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INTERVIEW

FOO FIGHTERS

2011.03.31UPDATE

2011年04月号掲載

FOO FIGHTERS

Member:Dave Grohl(Vo&Gt)

Interviewer:山本 真由

-アルバム全体の歌詞の内容についてですが、どういったメッセージがこめられているのでしょうか?特に思い入れの深い曲がありましたら、内容の解説もお願いします。

今回のアルバムの歌詞はレコーディング前には一切書いてなくて、レコーディング中に書いたものがほとんどなんだ。他のバンド・メンバーやButch、Chrisとレコーディング中に話した内容が強く歌詞に表れていると思う。過去・現在、生と死、再生と新たなスタートを切ること、パーソナルな内容でありながら「時の流れ」を意識したものが多く含まれている。

-アルバム・タイトル『Wasting Light』は、“Waste”にはネガティヴなイメージ、“Light”にはポジティヴなイメージがあると思いました。実際はどんなメッセージがあるのですか?

実は『Wasting Light』ってタイトルに決まる前は『White Limo』に決まりかけていたんだ。今回のタイトルはかなり迷って、セカンド・アルバムみたいにふざけたタイトルにしようと思っていたんだけど、結局は「Miss The Misery」の歌詞にもなっている『Wasting Light』に決まったんだ。「Wasting Light」はカメラマンや映像関係者が良く口にするフレーズで、撮影に適している時間帯っていうのは限られているからそういう時に“太陽が出ている時間を無駄にしているぞ!”っていう意味でよく使われるんだ。今回のアルバムのテーマの一つに“時”というのがあるから、アルバム・タイトルも“時”に関連したものにしたかったんだ。

-本作は全てアナログ録音にこだわり、Daveのガレージでミックスまで行われたということですが、制約のある環境でレコーディングされたという印象は全く無く、むしろ非常に完成度の高いサウンドに仕上がっていると感じました。Daveのガレージにはどれほどの設備やこだわりの機材が揃っているのでしょうか?

ミックスまでガレージでやっちゃうって発想は、アナログでレコーディングするという決断よりも勇気が必要だったと思う。ミックスは48トラックで行うから、最近はオートメーションが利用されることが多い。ベースの編集を一箇所すれば、ミックスコンソールが自動的にやってくれる。だけどアナログで録った素材をそんな手順でミックスしたら、ガレージでクリエイトした荒削りな音が失われてしまったんだ。俺にとってはフラストレーションがたまる出来事だった。そこでミックスもガレージでやることになった。その代わり、普通はパソコンで処理するような作業も全て手作業。ミックスデスクには4人ぐらいが常時張り付いていて“ここのミドルセクションではドラムのこのパートを落として”とか。 ミックス用にはガレージの機材はあまり増やしていない。だけどガレージをスタジオ化するには何ヶ月もかかった。ドラムのレコーディングが実際に可能なのかテストを重ねたし。ガレージでのレコーディングと言っても8トラックで録ったわけじゃないからさ(笑)。ちゃんとした機材を普通に使った。音質に一番こだわったかな。

-FOO FIGHTERSのウェブサイトでは、新曲が少しずつ公開されたり、ラジオ型の特設ページが設けられたりと、アルバム・リリースまでファンを期待させる仕掛けが色々考えられているようですが、これはどなたのアイディアですか?

誰のアイディアだったかな?覚えていないけど、オレは名案だと思った。なぜこういうことをしたかというと、LAでウオーミングアップ用のライヴを始めたときに、ライヴの詳細のおもしろい伝え方がないかということであのラジオ型の特設ページが生まれた。だからこまめにチェックしていれば“おっと、今晩ライヴやるじゃん!”ってことでチケットを買いに走りにいけるわけ。

-また、バレンタイン・デーにはファンへのギフトとして「White Limo」のミュージック・ビデオも公開されましたね。MOTORHEADのLemmy Kilmisterが登場したり、ユーモアのセンス溢れる楽しい映像になっていますが、これはどういった経緯で作られたものなのでしょう?

これは俺のアイディアだよ。曲がパンクロック調だから“80年代のパンクロック・ビデオみたいなのを作ろう!”ってことになった。“VHS撮影の超低予算で作りの荒いビデオを$1000ぐらいで作ろう!”っていうことで、まずはオークションでVHSのカメラを落札することから始まった。VHSカメラを手に入れたら今度は使い方を確認して、俺が手がけたペラッとした1ページの脚本に沿って撮った。Lemmyのお迎えでリムジンの中でパーティーさ。スタジオ周辺で一日かけて撮り終えた。予算をしっかりとって、ちゃんとしたディレクターを立てたビデオよりもおもしろおかしい作品ができたよ。ヘアメークや衣装なんかもちゃんとしたビデオよりもおもしろいし、クールだよ。

-先日発表となったグラミー賞では、DaveがLED ZEPPELINのJohn Paul Jones、QUEENS OF THE STONE AGEのJosh Hommeと共に活動しているTHEM CROOKED VULTURESがハードロック・パフォーマンス賞を受賞しましたね。こういった、サイド・プロジェクトが、FOO FIGHTERSとしての活動にも影響を与えているのでしょうか?

俺にとってドラムを叩ける場があるのはすごく重要なんだ。敬愛するミュージカル・ヒーローとの共演はすごく刺激になったし、ドラムを叩き、新たなメンバーとのコラボレーション、フロントの座を他の人に任せられる気楽さを一時的に体験することによってFOO FIGHTERSに対する新たな熱意が込み上げてきた。THEM CROOKED VULTURESとの活動を通して、またFOO FIGHTERSを仕切る情熱が湧いて来たんだ。