INTERVIEW
UPLIFT SPICE
2010.09.10UPDATE
Member:千織(Vo) ユーキー(Gt)
Interviewer:MAY-E
-千織さんの歌詞にも引き込まれるような表現が多いので、本をたくさん読む方なのかなぁとも思ったりしましたが・・・
千織:本はぜんっぜん読まないです!(笑)漫画はものすごく読んでいるんですけど(笑)
-ハハハ(笑)ちなみにどんな漫画を読まれるんですか?
千織:ええと、だいたい刀を持っていたら好きですねぇ。 ユーキー:BLEACHとかね(笑)
-ああ!だからオフィシャルHPに「サムライになりたい」って書いていたんですね(笑)
千織:はい、そうなんですよー。
-よく分かります。私もサムライは大好きです(笑) 話を元に戻しますが、アルバム冒頭の「Justice」の歌詞は特に意味深だなぁって思ったんですが、この歌の真意は?
ユーキー:ハハハ、これは今言っていた漫画にインスパイアされた曲ですね(笑)
千織:そうなんです、実は「笑うセールスマン」がテーマになっていて。最初は「Justice」じゃなく「ドーン」っていうタイトルがついていたんですけど、あまりにもおかしいというか、すごく不評で(笑)
-へええ(笑)
千織:それでタイトルも変えることになって。・・・私も、世の中に対しての憤りはたくさんあります。だけど、そのほとんどが自分ではどうにもならないことじゃないですか。
ユーキー:虐待とかね。
千織:うん。ついこの間も、子供が犠牲になってしまった事件があったし。
-赤ちゃんがアパートで餓死してしまった事件ですね?
千織:そう。そんなことばっかりで。だけど、私たちだけで日本を変えられるのかといったら、そうでもない。総理大臣でも変えることが出来ないのに。じゃあ、一体正義はどこにあるの?って。正義ってたくさんあるけど、それと同じくらいたくさんの悪もある。そして、誰の正義が正しいということもない。自分の中では、自分が持っている正義が一番正しいだけであって。・・・そういうことを曲にしてみたら面白いかなって思ったんです。
-なるほど。そういう世の中への憤りを歌った曲がある反面、エドワード・ティーチの海賊船の物語を歌った「Queen Anne’s Revenge」や、「地上のエデン」などファンタジックな雰囲気の曲もありますよね。
千織:実はこの「地上のエデン」も、世の中に対して歌っているんですよ。大人って「最近の若い子は」とかよく言っていますけど、そういうことで子供の個性や色んなものを奪っている気がするんです。子供の個性を守っていくのは大人であるはずなのに、大人は決まって「こんな日本はダメだ」って不満ばかり言うじゃないですか。私も学生時代は、大人に対して腹立たしいことがいっぱいあったし。今の子供や学生も、同じような腹立たしさをいっぱい感じていると思いますしね。
-そうですね。UPLIFT SPICEには、日本人のプライドを感じます。
ユーキー:かといって、僕たちは「日本人だからこうだ!」っていう気持ちは全くないんですよ。今いるのがたまたま日本で、日本で活動している。ただそれだけの理由なんですよね。音楽って、別にそういうことじゃないと思うんですよ。僕たちじゃない、とあるバンドの話なんですけど、反日感情がある中、中国にライヴにいって、最初は卵とか投げつけられていた。だけど、ライヴが終わってみれば、さっきまで卵を投げていたやつが「ビールをおごらせてくれ」って歩み寄ってきたっていう。ライヴや音楽とかって、そういう風に人の心を動かしていくものだと思うんですよね。ベタベタに貼り合わせたような音楽じゃ、そんな感動は与えられないと思うし。そういう本質的な部分は自分たちの音楽にも出していけたらいいなって思ってます。
-そうですね。これまでにTHE USEDやSAOSIN、ELLEGARDENやBRAHMANなど数多くのバンドと共演してきましたが、一番刺激を受けたアーティストって誰でしょうか?
ユーキー:ちょうど今話しに出た中国にライヴに行ったバンドってのが、実はBRAHMANなんですけど、やっぱりBRAHMANは凄かったですね。キャリアもそうだけど、ライヴにもその経験が全て出ているような気がして。
千織:うん、器も大きかったですよ。今まで色んなバンドのオープニングアクトを努めてきましたけど、色々なことが重なって、どれも本当に偶然だったんですよ。私たちは同じステージに立たせてもらって感謝の気持ちで一杯で。だから一言「ありがとうございました」って伝えたら、TOSHI-LOWさんは「こちらこそ」って言ってくれて。キャリアがある人とか売れているバンドって、少しくらい態度に出たりする場合が多いけど、そんなことは全くなかった。私たちと同じ目線に立ってくれるんですよ。
ユーキー:一回だけの対バンなんで、ひょっとしたら向こうはもう覚えていないかもしれないけれど・・・それでも心に残る思い出ですね。