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INTERVIEW

STONE SOUR

2010.09.03UPDATE

2010年09月号掲載

STONE SOUR

Member:James Root(Gt)

Interviewer:ムラオカ  Interpreter:ジンジャー国田

-アルバム完成おめでとうございます。Corey Taylorのメロディアスなヴォーカルとあなたのリード・ギターの美しさが光るアルバムだと感じました。あなた自身このアルバムには満足していますか?

ありがとう。アルバム制作を始める当初はちょっと不安だったけど、すっかりやることに慣れたし、音も身体で感じていいアルバムが作れたと思っているよ。

-『Audio Secrecy』というタイトルに込められた意味を教えてください。

Coreyが考えたことで、言葉遊びをするつもりでidiosyncrasy(特異性)に似ている言葉を選んだんだ。Audio Secrecyの語呂が良かったのと、テーマにするとすごく幅広いものがあったので、これをインスピレーションにして、曲作りやリフを考えることができたよ。

-アルバム制作は難産でしたか、それとも予定通り順調に進みましたか?

メンバー全員が曲作りをするので、スムーズと言えばスムーズだったんだけど、全てのプリプロダクションが大変だった。そんなに時間に余裕があるわけじゃなかったけど、プリプロにすごく時間がかかってしまったんだ。30曲以上あって、そこからどれを選んで、どれに集中するのかって決めないといけなかった。でも決めるには曲を覚えないといけないから、みんなそれを覚えるのに必死だったんだ。Coreyと俺はSLIPKNOTのツアーを終えたばかりで、新しい楽曲を覚えないといけなくて、どの曲がどれかとか、タイトルもまだついてないから"これがどの曲だったっけ?ダララララ(歌で表現)だとか"で覚えていたんだ。曲を覚えると、もっとその内容に深く入り込めるのでそこで初めて、"この曲はもっとやるべきだ"、"この曲は最悪だから捨てよう"とかって決めていけるんだ。"これもいい、これもいい、これもいい"ってね。自分達に何があるか、トラックしている時にその曲達が展開していって、"顔"を見せるまで分からなかったのが一番難しい部分だった。

-家を借りて、みんなで同居生活をして、レコーディングしていたんですよね?一緒に長い間、生活するのは大変でしたか?

6ヶ月間その生活をしたんだ(笑)でもそんなに悪くなかったんだ。さっき言ったプリプロとリハーサルする時以外はあまり会わなかった(笑)だから、特に問題はなかったよ。トラックする時は、その家で基本的なものをレコーディングして、一人一人別にスタジオに行ってレコーディングしたから、忙しかったんだ。一緒に住んでたけど、滅多に一緒の時間がなかったし、あまりにも忙しかったから夜遊びに行くとかはなかった。残念なことに、その家がナッシュビルだったから、俺的にはクレイジーなギタリストの演奏を見に行きたかったのに、まったくその暇すらなくて、がっかりだよ。音楽家やギターオタクが沢山いる場所なだけに、めちゃくちゃ後悔しているんだよね。もう少し時間があればエンジョイできたのに。

-プロデューサーにはNick Raskulineczを前作に続けて起用していますが、二作続けて起用したいと感じたプロデューサーとしてのNickの魅力を教えてください。

居心地がいいからが一番の理由だった。また別の人を起用して、その人に慣れる時間がもったいなかったし、新しいプロデューサーの仕事の仕方とか考え方を探る余裕がなかったのと、レーベルからプレッシャーをかけられていたので、Nickだったら自分達が貫きたいことをバックアップしてくれるって分かっていたからね。それに音楽業界が変わって来ているから、今までなかった障害やハードルを超えないといけなかったんだ。つまりレーベルが求めているものが変わったんだよ。今までやりたいことをやってきただけだったから、そんなこと考えてもいなかったんだ。それが俺たちだったのに、人が音楽を"買わなくなった"から、いきなり圧力がかかってきた。でも自分の立場を守り、自分達が作りたいアルバムを作ったから、彼らがそれを支持して、アーティストとしての俺たちが発展できるようにサポートしてくれることを願うよ。音楽業界が一番失ってしまった部分だと思うからね。

-リード・トラック「Say You'll Haunt Me」は非常に美しいメロディが光るトラックですね。また力強いヘヴィなパートも盛り込まれておりまさにSTONE SOURの代表的な一曲だと感じました。この曲をリード・トラックに選んだ理由を教えてください。

なぜリードになったか俺は分からない(笑)。かなり前に俺が作った曲で、Shawnに渡して彼がそれに手を加えて、Coreyに渡して、彼が歌詞をつけたんだ。でもあの曲のことを誰も何とも思ってなくて、アルバムに入る1曲としてしか見てなかった。いきなりレーベルがそれを気に入って、シングル・トラックにしたいと言ってきたことに驚いてしまったけど(笑)キャッチーな曲なので、頭に残ると思うよ。

-ギター・プレイにおいてあなたが最も重視したことを教えてください。

例えば「Say You'll Haunt Me」はベースリフから作ったものだったんだ。ドラムビートを考えてからベースリフを考えて作った。♪Do do do do do do(長々と歌ってくれる)というメロディラインをベースで作って、プロツールでディストーションがかかったベースリフとして録音した。ギターパートをその次に加えた。どの曲も全く違う作り方をするんだ。同じ作り方をした曲はない(笑)。あまり慣れてない楽器を使ったりするとけっこうスラスラと曲が作れたりする。違う考え方で取り組まないといけないからだと思う。ギターだと、あまりにも居心地がいいので、いつもと同じネックの場所、握り方、同じコード、スケールなどに行ってしまう。ベースとか、例えばバリトーン・ギターなんかで曲を作ろうとすると違うアプローチと考え方が出来るんだ。

-ピアノは?

実際キーボードも持っているんだけどプログラムの仕方が分からないから(笑)あまり触れてないんだ。それとマイクロシンセも持っているからそれを使っていくつかのアイディアを生み出したけど、これからやることリストにピアノもレッスン!って書いてあるけど実行してないのが正直な所なんだ(笑)