INTERVIEW
AS I LAY DYING
2012.09.11UPDATE
2012年09月号掲載
Member:Nick Hipa (Gt)
Interviewer:ムラオカ
-今まで以上にコーラス、シンガロング・パートに煽情力と色鮮やかさが出てきましたね。今作の聴きどころの1つじゃないでしょうか?
そうだね。今回のアルバムで特にシンガロングできるパートを増やそうというプランが前もってあったわけではなかったんだけどね。今回の曲作りの中で自然にそういう曲が集まったってことなんだ。曲全体の構成が決まって歌詞のコンセプトが決まって、そこから歌のメロディが付いてくるんだけど、もともとの曲全体の感じや歌詞の内容の流れでサビが入って来たってことだね。曲全体の仕上がりや流れを大事にして作っていたから、逆に"もう3曲もメロディックなサビがある曲をつくっちゃったから2曲くらいはクリーン・パートなしの曲を作らないとね"みたいな考えも出てこなかったし。でも実際、自分たちが思っていたよりもシンガロングできるパートが多くなったのも確かだよ。ホントJoshが大活躍だね(笑)。だからって曲の勢いが衰えたわけじゃないしね。
-また1曲、1曲のメロディ構成が過去最高にしっかり練られているように感じましが、"メロディのさらなる充実"は今作を語る上でのキーワードの1つではないでしょうか?
ありがとう!さっきも言ったように、良い曲を作ろうとしたらメロディが増えたっていうことなんだけど、作曲に関しては俺たち自身がミュージシャンとして作曲能力が上がったり、演奏技術が上がったりして、それでより良いアルバムを完成させることができたと言えるんじゃないかな。多分、純粋に前のアルバムを出した時より"良いバンド"になってると思うんだ。
-とは言え、ソフティケイトされた訳ではなく、アグレッション満載なブレイクダウンなどもあってライヴでのキッズの暴れっぷりにも期待できそうな曲が多いですよね?
早くライヴで新曲をやりたいけどね。今ライヴでやってる曲は既に音源を公開してる1曲目の「Cauterize」だけなんだ。ちゃんとした音源を公開する前に演奏して、それを音質が悪い状態で録音したものをYouTubeにアップされたりしたらイヤだろ?新曲を最初に聴く時はちゃんとした音で聴いてもらいたいよね。それによって曲の印象が悪くなったりしたらガッカリだからさ。そろそろ「A Greater Foundation」のミュージック・ビデオが公開されるから、そしたらこの曲もライヴで演奏することにするよ。
-今作は6枚目のフル・アルバムですね。どのバンドも今作が最高傑作だと、皆さん取材をすると言うものですが、あなたがたの最新作『Awakened』は確かに傑作ですね。自分たちでは今までの作品とこのアルバムを比較してどう評価を下しますか?
ありがとう!俺たちみんなこのアルバムが今までで最強のアルバムだと思ってるよ。さっきも言ったように俺たちみんなが成長しているから、作品も成長していってるんだと思う。家でもツアー中でも何か新しいアイディアがないか考えているしね。それに、それが俺たちの楽しみでもあるんだ。今までとただ違うことをやれば良いとも思ってなくて、自分たちがエキサイトできるような曲作りをしているつもりだよ。そういう意味では凄くナチュラルにできあがった作品だね。
-今作に収録されている曲でのPVは制作中でしょうか?制作中でしたらどのようなものになるか教えてください。
メイヘム・ツアーが始まる前、8月頭くらいに「A Greater Foundation」の素材を撮ったんだ。多分もうすぐ公開だと思う。内容は楽しみにしててくれ!
-あなたがたは00年に結成して、早12年が経ちました。あなたがたのようなエクストリームな音楽をずっとやり続けるということは、同時に凄まじいエネルギーが必要なのではないでしょうか?モチベーションなりテンションを維持していく秘訣を教えてください。
俺たちはもうただやるべきことをやってきてる感じなんだけど、やっぱり続けてこられたのは周りのサポートがあったからだと思ってる。そしてサポートしてくれているファンのために、常に前作よりも出来の良いアルバムを出してみんなをガッカリさせないように期待に応えてきてるつもりだよ。これの繰り返しで今まで続いてきてるってことかな。俺たちは曲作り、音作り、演奏、全てにおいて目標を高く掲げていて、常に成長や改善はしているものの、自分たちの出来栄えに満足したことはないんだ。それで"次はもっとここを頑張ろう"っていう課題ができる。だからやめられないんだよ。
-前作、前々作と2作連続でビルボード・チャート・トップ10入りを果たすほどに、今や安定した人気を誇るあなたたちですので、すでにバンドとして今まで掲げてきた目標の多くを達成しているのではないでしょうか?
うん、そうだね。05年くらいに設定してた目標は達成しているかもね......。最初は俺たちみたいな音楽がこんなに広く受け入れられるなんて思ってもいなかったんだ。だから日本を含めて、海外でツアーをやったり、ビルボード・チャートの上位にランク・インしたりなんて、結成当初は目標にすらしていなかったよ。もちろん自分のやりたい音楽を作って演奏していくだけでも楽しいけど、受け入れられることはもっと嬉しいことだからね。
-メタルコアが登場した際は一過性の流行もの的な扱いをするメディアもいましたが、KILLSWITCH ENGAGE、SHADOWS FALL、ALL THAT REMAINS、UNEARTHなどどのバンドも今も変わらず第一線で活躍していますね。メタルコアが常にロック・シーンで必要とされているのはなぜだと思いますか?
多分、メタルコアとかの細かいジャンルのくくりってバンド自体が言ってることじゃなくてメディアが音楽性を説明するために使ってるものだと思うんだけど、俺自身、へヴィ・ミュージックのファンだから俺自身がそういう音楽をリスナーとして必要としている面はあるよね。俺がリスナーとして思うのは、メタルコアでもスラッシュ・メタルでもハードコアでもその他のへヴィ・ロックでも、必要とされるのは、どこか独自の新しさがあって何よりも"Honest(誠実・正直・正当)"に音楽と向き合ってるバンドの音楽だと思う。だからメタルコアに限らず、メタル・コミュニティにいるバンドの中でトレンドで終わらないバンドには、そういう要素があると思うんだ。
-それでは最後にファンのみなさんにメッセージをお願いいたします。
いつもサポートしてくれてありがとう!ほんとにほんとに早く日本に行ってライヴがしたいと思っているんだ。もう随分長いこと行ってないからね。他のどこよりも日本に行きたいと思ってるんだ。それから激ロックにも、いつも感謝してるよ!