるか、という気持ちがありますからね。
-わかりました。キバオブアキバとしての単独音源は、そろそろですか?
ふとし:計画はしてるんですけどね。車で東京に来るまでに、またいろんなアイデアが浮かびました。僕らはどれだけ、自分達にしかできないことをやるかを考えているので。ちゃんとしたバンドも楽しんでほしいし、僕らみたいに1歩ハズれたバンドも楽しんでほしい。
みつる:僕らが音源を出すことで、みんなが何を求めているのか。それを考えて曲を作らなきゃいけない。その辺はメンバーみんなあえて言わないけど、秘めてるものがあるんじゃないですかね。
ふとし:でも結論はシンプルに、「面白い物を出せば、きっと聞いてもらえる」で頑張りたいと思います!