INTERVIEW
LOST
2011.04.07UPDATE
2011年04月号掲載
Member:HIROKI(Vo) TAG(Dr)
Interviewer:ムラオカ
-良い曲になりました?
H:まさにこの曲です(笑)。※バックでTrack.4「Silver Flame」が流れている。
-収録するだけのギリギリの曲数しか作らないか、或いは収録する以上の曲を作って取捨選択するタイプでしょうか?
T:僕たち一枚のアルバムの中に、ある程度ストーリー性を持たせて、その各章の題名を付けていく感覚なので、曲のタイトルが先にあり気なんですね。最初に曲目が全部出来て、こういうアルバムにしようみたいな。じゃあどんな曲がいいかっていうところでみんなで作っていくんで、捨て曲自体はないですね。なんか偶然出来た曲を寄せ集めたとかじゃなくて、もとから予定してたところに当てはめていく。そのプロセスの中で、どうしてもこの曲はちょっとイメージとずれてきたなみたいなことが出てくるんですね。その時は曲潰すこともありますね。だから、Bサイド集みたいなのは特にないんですけど、同じ曲名でダメになった曲というのはあります。分かりにくいですけど(笑)。
-一枚のアルバムの中に、ストーリー性を持たせてとおっしゃっていましたが、コンセプト・アルバム的な発想なのでしょうか。確か前作は自分探しの旅というころがコンセプトでしたよね。
T:正にそうですね。
-今回も同じようにコンセプトがあるんですか?
T:コンセプトっていうとちょっと大袈裟かもしれないですが、テーマがあって、“季節”と“色”が一番軸になってますね。もともと欧米から入ってきたロックっていうものを、僕たちが日本人のバンドとして、どういうことを武器にして、何を自分たちの色として、どう消化して、どう返答するかというのを、常々考えてはいます。もちろん日本のみんなに聴いてもらいたいというのはあります。ライヴも日本でやることが一番多いわけですし……でもその先というのをやっぱり常に考えていて。海外でって考えた時に、日本を感じるものってなんやろうって考えた時に、フロリダのバンドだったら、なんかカラッと暑いところの雰囲気があったり、シベリアの36CRAZYFISTSはとても切ない、寒い感じの曲を書きますし。イギリスのバンドはちょっと湿っぽいというか……。そういうものを考えた時に、日本には四季があるなって考えて、四季を楽しむのと同時に、音楽もそれに合わせて変えられる楽しみがあったり、昔から季語を俳句に入れたりするのと一緒で、音だったり言葉だったりで、季節をより楽しめるというか……。例えば、夏に冬の曲を聴いても別にいいと思うんですよ。冬のこと思い出したり、冬になったら何しようかなとか思ったりと。でもそういうのって日本じゃないとなかなか難しいんじゃないかなって。それにさらに色のイメージを加えつつ、最初に曲の方向性をみんなで共有して、そのテーマに沿ってみんなで曲に色を塗っていくようなイメージですかね。画を描いていくようなそんなイメージですね。ただ季節季節してても、やりすぎな感じは避けたかったんですよね。
桜だとか卒業とかっていう曲が3月4月に入ると多いと思うんですけど、そういうことではなく、もっと漠然といろんなものが入っているっていう……。コンセプトと言えばコンセプトなんですけど、このアルバム通して一回聴いて、“なんか一回季節を巡ったな”みたいな感覚になってもらえたら大成功です。
-このアルバム・タイトルである『The Monsoon』も季節に絡んだ言葉ですね?
T:季節に関わる言葉だったり、四季をもたらすタイトルをいろいろ考えてたんですけど、なんかちょっと暑苦しいイメージではありますが、『The Monsoon』にしました。モンスーンっていうと湿気が多い、梅雨のイメージだったりすると思うんですけど、季節風が吹くことによって、日本っていう場所に四季があったり、あと風っていうイメージがすごくピッタリだったんで……。
H:2人でアルバム・タイトルをどうしようかと相談してたんですが、モンスーンってタイトルが出てきた時に、一目惚れじゃないですけど、ビビッときました。
T:単純に季節って考えた時に“SEASONS”みたいなのも頭に浮かんだんですけど、季節そのものじゃなくて、季節を作るものっていうか、季節があるきっかけになっているものにしようと思い『The Monsoon』にしました。
-BELLWOOD RECORDS と契約が決まった経緯を教えてください。バンド・サイドからアプローチしたというよりは、レーベルさん側からお誘いがあったのでしょうか?
T:はい。ある程度のところまでは来れたっていう自信もありつつ、次のステップに行きたいっていう気持ちがすごくあったので、それが無理なら活動自体を見直そうっていう話を2010年になった位にしてたんですね。年内に次のステップに進めるような話がなければ、“失敗だね”ってケジメをつけようっていう話しの中で一生懸命ライヴをして、ツアーをしてっていう中で、ある日、ポンとお誘いのメールが来たんですけど、その方とは全然面識もなくて、後で聞いたら、たまたまCDショップでジャケットが気になって聴いたら良かったっていう。そんなところで、評価してもらってお話いただいてのは初めてのことやったんで嬉しかったですね。