INTERVIEW
PARAMORE
2013.04.03UPDATE
Member:Hayley Williams (Vo) Jeremy Davis (Ba) Taylor York (Gt)
Interviewer:ムラオカ
-プロデューサーはJustin Meldal-Johnsenを起用していますね。あまりロックやパンク・シーンでは馴染みのない方ですが彼を起用した訳を教えてください。また彼との作業はスムーズに進みましたか?
Hayley Williams(以下H):今回、たくさんのプロデューサーたちに会ったの。それは私たちにとって新しいことだったの。通常はプロデューサーに会って、その人とスタジオに入るから。でも今回は、パーフェクトな人かどうかをちゃんと確認したかったの。それに、私たちがバンドとして今どこに立っているかを理解してくれる人が欲しかった。私たちは成功もしたけれど、今は変化をくぐり抜けて、全員が成長していて、新しいバンドのように感じてる。だからその部分を引き出してリアルにしてくれる人が欲しかった。そして、Justin Yorkに会ったの。彼が最初に会ったプロデューサーだったんだけど、そのミーティングがすごく良くて。その後でたくさんの素晴らしい伝説的なプロデューサーたちにも会ったの。Justinよりも、ずっとずっと多くのアルバムを手がけた人たちよ。だけど、私たちはJustinのことがずっと頭に残ってた。彼が私たちと一緒に過ごした時の部屋の雰囲気が、アルバムを作る際に私たちが感じたい雰囲気そのものだったの。それで彼に戻ったんだけど、本当に彼はパーフェクトな人だったわ。素晴らしいアイディアを一杯持っていたし、私たちがなるべきバンドになれるようにすることに対して寛大だった。素晴らしかったわ。間違いなく、アルバム制作としては過去最高の体験だったわ。それに彼はミュージシャンでもあるし、自分でアルバムも作ってるし、ツアーもしているわ。いろんな役をこなしていて、私たちがツアーで行った場所に彼も行っているの。だから、すごく通じ合えたのよ。
-今作に収録されるトラックを5曲聴かせていただきました。まず最初に感じた点が2つあります。かなりバラエティに富んでいるということと、今までのPARAMOREサウンドに固執することなく進化しているということです。そういった意見を聞いていかがですか?
H:嬉しいわ。
Taylor York (以下T):全然計画したことじゃなかったんだけどね。最初は、『Brand New Eyes』の延長線上にあるような作品を作ろうともしたんだけど、新鮮に感じられなくて、うまくいかなかった。アルバムに収録される曲はどれもかなり異なってるんだけど、どの曲も偶然に始まった感じだったんだ。でも、アルバムとしてのまとまりをどうやって持たせればいいんだろうって、少し不安にもなったんだよ。でも、神の力か何か分からないけど(笑)、結局うまくいったんだ。僕たちは本当に様々なタイプの音楽が好きだから、それを生かしたんだ。全ては自然に起こったんだよ。
-メンバー・チェンジもありましたし、自ずと今までの作品と制作過程に変化があったと思うのですが、過去作と今作においての制作過程の違いを教えてください。
H:明らかにこれまでとは違ったわ。私たちは違うバンドになったように感じてるの。私は新しいことにインスパイアされてたし。『Brand New Eyes』の時にインスパイアされたことと、今インスパイアされることは違ってる。私がメロディと歌詞を最初に書いて、その周りに楽曲を築いて、っていう新しいやり方も試みたんだけど、その方法が続いたのは最初の数曲だけだったの。その後は、Tayorが作っている楽曲を聴いて、それが全然PARAMOREっぽいサウンドじゃなくって、"それ何?そんなの今まで聴いたことなかったけど"って言って、それが最終的にPARAMOREらしい曲になったりしたわ。今は全曲PARAMOREの曲に聴こえるけど、作り始めた当初は、全くそうじゃなかったのよ。さっきTaylorが言ったように、その多くは偶然に始まって、新しいことにインスパイアされてたの。普段は最初のインスピレーションと完成した曲は似通ってたんだけど、今回はスタジオに入ってから、常に新しい部分を書き加えていたの。例えばJeremyが長時間かけてベースのパートを作って、その後でJustinが音程を調整して、そうやって曲にかけた全ての時間と部分が、完成した新曲になったの。その点がすごく違っていたわ。過去の作品では、そういう贅沢な時間が持てなかったのよ。
Jeremy Davis(以下J):その過程で曲が本当に成長したんだよ。オリジナルのデモから、その曲をプレイしてみて、それからスタジオに入って、ミックスして、マスタリングしてっていう段階を経て行くうちに、段々とそれぞれの曲がまとまって1つになったんだ。アルバムとして統一感があるサウンドになったから、そこでやっと僕たちは、この作品は行き過ぎじゃないって、安心できたよ。
-さて収録曲について聞いていきたいと思いますが、まずは「Fast In My Car」。このトラックはPARAMOREにとって過去に類を見ないギター・ロック調のトラックですね。BLURなどの90年代のUK発信のブリット・ポップを想起しましたが実際のところいかがでしょうか?またそういったブリット・ポップの影響は受けていますか?
