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INTERVIEW

JAWEYE

2012.12.07UPDATE

2012年12月号掲載

JAWEYE

Member:上田 浩平 (Vo/Gt) 師崎 洋平 (Gt)

Interviewer:沖 さやこ

-1stフル・アルバム完成おめでとうございます。丁度今日、CDが完成しましたが、率直なご感想をお聞かせ頂けますか?

上田:やっとできたなって感じはするんですけど、制作期間自体は短かったんで、凄く作品として新鮮ですね。1stミニ・アルバムは、ずっとあった曲を初めて形にしたから“おお~、やっとできた!”って感じだったんですけど、今回は客観的に自分たちの曲を聴けるというか。制作スパンが短かった分、凄く新鮮味があって、自分で聴いてて楽しいですね。

師崎:結構作るのが苦しかったです。僕は頭の中でしっかり考えながら曲を作るタイプなんですけど、あんまそういうのできなかったなって。今回は制作期間が短かったんで、瞬発的で衝動的な感覚で曲を作っていったんです。だからいつも作ってできるような楽曲じゃないような瞬発力や爆発力が期せずして出るところがあって、予想だにしないところもあったりとか。

上田:作ってるうちに曲に導かれる感みたいなのが凄くありましたね。あんま考えてそういう風に作りこむんじゃなくて“この曲はこれを呼んでるんだ”みたいな感じで直感的に作っていく感じというか。もちろん考え込んで作った曲もあるんですけど、全体的な曲の制作の進め方として、みんなの意見を取り入れながらそういう風にやってましたね。

-今作は躍動感やライヴ感が凄く強い作品になっていると思いました。

上田:生々しさは、素直な作品になったからだと思います。時間がないから、自分たちのいま持っているスキルで行ける最短のルートで進んでいくってことを考えたときに、素直にやっていくしかないんですよね。背伸びしないと自分たちのありのままの“いい”って思ったものがそのまま形になるから、それだけ躍動感や生命感のある作品になると思いますね。

-リズムが生きた作品にもなっていますね。

上田:シングル『STARGAZER』の辺りから、サウンド・アプローチのところでは踊らせる音楽を参考にしてて。ドラム系を前に出してるし、ベースのあり方とかギターのあり方とか、音の配置をなるべく3Dにしていって。よりライヴ感があって、聴いている人が立体的に音を感じることができる。ビートももちろんそうなんですけど、サウンド・アプローチのところで踊れるように作ってると思います。

師崎:頭ん中で“こうなってこうなってこうなっていくんだろうな”って導き出す数学的な感じというよりは、浩平とかと曲を作っていって、1個ネタができて、それで形作ったとき、聴いてるときにお客さんのつもりになって飛び跳ねたりすることが多くて。とにかく時間が短いっていうのもあってテンパッてるから(笑)。これがいいのか悪いのかって頭で計算するよりも、うわーって動いてやることを大事にしていったりとか。それでもうフラストレーションたまりまくって、次の日ライヴでまたボーンと発散して……っていう、凄いシンプルな作り方でいったので。計算されつくして、お客さんをコントロールして動かして踊らせるというよりは、自分たちがお客さん視点になってて。凄く肉感のある感じとかはそういうところから来るのかな。JAWEYEって……有機と無機みたいなものがあって、無機な部分は3D感やサウンド・メイキングで、今回は有機なところが多いと思っていて。それは俺たちが実際お客さんとして曲で踊ったりしながら作ったから、より人間っぽくなったし、歌詞もいろいろ考えて考えて吐いた言葉よりも、ポッと出た言葉のほうが肉感が出たりリアルがあるから。今回はそれが強く出たなって感じがあります。

-すごく肉感は感じるのに、デジタル・サウンド感は洗練されてますよね。今作が1番そういうところは強いと感じました。音の鮮やかさとかも。

師崎:それは多分、マニュピの広祐(高橋広祐/Mp)がデカイと思いますね。あいつが感情やリアルをあの音で表現していくと、デジタル感が増していって。俺や浩平が考えるバンド・サウンドがグッと出てくるとライヴ感とか生感みたいなのが強くなって。その2つ、どっちも同じくらいの力でぶつかり合ってるから、広祐の我が出てくるとよりデジタルなところも浮き彫りになっていくのかなって感じですね。

上田:そこは音バッサリなくして全部マニュピで、っていうパートとかもいっぱい作ったからね。マニュピもギターも全部一緒に作ってたから。本当に同時に進んでいった感じ。“これはこのまま広祐パートにしちゃおうぜ”とか。最初バンドで作っちゃうと、割とそれで成立する曲になるんですけど、そこをみんなで作ってったから。

師崎:特に1曲目の「Lost Control」は3人でああだこうだ言いながら……だからマニュピ感っていうのも凄く強い曲になってると思うんですよ。昨日もスタジオで合わせたんですけど、ガンガンマニュピが鳴ってるんだけど、生感とマニュピ感のぶつかり合いが俺としては楽しかったですね。1番出てんじゃないかな。

-この曲はヴォーカル・エフェクトのインパクトも絶大ですよね。

上田:今までの作品は基本的にオートチューン・ベースのヴォーカル・エフェクトを掛けてて。エフェクトっていいんですけど、後輩のバンドがライヴで全曲ずっと同じエフェクトを掛けてるのを聴いて“飽きるなー、曲の違いも分かんねぇなぁ”って思ったけど“それ俺らもだわ”って(笑)。じゃあ、例えばエレファントカシマシの宮本さんとか、斉藤和義さんみたいなTHE歌うたいみたいなアプローチを俺がやれば曲の幅が広がるのかっつったら、それは一朝一夕でできることじゃないし、違うと思うんですよね。俺たちのやろうとしてることから乖離してしまう。だったらよりエフェクトを掛けちゃおう! って。例えばこの曲はボーカロイドみたいなアプローチを入れてるんです。1言ずつ言葉を入れて貼り付けて。Aメロでよりエフェクティヴにして、サビをオートチューンでバーン! とやるとこっちが生々しく聴こえてくるじゃないですか。そういうところで飽きなくさせるっていう馴染ませかたのほうが俺たちに合ってるんじゃないかなって。「Lost Control」に関してはそういうアプローチをヴォーカルにしてますね。逆に「オートメーター」とか「ASPIRIN」「and Cry」っていうのは、逆に生っぽくというか、ちょっとニュアンスが出るように歌ってます。