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INTERVIEW

UPLIFT SPICE

2010.09.10UPDATE

UPLIFT SPICE

Member:千織(Vo) ユーキー(Gt)

Interviewer:MAY-E

-へぇ、ちなみにどの曲が英語だったのでしょうか?

ユーキー:「シェルター」と「地上のエデン」、「タイムカプセル」の3曲ですね。

千織:だけど、実際に録り終えてみたら、英語よりも日本語のほうが断然感じが良かったんです。

ユーキー:うんうん。

千織:メロディはきれいだしスッと入りやすくて、普段洋楽ロックを聴いているファンにもアプローチできるサウンドではあると思うんです。だけど英語で歌ってしまったら、それは千織じゃなくていい。別の誰かがやればいいって思いました。やっぱり日本語の方が面白いんですよ。

ユーキー:そうそう、より再認識出来たよね。

-そうだったんですか。「UPLIFT SPICEにはやっぱり日本語だ!」っていう気づきは、メンバー4人に共通するものだったんですか?

ユーキー:はい、そうですね。実際にやってみて「ああやっぱりダメだ、違う」って思えて。

千織:英語の方がしっくりくるなら、それはそれでいいんですよ。良いと思ったら、英語でやっていたかもしれないし。

-うんうん。

ユーキー:例えばフランスなんかにも、日本語が好きな人はいっぱいいるんですよね。そういう人達からメッセージが来ることもあります。わざわざ日本語に翻訳してくれたりしてね。だから日本語で歌っていても、伝わるところにはちゃんと伝わっていくんだって感じました。ブラジル人が一生懸命日本語で歌っている動画もあるみたいですし。

千織:それって、私たちが必死になって英語で歌うのと同じですよね。日本人って、外国人に対してコンプレックスがあったりする人が多いと思うんですよ。英語は話せたらいいとは思いますけど、せっかく歌詞を書くんだったら、私はやっぱり同じ日本人に伝えたいって気持ちが大きくて。

-なるほど。確かに洋楽ロックのリスナーの中には、日本のバンドや日本語のロックに偏見を持っている人もいたりしますよね。そういう現状の中、来日したバンドのオープニングアクトを努めたことは、UPLIFT SPICEにとって大きな挑戦だったのではないかと思うのですが。

ユーキー:はい、だから「日本語でも十分かっこいいことが出来る」ってことも思いつつライヴに臨みました。日本語っていうだけで毛嫌いする人もたくさんいますけど、日本語でもかっこいいって言ってくれる人をもっと増やしたくて。

-そうですね。とてもインパクトのあるライヴでしたので、良いリアクションもたくさんあったのではないかと思うのですが。

ユーキー:はい、ありました。外国人ばっかりでしたけど(笑)

千織:そうそう。CDを買ってくれた日本人は、ほんの数人でした(笑)外国人のお客さんの方が断然多かったんですよ。

ユーキー:みんな「アメイジング!アメイジング!」って言ってくれて。外国人の方が感動を素直に表現してくれますよね。SUMMER SONICの時も、外国人がわらわらと集まってきて暴れていく、みたいな感じでしたし。

千織:まぁ、それはそれで嬉しいんですよ。英語の方がメロディもきれいだと思いますしね。ただ、私のメッセージの発信相手は別なところにあって。

-なるほど。歌詞とメロディが別々で作られているのに、千織さんの歌詞はとてもきれいにメロディにのっていますよね。もともと日本の音楽ではなかったロックに日本語をのせる難さは感じますか?

千織:はい、デモの段階ではメロディは鼻歌なんですけど、サウンドだけ聞くと、まるで洋楽みたいだし。英語だったらこんな感じなんだろうなって想像したりはしますよね。そこに日本語をのせるのは本当に難しいです。

-千織さんの歌詞ってフィクションなのかノンフィクションなのか分からない不思議な世界観があって、それがUPLIFT SPICEの魅力になっていますよね。どんなことにインスパイアされて歌詞を書くことは多いですか?

ユーキー:妄想だよね。

千織:うん、そうですね。

ユーキー:ハハハ!(笑)

千織:でも本当に、妄想が多いです。ほとんどの場合、歌詞は最後に書いているんですよ。やっぱり楽曲が完成に近づいてからの方が世界観も見えやすいですし。以前は、歌詞と楽曲を同時進行でやっていたこともあったんですけど、そうすると後々歌詞を書き直さなきゃならないことも多くあって。それなら楽曲を先に固めてもらって、そのサウンドを聞いてイメージを膨らませて歌詞をつけようと。

-なるほど。今の日本の音楽シーンって、恋愛感情を赤裸々に綴ったような直接的な表現をしている歌詞に溢れていると思うのですが、千織さんの書く歌詞はまた一味違いますよね。歌詞の面で影響を受けた日本のミュージシャンはいますか?

千織:歌詞に引き込まれたことは一度だけありました。桑田 佳祐さんのアルバム「ROCK AND ROLL HERO」なんですけど。昔、私が入院をしている時に、父親が「暇やったらこれでも聴いとき」って置いていったアルバムなんです。桑田さんの音楽は詳しくないんですが、これは歌詞を読んで「すごいな」って思いましたね。