H:プリット・ポップにはすごくたくさんいい曲があるし、良く聴くけど、それがこの曲の影響になったかどうかは疑問だわ。でも、私たちは3人ともそれぞれに違う音楽が好きで、それがすごく私たちの強みだと思うの。本当に様々なところから引き出せるから。私はJeremyがあまり好きじゃないバンドにはまっていたりするし、Taylorが作ったパートを聴いて、"すごい、それなに?"って思うと、それが私が聴いたこともないバンドに影響されていたりするの。今の私たちは過去最高にオープンでいられてるから、そこが強みになってると思う。以前はもっと"これがPARAMOREで、PARAMOREはこういうサウンド"って決まってた感じだったけど、今回は"あのバンドがこういうサウンドやってたんだけど、私たちのバージョンを試してみようよ"って、私たちの影響を取り入れることができたの。すごく自由だったわ。
-1stシングルである「Now」は私が聴いた中でもあなたの歌唱力の成長が特に強く感じられた1曲です。ジャンルは違えど、BjorkやNO DOUBTのGwenを彷彿とさせます。この曲でヴォーカリストとして表現したかったことを教えてください。
H:う~ん......分からないわ。私はとにかくいいパートを書きたかっただけで、その後でマイクの前で歌わなきゃならなくなって、"上手に歌わなきゃ、どうしよう"って思って。前作のツアーの後、そんなに歌ってなかったから、ヴォーカルをレコーディングする2週間前に真剣になって、またヴォーカル・レッスンを始めたの。よりいいシンガーに聴こえるものにしたいとは思っていたけど、私らしいサウンドにしたかったの。ベストの私になりたかったの。
-この曲を1stシングルにセレクトした理由を教えてください。
T:『Riot!』を発表した時、「Misery Business」が1stシングルで、オルタナティヴ・ラジオで本当に良く扱ってもらえたんだ。それで僕たちはブレイクして、ロック・バンドとして名前を広めることができた。それがすごく嬉しかったんだ。オルタナティヴ・ラジオとはすごくいい関係を築いてるから、シングルを選ぶ時に、オルタナティヴ・ラジオのことを念頭に置いていることもあるんだ。僕たちのブレイクを助けてくれたからね。この新作には、これまでよりもポップな曲が入ってると言う人もいるかもしれないけど、でも僕は、今の僕たちはこれまでで1番、ロック・バンドだっていう事実を大事にしている気がするんだ。だからたとえ僕たちがポップな曲を作っても、PARAMOREはロック・バンドなんだってことを、最初にみんなに示したかったんだ。それに何より、僕たちがこれは良い曲だって思ってるから。
J:あと、この曲の歌詞は、僕たちがこれまでどこにいて、そして今は戻る準備ができできてるってことを説明するものになってるんだ。歌詞だけじゃなくて、そういうフィーリングがある曲になってるからさ。
H:そう、強力に感じるの。ライヴでプレイするのが楽しみよ。ファンはこの曲のメッセージに共感してくれると思うから。そう願ってるの。
-またこのトラックのPVはすでに出来上がっているのでしょうか?もし完成していましたらどのようなものになったのか教えてください。
H:まだよ。でも、もうすぐ撮影するの。すごくこの曲に合うPVになるはずよ。