INTERVIEW
30 SECONDS TO MARS
2010.07.12UPDATE
2010年07月号掲載
Member:Shannon Leto(Dr)
Interviewer:ムラオカ Interpreter : 染谷 和美
-じゃあ、Gabeもその先着2000人の中に入っていたんですね(笑)。
そういうこと。他にも色々いたろ? Bam Margeraもいたし、あとはぁ・・、誰がいたっけ・・・、まぁ、とにかく、ものすごい数の応募があったんだ。
-面白いアイデアですよね。
だろ?
-話は戻って、アルバムのサウンドのことですが、前作がニュー・メタルやエモの色が濃かったのに対し、今回はより普遍的なロックになっているという印象を受けたのですが・・・。
要は、アーティストとして同じ場所に留まっていたくないってことさ。俺たちは常に、どこかの箱に収まってしまわないように、どんどんはみ出していくように心がけているんだ。レコーディングの過程においてもライヴにおいても、繰り返しだけは避けたい。そういう意味では今回のサウンドも自然な発展・・・そう、自然な成長の延長線上にあったんだと俺は思ってる。今までのアルバムよりも幅広く、色々な楽しみ方のできるアルバムになっているんじゃないかと思うよ。
-「Hurricane」という曲にいたっては、Kanye Westが参加したヴァージョンもあると聞きました。
イエス。
-本当にあるんですか。
あるよ。1曲、曲が書けた時点で“ここはKanye Westの声を入れたらすごくいいんじゃないか”とJaredが言いだしたのがあってね。それで歌いに来てもらったんだ。 もしかしたら後で、何らかの形でリリースするかもしれないね。
-あと、「DRAGON AGE」というゲームに、「This Is War」が使われていますがあの曲は、あのゲームを想定して書かれたものだったんですか。
いや、そうじゃない。向こうから俺たちにコラボレーションの話がきて、あれを使わせてくれって頼まれたんだ。それだけのことさ。
-わかりました。“L490”・・・お経の声が最後に出てくるのは、この曲ですね。
このアルバムはお経の声で幕を開け、そして下ろすんだ。今回のレコードには、スピリチュアルな側面もあるんだよ。そんな精神性を示すには、あのお経の声を入れることに大きな意味があった。あれはチベットの坊さんでさ。あの日はマジで、エキサイトしたよ。
-ということは、実際にお坊さんたちがスタジオに来て、あなたたちのためにお経をあげてくれたんですか。
あぁ。俺たちも一緒に声を出してチャンティングしたんだ。ちょっとできない経験だぜ、あれは。
-サミットとは別にやったんですか。
あぁ、あれは別だ。
-なるほど・・・。そのサミットですけど、どんな雰囲気だったんですか。何か印象的なエピソードがあれば・・・。
とにかく、その場にいる全員が同じ思いを分かち合っているという、あのエネルギーは驚異的だったね。みんなで力を合わせてアートを創り出そうとしている、あのエネルギーは・・・ほとんどもう魔法のようだった。
-そういう、ファンを交えてのレコーディングとか、外の虫の声を録音しようとか、ジャケットにファンの写真を使うとか、面白いアイデアを出してくるのは誰なんでしょう。
サミットに関しては、うちの弟が言いだしたことだ。もっとも、それも自然な成り行きだったと俺は思うよ。というのも、このバンドは一番最初から、自分たちの音楽を聴いてくれる人たちにすごく興味をもっていて、レコードやライヴを通じてできるだけ交流してきたんで、更に交流を深めようと思えば、自ずとこういう展開になっていくだろう。これもまた俺たちなりの、分かち合いの精神の表れということだ。同じことが、アルバムのアートワークの写真にも、ライヴでファンをステージに上げることにも言える。何かもっと方法がないか、と常に考えているんだよ。
-本当にファンを大切にしていますよね。
彼らは俺たちのファミリーだからね。
-世の中、そこまでファンを意識しているバンドばかりではないと思いますよ。
俺たちは最初からひとりよがりなバンドではなかったつもりだ。バンドのメンバー以外はみんな敵・・・みたいなスタンスではない。むしろ俺たち自身も、このバンドのパーツで、ファンというパーツに加わってもらうことでバンドは成り立っているんだと思っている。だから、参加したい人には、どんどん参加してきてもらいたいし、一緒にバンドという体験を分かち合っていきたい。俺たちにしてみれば、それが普通だと思うんだよね。